2009年3月期 第1四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社は2008年8月5日、2009年3月期 第1四半期 決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様についてお伝えします。決算説明会の映像をビデオオンデマンドで公開していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算説明会の翌日に開催したアナリスト説明会をあわせてご覧ください。

決算説明会の模様

[イメージ]2009年3月期 第1四半期 決算説明会

決算説明会には代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長 兼 関連事業室長の後藤、経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクモバイルCFOの藤原(ふじはら)、同社CTOの宮川(みやかわ)が出席しました。

携帯電話の新規契約から解約を差し引いた純増数が14ヵ月連続No.1*1と、前年度から引き続き好調な携帯電話事業が、「iPhone™ 3G」の販売開始によりさらに注目される中でのソフトバンクグループの決算発表。真夏日の暑さにも関わらず、会場には多くのメディアや機関投資家、金融機関の関係者が集まりました。

[注]
  • *1電気通信事業者協会(TCA)調べ。

決算ハイライト

2009年3月期第1四半期決算(2008年4月~2008年6月、以下「当期」)のハイライトとしまして、連結業績でのEBITDA*2・営業利益・経常利益が第1四半期比較で「過去最高」、携帯電話事業での「純増数14ヵ月 連続No.1」、6月発表、7月販売開始のiPhone 3Gが挙げられます。

当期のソフトバンクグループの連結業績は、売上高が6,472億円(前年同期比2.4%減少)、EBITDAが1,614億円、営業利益が850億円(同8.1%増加)、経常利益が542億円(同6.1%増加)、そして当期純利益が193億円(同22.9%減少)という結果になりました。移動体通信事業、インターネット・カルチャー事業、ブロードバンド・インフラ事業など、主な事業で増益となり、EBITDA、営業利益、経常利益がそれぞれ第1四半期比で過去最高と、減収ながらも確実に利益を拡大することができました。

連結売上高の過半数を占める移動体事業通信事業の売り上げが、前年同期比で減少しましたが、これは主に、携帯電話の機種変更件数が同34%減少し、機種変更による端末の売上高が139億円減少したことによります。一方で毎月の純増数は引き続き好調に推移し、6月末の累計契約数は1,911万件になりました。またCM好感度でも作品別、銘柄別において史上初となる7ヵ月連続No.1*3を達成しています。

[注]
  • *2営業損益+営業費用に含まれる減価償却費および固定資産除却損。
  • *3CM総合研究所/CM DATABANK調べ。

インターネットマシン元年

決算説明会の冒頭に社長の孫が、決算発表日の数日前に海外へ出張に行った際の体験を語りました。「インターネットが始まって以来初めて海外出張でノートパソコンを使わなかった。代わりに使ったのはiPhone 3Gだった」という内容の体験談でした。携帯電話の進化の歴史を、「通信速度」、「液晶画面の解像度」、「CPU能力」の3つの要素から捉えたとき、携帯電話がインターネットマシンに進化するのに必要なこれら3要素がそろった年が2008年であり、インターネットマシン元年であると説明しました。そして、このインターネットマシン化を加速するiPhone 3Gの特長について紹介しました。

2つのNo.1を目指して

「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する」
「アジアを制する者が世界を制する」

2008年3月期の決算説明会で社長の孫が、この2つを今後10年間の継続的なキーワードとして挙げました。今回の決算発表会ではより具体的に、「No1.モバイルインターネットカンパニー」と、「アジアNo.1インターネットカンパニー」という、2つのNo.1を目指すソフトバンクグループのビジネスモデルや事業領域について、海外におけるインターネット会社とのEBITDAの比較や図表などを用いて説明しました。

また決算説明会の最後には、より多くのお客様にインターネットマシン時代を楽しんでもらうために展開する施策として、iPhone 3Gに関して3つの発表を行ないました。

  1. 8月6日からiPhone 3G取扱店で予約受付開始
  2. メール*4の保存期間を30日から無期限に(5,000通まで)
  3. 「パケット定額フル」を改定(1,695円(税込)から5,985円(税込)までの2段階制に)
[注]
  • *4Eメール(i)のメール保存期間

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

iPhone 3Gについて

Q.

iPhone 3Gの売れ行きは。

A.

想定以上の反響があり、満足のいくスタートダッシュが切れました。

Q.

iPhone 3Gの3G回線がつながらない、ブラウザがよく落ちるなど、色々問題があるようだが。

A.

実際に私が使っている限りでは、3Gのネットワークは大丈夫だと思っています。

Q.

iPhone 3Gの法人販売は。

A.

今月中には法人販売も始めたいと思っています。現在、販売員がiPhone 3Gの使い方に関するトレーニングプログラムを受けるなど、準備を進めています。アプリケーションソフトとセットにした売り方なども実施していきます。

Q.

パケット定額フルの料金変更の狙いは。

A.

iPhone 3Gのヘビーユーザだけでなく、「今の値段では高過ぎる」と購入を迷っている一般の方にも広くお使いいただけるように、料金変更を決めました。ネガティブな理由ではありません。

Q.

料金を下げて、販売ボリュームを取りに行くことにしたということか。

A.

はい。1ユーザ当たりの平均トラフィックが、想定の範囲内におさまりそうだということがわかりましたので、ボリュームを取りに行っても大丈夫だと判断しました。また、予約販売などの体制が整ったということも理由のひとつです。

Q.

パケット定額フルの最低料金の基準である2万パケットで、どのぐらい楽しめるのか。またその目安は。

A.

1パケットは、128バイトです。アプリは、1つで大体200K~6M程度です。大きなファイルやアプリをダウンロードするときには、Wi-FiのネットワークかPCを使うというのが一般的になっていくでしょう。料金を段階的にすることで、お客様の側にもネットワークコストに対する意識が生まれてくると思います。

Q.

料金変更によって間口を広めることで、トラフィックが増加するのではないかという点について、社内ではどんな議論がなされているのか。

A.

CTOの宮川を中心としてさまざまな議論をしており、ネットワークが大丈夫だということを確認しながら進めています。

携帯電話事業について

Q.

解約率の低下に伴い、これまでのように多種類の端末を出す必要がなくなるのでは。

A.

業界全体が割賦販売方式を取り入れたことで、端末の買い替え率は下がり、ハードウェアの販売台数は減ると思います。そのため、多種類の機種を出す必要はなくなっていくでしょう。携帯電話事業者にとっては経営改善になりますが、ハードウエアメーカーにとっては、構造転換を迫られることになるかもしれません。

Q.

iPhone 3G発売以降の、ソフトバンクモバイルの端末・サービスに対する取り組みは。

A.

iPhone 3Gについては、当グループが持っている豊富なコンテンツを導入することで、iPhone 3G自体も魅力的なものになります。また、iPhone 3G以外の端末についてもどんどん増えていきますので、ソフトバンクのインターネットの世界に対する“土地勘”を活かして、独自のサービスやコンテンツを新たに出していきたいと思います。

Q.

ボイスマシンからインターネットマシンに変わる時期は。iPhone 3Gの登場によって、この時期は早まったのか。

A.

ある時点ではっきりと線引きされるのではなく、今から数年かけて徐々に移行していくでしょう。3年もすれば、大半の端末がインターネットマシン化するのではないかと思います。

Q.

いずれ携帯メールはなくなるのか。

A.

携帯の従来のメールも残るでしょう。ただ、単に携帯メールだけでなく、PCメールも含めて、複数のアカウントやデータフォルダを用途に応じて使い分けるようになっていくと思います。また、今まではプライベートなメールのやりとりが中心だった携帯で、仕事のメールがもっとセキュアな環境で、プッシュ型かつ全自動でやりとりできるようになっていくのではないでしょうか。

Q.

3GやHSDPAの設備投資はどうなっていくのか。

A.

現在の3G基地局数は、5万3,000局(ボーダフォン買収時は1万8,000局)。HSDPAは、現在人口カバー率で約70%、実質的なカバー率*5では約80%です。ソフトバンクのHSDPAの接続率は、おそらく世界一だと思います。この実質的なカバー率を早期に95%まで上げたいと考えてます。

Q.

カシオの機種が発売になるのはいつか。

A.

詳しいことは言えませんが、ぜひ期待してください。

Q.

ARPU*6の端末割賦請求分は今後どうなるか。

A.

1ユーザ当たり2,000円ぐらいまでは上がり、残りが通信料になると思います。全体のトータルは5,000円前後というのは、あまり変わらないでしょう。

Q.

フェムトセル*7の状況は。

A.

やっと法律が整い、比較的自由にフェムトセルの基地局を設置できる状況になってきました。技術側の準備も整ってきており、年明け頃から本格的にサービス提供できるのではないかと考えています。

その他

Q.

中国の印象、可能性についてどう思うか。

A.

ものすごい勢いで伸びているというイメージです。今後の世界的なインターネットの普及は、中国が中心になっていくと思います。

[注]
  • *53Gのトラフィック全体を100%とした場合の、HSDPAのネットワークによるトラフィックのパーセンテージ。
  • *6ARPU(Average Revenue Per User):契約者1人当たりの平均収入。
  • *7家庭やオフィスなどの屋内に設置して、限られた範囲の電波状況を向上させる携帯電話の超小型基地局。