2006年3月期 決算説明会

平成18年5月10日(水)、ソフトバンク株式会社は平成18年3月期 決算説明会を行いましたので、その概要についてお伝えいたします。なお、決算説明会の模様は、オンデマンド配信でご覧いただけます。

決算説明会の模様

2006年3月期 決算説明会資料 表紙

ボーダフォン(株)の買収完了後初となる今回の決算説明会は、400名を越える方々が参加され、会場はほぼ満席の熱気ある雰囲気の中、質疑応答を含めて約2時間にわたって行われました。冒頭に代表取締役社長の孫は「ボーダフォン(株)のほぼ全社員が、既にソフトバンク本社屋への引越しを済ませました。このような大規模の買収案件で、買収手続きの完了後わずか2日でほぼ全社員が引越しを終えたというスピードは他にあったでしょうか。これは、ソフトバンクグループのシナジーが早期に発揮できるように早速統合が順調に進んでいるということです。」と、ボーダフォン(株)買収完了後の大きな手ごたえを感じている現状をご説明申し上げました。

決算概要

ソフトバンクグループは、ボーダフォン(株)の買収により売上高2.5兆円規模、回線数2,600万回線規模の事業規模となります。当期の連結売上高については、全セグメントの売上高が順調に増加した結果、1兆1,086億円(前期比2,716億円増加)と創業以来初めて1兆円を突破しました。利益面では連結営業利益、連結経常利益、連結当期純利益の全てにおいて5年ぶりの黒字化を達成しました。各利益についてそれぞれ説明いたしますが、連結営業利益は622億円(前期比876億円改善)を計上しました。なお当期の連結営業利益には、モデムレンタル事業売却に伴う影響額146億円が一時的な要因として含まれていますが、この影響を差し引いても476億円の黒字と創業以来最大の水準となります。連結EBITDA*1も、1,499億円(前期比1,058億円増加)と創業以来最大の水準となりました。連結経常利益は274億円(前期比727億円改善)、当期純利益は575億円(前期比1,174億円改善)と、それぞれ創業以来最大の水準での黒字化を達成しました。

セグメント別に見ると、ブロードバンド・インフラ事業は、「Yahoo! BB ADSL」の回線数が504万回線*2となるなど引き続き順調に推移しており、ヤフー(株)を含むインターネット・カルチャー事業も好調に推移しています。さらに固定通信事業が収益改善によって当四半期に黒字化したことにより、主要全セグメントにおいて四半期黒字化を達成いたしました。

当期末の手元流動性は、ボーダフォン(株)の買収に備えるためコミットメントライン未使用枠を含めて5,116億円と潤沢に確保したほか、純有利子負債は4,546億円と着実に減少しました。

[注]
  • *1EBITDA:営業損益+営業費用に含まれる減価償却費および固定資産除却損。
  • *22006年3月末現在。

ボーダフォン(株)の買収

平成18年4月27日、ソフトバンクグループはTOB等によりボーダフォン(株)の発行済株式の99.54%を取得いたしました。買収資金としてBBモバイル(株)が発行した普通株式を、当社*3が2,000億円引き受け、同社が発行した優先株式をボーダフォン インターナショナル ホールディングスB.V.(VIHBV)が3,000億円、ヤフー(株)が1,200億円それぞれ引き受けて調達したほか、VIHBVからの劣後借入により1,000億円、LBOスキームによるブリッジローンで17行・社の金融機関から1.16兆円(借入枠は総額1.28兆円)をそれぞれ調達しました。なおブリッジローンは今後、長期調達への転換及び調達手段の多様化を予定しております。

[注]
  • *3当社は100%子会社であるモバイルテック(株)を通じて出資。

携帯電話事業への参入

ソフトバンクグループがボーダフォン(株)を買収した最大の目的は、「時間を買う」ことにあります。具体的には、

  1. 1,520万ユーザーの顧客基盤
  2. 人口カバー率99.93%のネットワーク
  3. 国内外の端末ベンダーとの連携による端末調達力の向上
  4. 携帯事業における10年以上の経験値をもつ人材・ノウハウ
  5. 全国約1,800店舗のボーダフォンショップを中心とした販売ネットワーク
  6. 年間3,000億円規模のEBITDAを生み出す事業キャッシュ・フロー

といった6つのポイントがあります。

日本の移動体通信の市場規模は、売上高約8.7兆円、営業利益約1.3兆円、EBITDA約2.5兆円です。ボーダフォン(株)はこの市場において、競合他社に比べて第三世代携帯電話(3G)がつながりにくい状態にあったため、解約率も競合他社に比べて高い水準にありました。そこで私たちでは、4つのコミットメントにより競争力の強化を図ります。

4つのコミットメント

(1)3Gネットワークの増強

3G携帯のつながりにくい地域をなくしていくために、年度内4万6千局規模の基地局構築をターゲットとし、3Gネットワークのカバレッジエリアを一気に改善します。

(2)3G端末の強化

現在携帯電話市場においてでは、3G端末の中でもワンセグ*4対応など高性能な端末に人気が集まっています。ソフトバンクグループでは今後、これまでに発表された他社の端末よりも高性能な商品の提供の準備をしております。5月27日に発売予定のシャープ製“AQUOSケータイ”「Vodafone 905SH」をはじめ、今後は国産端末メーカーによる新商品を続々と投入する予定でおります。

(3)コンテンツの強化

2004年時点において、インターネット利用者のうち4,200万人以上が携帯とパソコンを併用しているとの調査結果(総務省「通信利用動向調査」)があり、今後も併用するユーザーはさらに増えると思われます。これまでインターネット上のコンテンツは、固定ブロードバンド上での展開が中心でしたが、今後はモバイル・インターネットもブロードバンド化され、シームレスにコンテンツが楽しめる時代がやってきます。それはつまり、グループ内にヤフーなどを中心とするインターネットコンテンツを多数保有する「ソフトバンクグループの時代」がやってくるということではないでしょうか。これからはソフトバンクグループの強みたるコンテンツ・サービスを、モバイル・インターネットの世界にも広めていきます。

(4)営業体制・ブランディングの強化

既存の販売チャネルを強化するとともに、グループの様々な商品を取り扱う総合通信ショップ化を目指します。また、グループの法人営業人員を活用し、法人顧客層の開拓も目指します。

[注]
  • *4ワンセグ:地上デジタル放送で行なわれる携帯電話などの移動体向けの放送。

シナジー効果の創出

さらにソフトバンクグループでは、ボーダフォン(株)との3つのシナジーを早期に創出できるよう努めます。

(1)コスト削減効果

日本テレコム(株)、ソフトバンクBB(株)の持つネットワークへの統合によってコスト削減と同時に、フルIP化によるネットワークの最適化を実現するとともに、グループ内通信事業各社の人的資源をグループ内で再配置するなど、技術・営業・管理・システムのコスト削減を目指します。

(2)営業シナジー

ソフトバンクグループが提携する強力な販売店網とボーダフォン(株)の全国約1,800店舗のボーダフォンショップといった販売チャネルの相互利用により、営業シナジーの創出を目指します。

(3)サービスシナジー

個人向けにはグループ各社と連携してコンテンツ力を強化し収益を向上させると共に、法人向けには新しいワークスタイルと組み合わせたサービスの提案などを通じて顧客層の開拓を行っていきます。最終的には、固定と無線を融合し、全てのブロードバンド・コンテンツをシームレスに提供することを目指します。

ソフトバンクグループは今回の買収において、買収が完了する前に新経営陣を発表し、買収完了後2営業日目に汐留本社への移転を完了するなど、新体制へのスムーズな移行を進めています。これも、ボーダフォン英国本社とも良好な関係を維持していることの現れでもあります。

これまでのボーダフォン(株)は通信キャリアとしてインフラ収益が大部分を占めてきました。ソフトバンクグループの目指す携帯電話事業の収益イメージは、総合デジタル情報カンパニーとして、インフラサービスの提供による収益はもちろんのこと、グループを含むコンテンツ事業からの収益を拡大させることにあります。ソフトバンクグループは、21世紀のライフスタイルカンパニーとして、今後も活躍してまいります。

主な質疑応答

Q.

私はボーダフォン携帯のユーザーですが、ソフトバンクグループは今秋にモバイルナンバーポータビリティが実施された後も、ボーダフォン携帯のユーザーに残っていて良かったと思えるようなサービスを、今後どのように打ち出していくのでしょうか。

A.

ソフトバンクグループでは、お客様に感動して興奮していただけるようなサービスをいろいろ準備しています。モバイルナンバーポータビリティ実施までには、その第一弾となる具体的なサービスを用意できるのではないかと思います。ただし、私たちが理想としているような革新的なサービスの全てをその時までに用意できるわけではありません。徐々に進化していきますので、ぜひ期待していてください。

Q.

携帯電話事業に係る設備投資の資金計画はどのようなものですか。

A.

私たちの設備投資は、IPの先端技術を駆使し、また様々な技術を組み合わせることによって、数千億の下のほうの金額で済むのではないかと考えています。このほかベンダーファイナンス等を活用しながら、より資金負担の少ない形で検討しております。

[注]
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。