2007年3月期 決算説明会

ソフトバンク株式会社は平成19年5月8日(火)、平成19年3月期 決算を発表しました。同日開催した決算説明会についてお伝えします。なお、決算説明会の模様は、オンデマンド配信でご覧いただけます。また、より詳細な決算概要については、決算説明会の翌日に開催したアナリスト説明会をあわせてご覧ください。

決算説明会の模様

平成19年3月期 決算説明会概要 表紙

決算説明会には、代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長 兼 関連事業室長の後藤、経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクモバイル株式会社 取締役 専務執行役CTOの宮川(みやかわ)、同社 常務執行役CFOの藤原(ふじはら)が出席しました。

ボーダフォン日本法人(現 ソフトバンクモバイル株式会社)を昨年4月に買収して、ちょうど1年が経過しました。今回の決算説明会は、ソフトバンクが携帯電話事業に参入して初めての通期の決算発表ということもあり、報道関係者や証券アナリスト、機関投資家など、約400名の来場者があり、会場内はほぼ満席となりました。

登壇した孫は開口一番、「人生には何度か転機がある。会社にもいくつかの大きな転機がある」と述べ、ソフトバンクにとって、インターネット事業に取り組んだこと、そして、そのインターネットをより速くするためにインフラ事業としてYahoo! BBに取り組んできたことを大きな転機として挙げました。さらに、携帯電話事業への参入について、「ソフトバンクの今後の姿にとって、非常に大きな転機になった。もし、(携帯電話事業を)持っていなかったならば、今から10年後、20年後に振り返ってみて、たいへん大きな違いになっていただろう」と、3つ目の大きな転機と位置づけました。

決算概要

答えは「Yes!」。
これは「ボーダフォン日本法人の買収は成功だったのか?」という問いに対する答えです。

買収前の懸念事項であった、買収資金の調達や、買収後の収益性・顧客基盤の維持、ブランドイメージの向上など、決して容易ではない課題に取り組み、携帯電話番号ポータビリティーの開始という正念場に向けて態勢を整えてきました。また、ボーダフォン日本法人の買収が収益拡大に大きく寄与し、平成19年3月期の連結業績は、売上高が2兆5千億円を突破。また、営業利益は2,710億円、経常利益は1,534億円、当期純利益は288億円となり、創業以来最高の売上高、営業利益および経常利益となりました。

事業成果

ボーダフォン日本法人を買収して携帯電話事業への参入を果たし、昨年10月には「ソフトバンク」へブランドを変更しました。「ゴールドプラン」や「オレンジプラン」「ブループラン」などの新料金プランを同月に導入し、今年1月には月額基本使用料980円(税込)で午前1時から午後9時まではソフトバンク携帯電話へ通話し放題、それ以外の通話は一律21円(税込)/30秒の料金プラン「ホワイトプラン」を導入。さらに高額利用者向けに、月額定額料980円(税込)で国内通話料が半額の10.5円(税込)/30秒となるホワイトプラン専用の割引サービス「Wホワイト」を3月より導入するなど、料金サービス体系を一気に刷新し、劇的なスタートダッシュを成功させました。

その結果、買収が完了した翌月からの12ヵ月間で、新規契約から解約を差し引いた純増は約85万件となり、買収前のボーダフォン時代の同じ期間と比較すると、約4倍に跳ね上がりました。また、平成19年1月から3月まで3ヵ月連続で純増が10万件を超え、第4四半期の純増は41万2千件となり、トレンドは完全に好転しています。さらに、4月度の純増が16万件を超え、4月末現在の全契約数は1,600万件を突破しました。3Gと2Gの割合が逆転し、3G携帯電話の比率が50%を超えました。

買収時点で約1,522万の顧客基盤を有し、買収後もそれを着実に拡大させてきてきました。仮にゼロから独自に展開した場合と比較すると、正に答えは「Yes!」。つまり、携帯電話事業を買収することによる参入は成功だったと言えます。

大好評「ホワイトプラン」、申込件数が400万件を突破

かわいい犬のTV-CFでおなじみの「ホワイトプラン」。今回の決算発表と同時に、ソフトバンクモバイルは今月3日にその申込件数が400万件を突破したと発表しました。今年1月16日に導入し、3月31日末に300万件を突破してから、約1ヵ月で400万件を超えました。

質疑応答

主な質疑応答は、次のとおりです。やはり移動体通信事業に関する質問が集中しました。すべての質問に社長の孫がお答えしました。

携帯電話全般

Q.

純増、累計に占める法人契約率を教えてほしい。「ホワイトプラン」導入以降、法人契約が伸びている印象を受けるがどうか。

A.

「ホワイトプラン」導入以降、具体的な数は把握できていませんが、中小企業の契約が好調です。毎月、数万回線レベルで法人需要が伸びています。また、ソフトバンクテレコムの法人営業部門の販売支援により、大手法人にも食い込み始めています。

Q.

携帯電話事業の今後の拡大の方向性は。

A.

契約数は着実に増えており、基礎体力的な部分の利益は積み上げられると考えています。ただし、健全な意味で、契約数を増やすための積極的な販売促進を今後行うかもしれません。その場合は一時的に利益が減少する可能性があります。

Q.

携帯電話事業の営業利益が1.8倍になったとのことだが、どこが増えたのか。

A.

要素としては、85万件の純増があったこと、2Gから利益率がよい3Gへシフトしたこと、そして通信3社のシナジーによりコストを削減できたこと、携帯電話端末の割賦販売による解約率低下、販売奨励金の低減などが挙げられます。要素の具体的な額はわかりませんが、バランスよく改善できています。

Q.

「Yahoo!ケータイ」のアクセス数の実数は。

A.

第4四半期のデータARPUの実績は1,380円でした。「パケットし放題」など、パケット定額サービスの加入数は400万件以上です。3G携帯電話の比率は50%を超えました。3G携帯電話の契約者がパケット定額サービスに加入する比率が増えているということもあり、好ましいことと思っています。

Q.

携帯電話端末の割賦販売がARPUに与える影響は?

A.

2Gから3Gへのシフトが進み、ベースはよくなってきていると思います。また、2ヵ月無料がなくなり、ARPUは好転すると考えています。携帯電話端末の割賦販売の影響で会計上ARPUは下がりますが、その影響を除いた形で申し上げますと、ARPUは順調に推移しています。また、「ホワイトプラン」などで通話料収入が従来の3GのARPUより下がりますが、2Gから3Gへシフトし、データARPUが増えています。ARPU全体はもう少し様子をみないとわかりませんが、極端に下がっていません。

Q.

携帯電話事業の営業体制の強化や販売チャネルの増加計画について教えてほしい。

A.

営業体制を強化し、受付カウンターを現在より大幅に増やしていきたいと考えています。

Q.

新スーパーボーナスがまだ消費者にうまく伝わっていない部分があると思うが、販売方法など改善策を考えているか?

A.

新スーパーボーナスは80%を超えるお客様に受け入れられています。個人のお客様に限ると90%を超え、大半の個人のお客様に受け入れてもらっています。まだ十分にご理解いただいていないお客様もいると思いますが、お客様にとってメリットのあるサービスであると思っています。その結果、通話料を大幅に下げられ、お客様に還元することができます。お客様に真に理解いただけるよう努力していきたいと考えています。

Q.

MNPに対するソフトバンクの評価は。

A.

(ボーダフォン日本法人の買収は)“沈みゆく船”を買ってしまうのではないか、MNPで契約数が劇的に減ってしまうのではないかという声もありましたが、順調に契約数を伸ばすことができました。長い戦いになると思いますが、不退転の覚悟で携帯電話事業に取り組む所存です。ソフトバンクはベンチャー企業として、常に厳しい競争にさらされながら、ここまできました。これからが本当の力の見せ所だと考えています。

基地局

Q.

携帯電話ネットワークを高速化するビジョンは。

A.

現在、3.6MbpsのHSDPA*1端末をいくつか出していますが、これを7.2Mbpsにしたいと考えており、準備を進めています。なお、HSDPA対応の基地局は、現在6,000局となっています。

[注]
  • *1High Speed Downlink Packet Accessの略。
Q.

基地局数の内訳をみると、「工事中」となっている基地局の比率が上がっているが、その背景は。

A.

着工すれば後は時間の問題です。今年度の上半期中に46,000局を達成できると考えています。

Q.

ネットワークの今後の展開について教えてほしい。

A.

エリア拡大とキャパシティーの充実をバランスよく行っていきたいと考えています。HSDPA対応の基地局も現在の6,000局から、さらに増やしていきたいと考えています。

携帯電話端末

Q.

携帯電話端末の製造コストを抑えるための、プラットフォーム戦略についてどう取り組んでいくのか。

A.

今月22日に発表しますので、それまでお待ちください。

財務関係

Q.

WBS*2によるリファイナンスに関する現在の評価は。

A.

マネジメントケースを十分クリアできており、リファイナンスは順調に推移しています。期限前償還についても、そのうち検討したいと考えています。

[注]
  • *2Whole Business Securitizationの略。
Q.

設備投資やキャッシュ・フローの推移について教えてほしい。

A.

昨年度のCAPEXは三千数百億円でした。今年度もその前後の金額となる見込みです。来年度以降はそれより少なく済むのではないかと思っています。内数でリースが1,100億円、オンバランスで九百数十億円。詳細に関する説明は、明日の「説明会>アナリスト説明会」で行います。

その他

Q.

携帯電話事業を開始した今、ソフトバンクは今後どの分野に力を入れていくのか。また、SBIがグループから抜けた後、金融面で再び事業を展開する可能性は。

A.

社内では携帯電話事業を“10年戦争”と位置づけており、長い道のりを着実に進むための精力を集中している状況です。新たな事業分野への進出については、携帯電話事業が盤石になってから検討します。また、SBIを切り離したばかりなので、当面金融面での事業展開は考えていません。

Q.

ジャック・マー氏を取締役に迎えるにあたり、何を期待しているのか。

A.

中国は潜在的に大きなマーケットであると考えいます。ソフトバンクが投資している会社は、中国で続々と上場準備に入っています。対中戦略を立てるうえで、マー氏には経営の一員として協力いただきます。また、同氏の参画により、ソフトバンクはいっそう強くなると考えています。

Q.

ソフトバンクグループに携帯電話事業を加わったことで、どのようなグループメリットがあるのか。例えば、固定と携帯の請求書を一本化するなどの、融合サービスは。

A.

個別のサービスについては、準備ができた段階で発表します。

[注]
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。