孫 正義 グループ代表挨拶 2018年

入社式あいさつ(骨子)

本日開催した2018年度ソフトバンク株式会社の入社式で、ソフトバンクグループ代表の孫 正義が新入社員378人に向けてあいさつしました。

おはようございます。

毎年入社式は、心がわくわくする日であります。私は桜の花が大好きで、一輪だけでもとても麗しいものですが、特に、桜の木に群れとなり咲き誇っている状態が一番きれいだと思います。皆さんは、「カンパニー」という言葉の語源を知っていますか。「カン」は「一緒に」であり、「パン」は食べる「パン」です。つまりパンを一緒に食べる仲間たちという意味です。食事はたった一人で取るよりも、苦楽を共にした仲間たちと取るのが一番楽しいものです。花も共に咲くことによってより美しくなるように、ソフトバンクグループの社員が一緒に花を咲かせたときに最も美しい姿になると思います。皆さんは、同期の桜としてソフトバンクに入社した仲間たちですから、格別の思いで仲間意識を育てることができると思いますし、皆さんの先輩としてすでにソフトバンクで働いている社員、またこれから入ってくる後輩社員と心を共にしてもらいたいと思います。

「ソフトバンク 新30年ビジョン」は、8年前にソフトバンクグループの全社員で意見を出し合い、つくり上げたものです。創業間もない時、私は30年ビジョンを作成し、当時働いていた2人の社員の前で、ソフトバンクを10年、20年後には、売上高を1兆円、2兆円と数える規模にしたいと話したところ、1週後には2人とも辞めてしまいました。その時に、ビジョンは皆で考えて共有しないといけないということを痛感しました。

今後、皆さんはソフトバンクの社員としてそれぞれの部署に配属されることになりますが、配属された部署が自分の思い描いていたものと少し違うと感じることがあるかもしれません。でもそれは単なる入り口にすぎないと思います。今後皆さんは約40年間ソフトバンクの社員として仲間たちと一緒に過ごすことになりますが、40年の間には多くの変化があることでしょう。コンピューターのCPUの能力や通信の速度、メモリーのサイズは今の100万倍をはるかに超えるレベルになります。人間の英知をコンピューターの英知がはるかに超えていく、そういう世界になったとき、人間はどのような仕事をすることになるのでしょうか。

今の仕事は、いわゆるブルーカラーとホワイトカラーの2つに大きく分けられます。30年後にはブルーカラーの仕事は「メタルカラー」に、つまりAI(人工知能)を搭載したロボットにほとんど置き換わると思います。また、ホワイトカラーの仕事もかなりの部分がAIに置き換えられていくでしょう。現在のロボットにOSが搭載され、そのOSの上で人工知能が自在に動くスマートロボットがでてきます。ソフトバンクグループがスマートロボットの生みの親になるかもしれません。そうするともっとクリエーティブで、人間同士が心を通じ合えるような、人に感謝され、感動を与えられるような仕事が、より高付加価値がある仕事となります。人々はありがたいと思うことに対して対価を払い、それが報酬になります。AIに人間の仕事が奪われてしまうのではないかと言う人がいますが、人間が人間に感謝し、人類に貢献していくことは永遠のテーマであり、そういうことのためにAIは進化していくのだと思います。

さて、ソフトバンクグループを携帯電話屋さんと思っている人は多いと思います。われわれは十数年前にボーダフォン日本法人を買収して、携帯電話事業に参入しました。その時、なぜ今さら携帯電話事業に参入するのかという質問を多くいただきましたが、ソフトバンクグループはインターネット、情報革命という形態を通じて携帯電話事業に参入したいのだと話しました。携帯電話は電話をメインの機能としたツールではなく、モバイルインターネットのツールになっていくので、遅ればせながらではなく、その時代の先頭に立って参入するのだと話しました。事実、スマートフォンの時代になり、事業はその通り動いてきました。これからは、皆さんが入社後に携わるそれぞれの仕事で、AI、IoT、ロボティクスの分野に何かしら関わっていくことになるでしょう。

ソフトバンクグループが目指すのは、情報革命ただ一つ。その情報革命で人々を幸せにするという思いがあります。1回しかない人生。熱き心で多くの人々に幸せになってもらいましょう。われわれは今後あらゆる領域で世界一になり、300年成長し続ける企業グループになると、心から信じています。なぜならば、ソフトバンクグループは自己増殖をするだけではなく、自己進化をするグループだからです。私は皆さんと同じ志を共にし、情報革命を目指し、グループが自己進化するために一生懸命その先頭を走っていきます。ソフトバンクグループはまだまだ創業期です。同期の桜として一緒に素晴らしい人生を過ごしましょう。

(掲載日:2018年4月2日)