2008年3月期 中間 決算説明会

ソフトバンク株式会社は2007年11月6日(火)、平成20年3月期 中間 決算を発表しました。同日開催した決算説明会の模様についてお伝えします。なお決算説明会の模様は、ビデオオンデマンドでもご覧いただけます。また、より詳細な決算概要については、決算説明会の翌日に開催したアナリスト説明会をあわせてご覧ください。

決算説明会の模様

2008年3月期 中間 決算説明会 表紙

決算説明会には、代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長 兼 関連事業室長の後藤、経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクグループ通信3社の財務担当・藤原(ふじはら)が出席しました。

2006年10月より「ソフトバンク」ブランドへ変更してから丸1年が経過した携帯電話事業では、新規契約から解約を差し引いた純増数で「上半期&6ヵ月連続No.1」を達成しました。また当社の持分法適用関連会社の、中国・アリババグループ(持ち株会社)の子会社・アリババドットコムが香港証券取引所に新規上場するなど、注目の話題が多いソフトバンクグループ。アリババドットコムの上場日と重なったということもあり、報道関係や機関投資家、金融機関の関係者など、決算説明会への来場者は300人を超えました。

登壇した孫は開口一番「今日は大変うれしいことがありました」と、中国における戦略的グループ会社であるアリババドットコムが上場したことを報告しました。「アリババが事業を開始して間もないころ、約20億円を投資。その後も追加投資して、現在三十数%のアリババグループの株式を保有している。(上場したアリババドットコムは)公募価格ベースで時価総額は約1兆円になった」と、アリババドットコムの上場がソフトバンクグループにもたらす価値と併せて、「ソフトバンクがインターネットの会社として日本、中国、そしてアジアの国々での中長期的な戦略が、一歩一歩前に進みつつある」と手応えを述べました。

また携帯電話事業と絡めて、「インターネットのアジア最大の会社がケータイも最近始めた」と、ソフトバンクグループの軸足がインターネットにあることを、あらためて強調しました。

中間決算ハイライト

平成20年3月期中間決算のハイライトとして、まず「上半期営業利益49%増(前年同期比)」と「上半期純利益3.2倍(同)」という連結業績、次に「上半期純増数114万件」と好調な携帯電話事業、そして「アジアNo.1インターネットカンパニー」の象徴となるアリババドットコムの上場+Yahoo! JAPANが挙げられます。
前年同期の携帯電話の純増契約数がわずか9.7万件だったのに対し、当中間期は前年同期比105万件増の114万件。当中間期の連結業績は売上高が1兆3,647億円(前年同期比21.8%増)、営業利益が1,677億円(同49.0%増)となりました。これは主に好調な携帯電話事業に支えられたこと、また前年同期の業績には買収したボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル)の業績が5ヵ月分反映されていたのに対し、当中間期から6ヵ月分フルに反映されていることによるものです。

事業の進捗

中間決算のハイライトを説明した後、好調な携帯電話事業の進捗について、いくつかの指標を交えながら説明しました。純増数が上半期No.1となった理由は、「ホワイトプラン」の加入件数が累計で900万件を超えたことや、3ヵ月連続でCM好感度の“三冠王”となったこと*1、法人契約数の純増が前年同期比5.5倍と飛躍的に伸びていること、一方で解約率は低水準を維持していることなど、枚挙にいとまがありません。そして今回新規上場したアリババドットコムや、タオバオなど中国のグループ会社の概要を説明しました。

[注]
  • *12007年8月から、会社別、作品別、銘柄別。出典:CMデータバンク/CM総合研究所。

ケータイをインターネットマシーンへ

今回のプレゼンテーションを締めくくるメッセージは、「ケータイをインターネットマシーンへ」。つまり携帯電話の利用の中心を“ボイス”から“インターネット”へ移行させていく、さらにそれを加速させていくという意味です。インターネットに軸足を置き、インフラとコンテンツを併せ持つソフトバンクグループならではのキーメッセージです。

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。すべての質問に社長の孫がお答えしました。

携帯電話事業関連

Q.

冬商戦の行方は。

A.

機種数については、ソフトバンクとKDDIさんは今年の秋冬商戦分を発表しました。NTTドコモさんは来年の春商戦分も含めたラインアップのようです。ですからドコモさんの機種数が飛び抜けて多いというわけではないと考えています。またドコモさんやKDDIさんの分離プランについては、通話時間によってかえって割高になり、実質的な値下げにならない場合もあります。ソフトバンクとしては、「ホワイトプラン」や「Wホワイト」などの“ホワイトシリーズ”に競争力が十分あると考えており、今後も粛々と進めていきます。

Q.

「Yahoo!ケータイ第2世代」導入後のトラフィック(通信量)に変化は。

A.

まだ始めたばかりなので計測不能ですが、携帯電話端末に「Y!」ボタンを搭載した後は、「Yahoo!ケータイ」のページビューが1年間で70倍になりました。一度使うと手放せないものになりますので、今後もトラフィックは増えると考えています。

Q.

パケット通信料定額サービスの加入件数と、そのARPU*2は。

A.

3G携帯電話をご利用のお客様の約56%が(パケット通信料の)定額サービスに加入されています。また定額サービスに加入されているお客様のデータARPUは2,000円前後、全体のデータARPUは約1,400円でした。

[注]
  • *2Average Revenue Per User:契約者1人当たりの平均収入。
Q.

解約率はまだ下げられるのではないか。さらに低下させるための施策は。

A.

3G携帯電話の解約率は9月が1.02%、10月が0.93%と、改善が進んでいます。端末を割賦販売で購入されたお客様に限定すると0.75%でした。割賦販売の契約率が上がれば、解約率はさらに低下すると考えています。

Q.

WiMAXについて、戦略と周波数取得の意義は。

A.

割り当てについては、どの事業者になるか分かりません。われわれが他事業者と違うのは、MVNO*3に対してオープンにインフラを提供することを明確にしていることです。新規参入の事業者にチャンスを提供するビジネスモデルで、かつ国民の共有資産である電波の有効利用が進むと考えています。ドコモさんとKDDIさんは既に有利な800MHz帯を持っていますが、ソフトバンクモバイルは持っていません。このため多大な投資をして、KDDIさんと比べると3倍の数の基地局を設置する必要がありました。不利な割り当てが繰り返されるようであれば、甚だ残念に思います。2.5GHz帯をぜひ取得したいと考えています。

[注]
  • *3Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者。他事業者から移動体通信ネットワークを借りて、通信サービスを提供する事業者。
Q.

フェムトセル*4について、実証実験の現状と課題は。また商用サービスの時期は。

A.

着々と開発を進めています。ソフトバンクは英国ボーダフォンと戦略的提携を結んでおり、共同で開発・発注を行います。ソフトバンク単独で行うよりも、相乗効果によって開発のスピードアップとコストダウンが図られると考えます。商用サービスについては、法制度改正を待つ必要があります。一日でも早く開始したいと望んでいます。商用サービスの開始時期は来年の、ある時期になるのではないでしょうか。

[注]
  • *4家庭やオフィスなどの屋内に設置して限られた範囲の通話品質を向上させる、携帯電話の超小型基地局。
Q.

二台目需要や法人の内線代わりの使用も増えているようだが、「ホワイトプラン」を永続的に続けていけるのか。またなぜ利益が出るのか。

A.

「ホワイトプラン」については、もしソフトバンクモバイルがドコモさんやKDDIさんのように高いマーケットシェアを持っていたら、サービスを提供できたかどうかは疑問です。シェアNo.1の事業者が取るべき戦略ではなく、むしろ3位だからできたことです。今後も永続的に新規契約のお客様に対して「ホワイトプラン」を提供できるかは検討しなくてはなりません。なお既存のお客様については、できるだけ続けていきます。ソフトバンク携帯電話以外へ発信する際に通信料が発生するほか、ドコモさんやKDDIさんなどから着信した場合に相互接続料をいただけるので、利益を出すことができます。また新規契約の約6割が加入する「Wホワイト」の加入者の増加や割賦販売による解約率の低下によって経営効率が良くなり、順調に推移していることも利益を押し上げています。

Q.

二台目需要は負担ではないのか。

A.

ソフトバンク携帯電話をトランシーバー代わりに使われるお客さまを、以前は「負担」と考えていました。しかし二台目として使っているうちにソフトバンクの良さを実感され、ソフトバンク携帯電話1台に集約されるケースが多いようです。このようなお客さまは月々の支払額が非常に大きく、社内では二台目のお客様に一台目にしていただくことを(将棋の「歩」が「と金」になることにかけて)「と金プログラム」といっているほどです。ということで、お試しの二台目需要でも大歓迎です。

アリババグループ関連

Q.

将来的にアリババとの連携をどのように取っていくのか。

A.

アリババグループ代表のジャック・マー(ユン・マー)氏を当社の取締役として迎えるなど、既に連携は強固なものですが、将来的には業務提携の範囲をさらに広げていきます。その一つが「アリババ・ジャパン」です。さまざまな節目でシナジーを出していきたいと考えています。

Q.

アリババグループ(持ち株会社)ではなく、B2B事業会社のアリババドットコムのみが上場した背景は。

A.

つい1、2ヵ月前まで、私(孫)はアリババグループの取締役会で上場に慎重な意見を述べていましたが、上場することで取引先の信用やブランド力などを上げたいというアリババ側の考えに最終的に同意しました。ほかの事業は伸び盛りであり、上場の準備など本業以外に時間を割くべきではないので、現時点では上場しないほうがよいと伝えました。タオバオなどの会社についても、近い将来、5年、10年経たないうちに上場すると思われます。今回上場したアリババよりも、タオバオやアリソフト、アリペイのほうが潜在的な価値があると考えています。

その他

Q.

有利子負債の返済について将来的な見通しは。

A.

できるだけ早く返済する考えです。実際の返済も多少前倒しで行っています。しかし契約数が増加している時期に、返済を優先するのは本末転倒です。無理をせず、両立させていく方針です。

Q.

固定通信と移動体通信サービスの融合をどう考えているのか。

A.

法人向けは直収型固定電話サービスの「おとくライン」で利益が出ていますので、それを伸ばしていく方針です。またソフトバンクテレコムが法人の顧客基盤を持っていることがポイントで、法人の顧客向けに移動体通信サービスを積極的に提供していきます。FMC*5についてはさまざまな方向で検討し、一部では実験中です。今後も検討を進めていきます。

[注]
  • *5FMC:(Fixed Mobile Convergence) 移動体通信と固定通信の融合。
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。