常勤監査役メッセージ

常勤監査役メッセージ「フラットな組織と闊達なコミュニケーションがガバナンスの要」須﨑 將人

法務部長から監査役へ

2002年に入社以来、法務部長を約16年間務めた後、2017年に常勤監査役に就任しました。法務部長時代は受け身になることなく積極的に意見を出していましたが、法務という枠組みでは限界を感じることが多くありました。今回監査役に就任したことで、発言には今まで以上に責任が伴うものの、枠にとらわれることなく広く意見を述べることが可能になりました。

常に現場と接し、生の情報をいち早く得ていた法務部長時代と異なり、監査役となった今は、現場から遠くなり、細かいことに気付くまでに時間を要してしまう点は課題です。しかしながら、会社に貢献したい気持ちは入社以来変わりません。今後、株主の皆さまに選ばれる監査役という立場から、経営の意思決定に問題がないか、コンプライアンスを軽んじていないか、丹念に監査する役割を果たしつつ、会社の効率化や利益追求に貢献できるよう、積極的に意見していきたいと考えています。そのためにも、法務部長時代ほどとはいかずとも、現場に少しでも近づく努力が不可欠です。

また、私自身の経験からも貢献できることがあります。今後ソフトバンクグループは、本当の意味で国際化を目指していくにあたって、グローバルで通用する組織へと形を整えていく必要があります。私は20年以上にわたり総合商社に勤務し、およそ10年間海外に駐在しました。そこで得た海外オペレーションのノウハウを、ソフトバンクグループに還元していきたいと考えています。

監査役会の仕組みを見直して議論の質の向上に貢献

監査役就任を機に、監査役会の仕組みを見直しました。例えば、取締役会の議案の事前説明には、従来は常勤監査役のみが参加していましたが、現在は非常勤の監査役にも参加してもらっています。議案の内容を事前に精査することで議案の質が上がるとともに、監査役の理解も深まります。従来の監査役会は、月に一度開催していたのですが、単なる報告会に終わってしまい、あまり議論が深まらないこともありました。しかし今では、事前説明を受けた後に監査役間で議論を行い、取締役会や社長との面談時にフィードバックすることができており、議論の質の向上に貢献できていると思います。

コンプライアンスリスクの抑制に向けて

以前社長の孫は、コンプライアンスに関して、違反がゼロになることはあり得ない、と言っていました。私もそう思います。重要なことは、問題が起きたときにスピーディーに対応する仕組みです。ソフトバンクグループには、孫社長を含め役職のある人であっても若い人の意見にも耳を傾ける文化と、組織の壁が無く部門間の風通しがよい風土があります。部門同士が協力し合えるフラットな体制があれば、万一コンプライアンス違反が起きたとしても、隠すことなく迅速で適切な対応が可能になります。この文化を今後も維持していくことで、ソフトバンクグループのガバナンスは有効に機能していくでしょう。

コンプライアンスは違反の線引きが大変難しく、細かいことを挙げ出すときりがありません。大切なのは、コンプライアンスを根本的に順守する意識を常に持つことです。例えば賄賂などは、形を変えてビジネスモデルに組み込まれている場合がありますが、自分たちのビジネスモデルに問題はないかを改めてチェックする意識があれば、対処療法ばかりではなく、根本的解決も可能であると考えます。

ソフトバンクグループが抱える今後の課題

今後の経営上の最大の課題は、やはり孫が退任した後の経営体制だと言えるでしょう。集団経営体制への移行も考えられますが、役員同士が争ったり、率直に意見しにくくなったりするようではうまくいきません。そのような状態に陥ってしまうと、自分の部門で起こったことを隠してしまい、その結果、ガバナンスが機能不全に陥ってしまいます。このようなリスクを未然に防ぐため、今のうちから複数のトップがお互いに意見を出し合い、信頼し合える関係性を作っておく必要があります。先に述べたとおり、ソフトバンクグループの良さは、部門間のコミュニケーションが活発で、情報共有が容易にできる点にあります。私自身も監査役という立場であっても、各部門に声かけをするなどのコミュニケーションを怠らないことで、物理的にも心理的にも壁のない環境を築いていきたいと考えています。縦割りの組織は、その組織内のみで全てを解決しようと試みますが、結果的に意図せず落とし穴にはまることもあり、大変危険です。自分にはあまり関係なさそうな事柄であっても、横のことが気になるという体制を維持することで、ホットラインが強化され、コンプライアンスを徹底する体制もおのずと維持・強化できるはずです。問題が発生した時には部門を超えて共有し、自由に相談や意見し合える環境である限りは、どのようなガバナンス体制であっても心配はありません。

[注]
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