2015年3月期 第3四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」または「当社」)は2015年2月10日に、2015年3月期 第3四半期(2014年4~12月期、以下「当第3四半期」)決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様は動画配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算データシートなどをご確認ください。

決算説明会の模様

決算説明会には代表取締役社長の孫、代表取締役副社長の宮内、取締役 常務執行役員の後藤、取締役 常務執行役員の藤原のほか、執行役員の君和田が出席しました。今回の決算説明会の模様は、当サイトやUstream、Twitter、ニコニコ動画などでも同時中継されました。

決算概要

当第3四半期のソフトバンク連結決算(国際会計基準、以下「IFRS」)は、売上高が6兆4,312億円(前年同期比41%増)、EBITDA[営業利益(償却前)]※1が1兆6,097億円(同22%増)、営業利益が7,880億円(同16%減)、純利益は5,794億円(同16%増)となりました。営業利益の減少については、前年同期にスマートフォン向けゲームなどを手掛けるガンホー・オンライン・エンターエイメント株式会社(以下「ガンホー」)と株式会社ウィルコム(以下「ウィルコム」、現 ワイモバイル株式会社)※2を子会社化した際、一時益などを2,486億円計上したことによるもので、この一時益の影響を除くと、当第3四半期の営業利益は前年同期よりも実質14%の増加となります。また、2014年度の連結業績予想については「売上高 8兆円、EBITDA 2兆円、営業利益 9,000億円」とし、「予定通りに推移している」と説明しました。

通信事業

国内通信事業の状況

「ソフトバンクには『通信』と『インターネット』二つの事業領域がある」と述べた孫は、まず通信領域の核である国内の通信事業の状況について説明しました。
移動通信事業の営業利益は、ボーダフォン日本法人買収直後から9年間で10倍※3の5,718億円となりました。また、第三者調査機関の発表によるソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)のスマートフォンのパケット接続率と通信速度は、いずれもNo.1を達成しています※4。孫は「これまで集中して設備投資を行ってきたが、ようやく一段落した。これからは、今までよりもフリーキャッシュフローを創出できるようになる」と述べました。

次に、法人顧客向けの取り組みについて説明しました。ソフトバンクテレコム株式会社(以下「ソフトバンクテレコム」)では、法人のお客さま向けに、ソフトバンクモバイルの携帯電話やタブレットの導入支援および活用方法の提案を行っています。今回の決算説明会では、株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下「みずほフィナンシャルグループ」)にiPadを2万台提供※5したことを発表しました。孫は「みずほフィナンシャルグループでは、さっそくiPadを使った業務改革が進んでいる。最近お会いした同社幹部の方からも、『導入して良かった』と言っていただいた」と述べました。

また、「ソフトバンクといえばiPhone一辺倒だと思われがちだが、Android™ 搭載端末も伸びてきている」と紹介しました。ワイモバイル株式会社(以下「ワイモバイル」)のAndroid 搭載スマートフォンの新規販売数がNo.1※6となり、ワイモバイルとソフトバンクモバイルの合算でAndroid 搭載端末の販売台数が前期と比較して63%増加※7したと説明した孫は「ソフトバンクグループとしてさらに裾野を広げていくために、ワイモバイルとのさまざまな業務連携を進めている」と述べました。

さらに、ソフトバンクBB株式会社(以下「ソフトバンクBB」)が提供する「SoftBank 光」などの固定通信サービスとソフトバンクモバイルの携帯電話を一緒に契約していただくことで、月額利用料から一定の金額を割り引くサービス「スマート値引き」(2015年3月1日より提供開始)や、ソフトバンクモバイルのキャンペーン「家族の学割」についても紹介しました。

国内通信事業ついての説明後半では、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本IBM」)とソフトバンクテレコムが、日本での「IBM Watson」の開発およびコグニティブ・コンピューティング市場への導入において、戦略的に提携することを改めて発表しました。日本IBMが推し進めるコグニティブ・コンピューティングの導入を加速し、日本の社会とビジネスの変革を推進します。孫は「ソフトバンクグループは、この分野においても事業領域を広げていく。その一環として、日本における『IBM Watson』の販売を行う。いずれは、『Pepper(ペッパー)』とも連動させたい」と述べました。

最後に、2015年1月23日に発表した、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルの合併について説明した孫は、ソフトバンクグループのさらなる成長と経営の効率化を宣言しました。

スプリント事業の状況

Sprint Corporation(以下「スプリント」)が、当第3四半期において21.3億米ドル(約2,568億円)※8の減損損失を計上したことを発表しましたが、当社連結決算では、このスプリントに係る減損損失を認識しませんでした。これは、米国基準のスプリントとIFRSを採用している当社の会計基準の違いによるものです。

孫は、今回スプリントが減損損失を計上したことについて、「厳粛に受け止めている。会計基準の違いにより当社では減損損失の認識はなかったものの、スプリントの純利益とフリーキャッシュフローは依然として赤字である」と述べました。

一方で、2014年8月11日にマルセロ・クラウレCEOによる新体制となってからの状況について、「ネットワーク改善」、「顧客獲得」、「顧客維持」、「コスト効率」、「人材強化」の五つの改善テーマを掲げ、カスタマー・エクスペリエンス(顧客経験)向上のため、一歩ずつ順調に進んでいることを説明しました。また、五つのうち特に重要なテーマとして、「顧客獲得」、「ネットワーク改善」、「コスト効率」の三つを挙げ、それぞれ直近の状況について説明しました。まず、「顧客獲得」については、減少傾向にあったポストペイドの獲得数が純増に転換しており、孫は「経営に一番影響を与えるのはポストペイドであり、これがプラスに転じたというのは、一歩前進だと受け止めている」と期待を寄せている旨を説明しました。
次に、「ネットワーク改善」について、「これまでスプリントでは、通話中に突然ネットワークが切断される『ドロップコール』発生率が高いことが課題だったが、過去1年間で大幅に改善された※9」と紹介しました。これは、スプリントがネットワークへの設備投資を積極的に行ってきたことによるものです。そして三つ目の「コスト効率」においては、「(1)ベンダー等の最適化」、「(2)労働力の合理化」、「(3)ゼロベースでの予算見直し」、「(4)追加削減余地を追求」の四つに焦点を当て、着々とコスト削減を進めていることを解説しました。

インターネット企業への投資

もう一つの重要な経営の柱であるインターネット企業群について、「Alibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)が上場するなど、ソフトバンクが海外でまいた種が着実に大きくなってきている。最近もインドをはじめとするアジアでの投資を増やしている」と紹介し、ソフトバンクグループが重点投資分野として注力している「イーコマース」、「トランスポーテーションプラットフォーム」、「広告・メディア・ゲーム」、「アーリー/グロースステージ投資(スタートアップ企業への投資)」の四つの分野についてそれぞれ説明しました。

まず、一つ目の分野である「イーコマース」について、「中核企業となったアリババが、モバイルの分野で存在感を増している」と述べ、アリババが提供するオンラインショッピングモールである「Taobao.com」のモバイル経由の売り上げが急速に伸びていることを紹介しました※10。また、ソフトバンクグループが「次のアリババ」と期待を寄せている、インド最大級のオンラインマーケットプレイス「Snapdeal.com」やインドネシアで最大級の「Tokopedia」について、「イーコマースはわれわれのグループの中核になってきている」と述べ、今後もイーコマースに注目していくことを説明しました。

次に、「トランスポーテーションプラットフォーム」分野について説明しました。米国で人気の「Uber」などに代表されるタクシー配車サービスプラットホームは、中国、インド、東南アジアでも急速に成長しています。ソフトバンクグループも、2014年後半から、インドで最大級のプラットホームとなった「Ola Cab」、東南アジア最大級の「GrabTaxi」に投資を行うほか、2015年1月より「KuaiDi Taxi」に一部資本参加しています。これら企業がお互いのノウハウを共有しながら成長することで、ソフトバンクのシナジーグループがさらに増えています。

三つ目の「広告・メディア・ゲーム」の分野では、最近インド最大級のオンライン不動産紹介サービス「Housing.com」に投資し、筆頭株主になったことを紹介しました。

最後に、「アーリー/グロースステージ投資(スタートアップ企業への投資)」として、ソフトバンクグループが投資をしているスタートアップ企業のロゴマークが並んだスライドを投影し、「これらのまいた種が少しずつ大きくなっていくと信じている」と述べました。

説明会の締めくくりに孫は、創業からの34年間を振り返り、「創業当時、パソコンソフトウエアの卸売りを始めたころに比べると、今のソフトバンクグループは事業内容が大きく変わってきている。しかし、創業以来一貫して行ってきたのは『情報革命』であり、常に情報革命の最先端の分野を切り開いてきた。その道程は決して平坦ではなく、膨大な赤字を抱え、何度も倒産の危機を経験するなど、大きな苦労があったが、なんとか生き残って今日に至っている。そして現在、当社はスプリント事業に挑戦している。決して甘い状況ではないが、挑戦することによって初めて見えてくる景色がある。山も登ってみなければその高さは分からない。川も渡ってみなければその深さは分からない。ソフトバンクグループはこれまでも、そしてこれからも挑戦を続ける。」と力強く語りました。

[注]
  • IFRIC第21号「賦課金」の適用に伴い、遡及修正を行っています。遡及修正の内容については、「平成27年3月期 第3四半期 決算短信」の34ページをご覧ください。
  • ※1EBITDA=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費+減価償却費及び償却費。スプリントの業績を2013年7月11日から反映。
  • ※2ワイモバイル株式会社は2014年7月にイー・アクセス株式会社から社名を変更しました。イー・アクセス株式会社は同年6月1日に株式会社ウィルコムを吸収合併しています。
  • ※32006~2011年度:移動体通信事業の営業利益、2012~2014年度:移動通信事業のセグメント利益
  • ※4パケット接続率:統計分析処理 株式会社Agoop(以下「Agoop」)。プラチナバンド対応スマートフォンのパケット接続率。防災速報(ヤフー)とラーメンチェッカー(Agoop)を利用の各社プラチナバンド対応スマートフォン計120,000台のデータを個別に分析。(ソフトバンクモバイル:40,000台、NTTドコモ:40,000台、KDDI:40,000台を無作為抽出)
    スマートフォン通信速度:Agoop「スマートフォンのデータ通信速度を解析」(2014年12月31日)。調査期間:2014年10月1日~12月31日。調査地域:全国。対象データ:電波つながりチェッカー、スピードチェッカー(Agoop)アプリケーション利用中のスマートフォン約61,000台、約2万地点、約720万件(下り約360万件、上り約360万件)の通信速度データを個別に解析。解析条件:500mメッシュ上に、ソフトバンクモバイル、NTTドコモ、KDDIのログデータが存在するメッシュのみ解析。
  • ※52014年12月時点のみずほフィナンシャルグループ全体での導入実績。
  • ※62014年8月~2015年1月の携帯電話(Android OS)新規契約におけるキャリア別数量シェアにおいて。全国有力家電量販店販売実績を集計/GfK Japan調べ。
  • ※7新規契約+機種変更
  • ※81米ドル=120.55円(2014年12月末の為替レート)で換算。
  • ※9出所:Nielsen。ドロップコールレート:通話切断率。調査期間:2007年~2014年。調査箇所数:50市場(2007年~2010年)、100市場(2011年~2014年)、人口の多い順。詳細は、スプリントプレゼンテーションを参照(Earnings Conference Call Fiscal 3Q14 Presentation)
  • ※10アリババの開示資料を基に当社作成。
    モバイル経由売上=モバイルGMV × monetization rate。
    モバイルGMV= total GMV×モバイル% of total GMV

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

Q.

スプリントにおいて、2013年7月時点と現在の事業計画ではどの程度差異があるのか。

A.

米国は巨大な市場であり、上位2社は非常に大きな利益を上げていることから、挑戦する余地は十分にあると考えている。一歩一歩経営の前進をもくろんでいるが、買収当時からスプリントの経営陣も変わっている。前経営陣の立てた計画と、新経営陣が現状を見て立て直した計画に差異があった。これが、今回の減損の主要因になっている。また、株価が下がったことが今回減損テストをする大きなきっかけとなった。

Q.

日米での共通携帯電話端末の共同開発が遅れているという話を聞くが、現状は。

A.

共通携帯電話端末については検討を行ってきたが、やはりiPhoneが最も大きな存在。米国においては、iPhoneに次いでサムスン電子製の機種があるが、それ以外は非常にばらけている。ソフトバンクモバイルとして、日本市場においてサムスン電子製の機種あるいはそれ以外の機種を扱うかはまた別の問題であり、シャープ製の「AQUOS(アクオス)」やソニーエリクソン製の端末など、日本のお客さまにより適した機能や機種を別途判断して投入しているのが実態である。

Q.

グループ会社の今後の見通しについて、増益の要素が少なく感じるがこれについてどう考えるか。

A.

国内通信事業は着実に上昇基調になりつつある。スプリントの純利益は、まだマイナスとなっているが、営業利益に関して言えば少しずつ増益していくと考えている。ただ連結での純利益については、今期はアリババの上場、前期はガンホーとウィルコムの一時益があったが、来期については何も見込んでいない。それを前提で考えると、来期はスプリントの赤字が計上されるため、純利益の部分では減益というのが見通しになる。「どれくらいか」というのはコメントする段階ではない。

Q.

今後シリコンバレーの拠点はどのように変わっていくのか。

A.

シリコンバレーの拠点については、積極的に端末やアクセサリーなどの調達や開発をしていくことを検討していたが、スプリントとの連携体制が整い一定の成果を挙げたため、人員の縮小・コスト削減を行っていく方向で考えている。

Q.

スプリントの黒字転換はいつごろになるか。

A.

黒字転換についてコメントするのは時期尚早。足元をしっかり固めてから。

Q.

インドなど新興国への出資を積極的にしているが、同国のエネルギー分野への関心は。

A.

インドに関しては積極的にインターネット分野への投資を行っているが、それ以外の分野についてどのように拡大するかはコメントを控えさせていただく。

Q.

アリババが運営する「Taobao.com」のコピー商品販売などの問題についてコメントをいただきたい。

A.

新聞記事で読む程度の情報しか持ち合わせておらず、またセンシティブな問題でもあるため、コメントを差し控える。直接アリババに聞いていただくのが良いと思う。

Q.

現在、多くのスタートアップ企業が、IPO前に非常に高い企業価値の評価を受けているが、これは新たなインターネットバブル危機の到来か。

A.

おそらくこれはインターネットバブルではないと考えている。
2000年当時、ほとんどのインターネット企業は利益が出ていなかったにもかかわらず、非常に高い期待値が設定されていたため、価格に関する是正が入ったと考えている。
当時、インターネット企業の株価は下がったが、現在ほとんどの株価は2000年のピークプライスよりも上がっている。つまり、現在の状況から見れば、当時は本当の意味でのインターネットバブルではなかったということ。Amazon.com, Inc.などの主要なインターネット企業も一度クラッシュをしたが、現在では以前の価格よりも上をいっているという状況である。
インターネット企業はアリババも含め、過去の経験を生かしながら、大きな利益を出し始めてきており、そういった意味では皆さんの経験も豊かになった。状況もよく理解するようになり、価格や分析についてもこなれてきている現状を鑑みると、今回はインターネットバブルではないと考える。これは一般的な話で、特定の企業について言えば、別の意見もあるかもしれないが、特定の企業についてのコメントは差し控える。

Q.

スプリントについて、位置付けをどう考えているか。

A.

非常に期待している。粘り強く取り組む必要があるが、着実に反転すると思っている。
マルセロほか経営陣を信頼しているし、すぐに結果が出せるものではないが、少しずつ進捗が見られるので今よりももっと良くなる。明日は今日よりきっと良くなると信じている。

Q.

「Pepper」に関してコメントがほしい。

A.

まだ大きなビジネスではないが、この分野は新しいフロンティアである。大きな業界になり、ロボットそのものが私たちの生活に大きな変革をもたらすと、30年前から信じていた。それが2040年なのか、2050年なのか分からないが、人間とロボットが融合するのは時間の問題であり、いずれそういう時代がくる。その時代になれば、ロボットや人口知能というのは人類にとってよい役割を果たすだろう。その一部を私たちが担っていると思っている。

Q.

携帯電話端末の共同調達・共同開発について、今後はもうやらないということか。

A.

意味があるものは今後も挑戦するが、意味もないのに無理をして続けるのはナンセンス。一つ一つのテーマごとにしっかりと検証しながらやっていく。ちなみにシャープ製の「AQUOS CRYSTAL(アクオス クリスタル)」のように、スプリントと共同開発したモデルもあり、事例が全くないわけではない。意味のあるものは今後もやっていく。

Q.

国内通信事業4社の合併により1社単独で国内の携帯電話事業者別契約数において2位になる。何かコメントや意気込みはあるか。

A.

合併後も「ソフトバンク」と「ワイモバイル」としてブランドは二つ残る。確かに1社という単位で見ると国内では2番目に契約数が多いが、「ワイモバイル」の契約数にはPHSやデータ端末が含まれるため、スマートフォンの契約数自体は多くない。全体の回線数では2位となるが、携帯電話の回線数としては依然として3位のまま。引き続き謙虚に受け止め、まだまだ挑戦していく。

Q.

「ワイモバイル」はソフトバンクモバイルのサブブランドになるのか。

A.

そうなる。これまでPHSも含めると五つの異なるネットワークだったが、より早く1社にネットワーク統合していこうとしている。会計などの無駄なコストは削減し、ネットワークや経営の効率を良くしていく。しかし、営業においては「ソフトバンク」と「ワイモバイル」、二つのブランドを継続していく。一般消費者へは、料金もサービスも別ブランドのまま提供し、積極的に別のユーザー層を獲得していく。

Q.

4社合併に伴う今後の戦略、見通しについてもう少し詳しく教えてほしい。

A.

店舗については当面今まで通り、「ソフトバンク」と「ワイモバイル」の二つのブランドとして運営していく。ネットワークについてはばらばらのものをいち早く統合する。管理部門もできるだけ早く統合することで、コスト効率は良くなる。しかし、営業上は引き続きそれぞれのブランドの良さを出して、別のマーケットに訴求していく。

Q.

Wireless City Planning株式会社についてはどうなるのか。

A.

そのまま継続して事業を行っていく。

Q.

4社合併により所有する周波数帯が多くなるが、今後、追加の周波数帯取得に対する影響は。

A.

「ソフトバンク」「ワイモバイル」それぞれが異なるユーザーを獲得していく。合わせると2番目に契約数が多い。しかし、PHSは全く別の技術で、周波数も一般の携帯電話には使用できないので、周波数としては全く別物として考えている。

Q.

ヨーロッパに事業を拡大する予定はあるか。

A.

非常にすばらしい市場だと思うし、常に関心はあるが、コメントは差し控える。将来の可能性についてはコメントしない。

Q.

国内のキャッシュフローおよび設備投資について。今後の見通しは。

A.

接続率は1番になり、ネットワークの接続スピードも1位になったことで設備投資は一巡した。つまり、その分フリーキャッシュフローは今後良くなっていく。ここ直近の2年は設備投資の前倒しを行っていた。これまで一時的にフリーキャッシュフローがマイナスになっていたが、それが異常であり、今後のフリーキャッシュフローは本来あるべき姿に落ち着いていく。

Q.

固定通信回線と携帯電話のセット割について見通し、考えは。

A.

東日本電信電話株式会社と西日本電信電話株式会社が株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」)に光ファイバーの卸売りを開始した。ルール上、当社にもNTTドコモと同じ条件で光ファイバーを卸してもらい、われわれもセット割を開始する。結果は様子を見ないと分からない。

Q.

今後の経営指標として、市場は何を見ていけば良いのか。今後1~2年のステージは。

A.

EBITDAは着実に増えていくと考えている。純利益については、アリババは持分法適用会社なので業績が当社のEBITDAや営業利益には計上されないが、純利益にはプラスに計上する。一方で、スプリントの業績は当社の純利益にマイナスの影響となる。少なくとも今後2~3年間、アリババのプラス影響がスプリントのマイナス影響を上回るまでは、純利益は下がることを覚悟するべきだと思う。

スプリントの純有利子負債はノンリコース(非遡及型融資)で調達している。スプリント買収にかかった純有利子負債が、当社にとっての直接的な純有利子負債と捉えている。これからどのようにスプリントの株式価値を回復させていくかが大事。

では、私が何を重要な物差しとしているかというと、企業価値を最大化すること。形式的な指標や、会計的な数字を短期的に見て一喜一憂するよりも、「10年後、20年後のソフトバンクの企業価値を最大化するには何を成すべきか」を見据えて経営をしている。

Q.

本日のプレゼンテーションの中で、「山には、登らないと見えない景色がある」という話があった。しかし、スプリントに関して言えば、なかなか黒字化のめどが立たないなど、困難も多い。今後山の登り方を変えたり、下山する可能性があると考えておいた方がよいか。

A.

スプリントについては、挑戦してみてその山の高さや険しさをあらためて痛感している。しかし、同社の事業は一歩一歩着実に好転しているので、挑戦のしがいもある。また、一緒に登っているCEOのマルセロ・クラウレは非常に優れた経営者であり、彼をリーダーとして、同社の社員が一丸となって懸命の努力をしている。われわれも、ソフトバンクモバイルの取締役専務執行役員である宮川を送り、同社のネットワーク改善に取り組ませている。今は懸命の努力をすることに尽きる。それが、われわれの置かれた状況だ。

Q.

「スマート値引き」について、国内大手通信事業者3社が固定通信回線と携帯電話のセット割を提供することで、市場の競争環境は変わっていくのか。また、今後新たなサービスが生まれる可能性はあるか。

A.

固定通信回線と携帯電話のセット割については、今までKDDI株式会社(以下「KDDI」)が積極的に提供してきた。それに対して、今回ドコモと当社も提供を始めることになった。過去に、当社が国内で独占的にiPhoneを販売していて、それが差別化になっていた時期があった。しかし、今は国内大手通信事業者3社全てがiPhoneを扱うようになり、それによる差別化はなくなった。今回の固定通信回線と携帯電話のセット割も同じで、これまではKDDIが独占的に提供してきたが、今後は差別化できなくなる。もちろん、差別化をするために、各社小さな努力をすることはできる。他方、各社の取り扱う端末、料金プラン、セット割、全てが横並びになり、大きな差別化要素はなくなってしまった。その中で、3社とも必死に競争して、世界一のネットワークができた。激しい競争が今後も続くと思う。

Q.

昨年、ガラパゴス携帯電話(以下「ガラパゴス携帯」)の出荷台数が増加したようだが、ソフトバンクモバイルのガラパゴス携帯の状況と、今後の動向は。

A.

ガラパゴス携帯の出荷台数が増えたのは一時的な現象だと思う。今後さらに増加することはないと見ている。時代はスマートフォンであり、端末によってはガラパゴス携帯のほうが価格が高くなってきている。機能面では、スマートフォンがはるかに勝るので、いずれはスマートフォンが増えていく。ただし、今後も、スマートフォンが欲しくないお客さまも同様に大切にしていきたい。お客さまの好みに合う商品を提供していくことがわれわれの役割だと思っている。取り扱いは今後も続けていく。

Q.

エネルギー事業についての考え方を教えて欲しい。

A.

ソフトバンクグループの経営者としては、長期的に企業価値を高めていくことがあるべき姿であり、それを全うしたいと思っている。一方で、2011年の東日本大震災以降、エネルギー問題は多くの日本国民の心配事になっているため、われわれは社会貢献の一環として、クリーンエネルギーに取り組んでいる。おかげさまでエネルギー事業は順調に推移しており、今後も少しずつ拡大していきたい。しかし、当初から申し上げている通り、ソフトバンクグループだけで、日本国内の半分、または3分の1のエネルギーを賄っていくのは不可能であり、最初から考えてもいない。あくまでも世の中に事例を示すことを目的としており、われわれが積極的にリスクを取ることで、多くの企業がこの分野に参加するきっかけになれば良いと思っている。一歩ずつ取り組んでいく。

Q.

2020年の東京オリンピック開催に向けて、通信環境の整備など、政府がさまざまな取り組みを始めている。ソフトバンクはそれらの取り組みにどのように付き合っていくのか。

A.

当社は、鉄塔建設などの大きな設備投資の山は越えたが、今後も新しい技術には積極的に取り組んでいく。「技術のソフトバンク」と言われるように今後も頑張っていきたい。

Q.

国内通信事業4社における新体制について発表があったが、今後孫社長の国内事業への関わり方は変わるのか。また、孫社長自身の目下の関心事は。

A.

すでに発表している通り、社長が宮内、会長は私という体制になる。宮内は創業間もないころから約30年間、私に最も近い腹心として頑張ってきてくれた。私は国内の通信事業だけではなく、スプリント事業、インターネット企業への新たな投資、またグループ全体の戦略など、グローバルに見ていく。それが今後の私の役割。

また、「目下の関心事」については、次のチャンスを見据えながら現在のソフトバンクグループやグループ内の事業間のシナジーをバランスよく見ていく。

Q.

スプリントが所有する一部の周波数帯の免許を売却するという報道があったが、その趣旨は。

A.

本日ご説明した通り、スプリントのフリーキャッシュフローはマイナス。今後、資金需要が大きくなった場合に、周波数免許の売却も選択肢の一つである。世界的に見て、スプリントは2.5GHzを世界一たくさん持っている会社かもしれない。10年後まで見据えた時に、余る電波があれば、一部売却することも検討の選択肢として排除しない。まだ「売却する」とは決めていないし、「絶対売却しない」とも決めていない。

Q.

「挑戦して初めて見える景色がある」とのことだが、今見えている景色は。

A.

挑戦していろいろな景色が見えた。しかし、どのような景色が見えたかについては、いずれご説明させていただく。

Q.

携帯電話契約件数の純増数が伸び悩んでいるようだが、これをどのように受け止めているか。

A.

過去には「純増合戦」と銘打って、「みまもりケータイ」や「フォトビジョン」などをたくさん売り、とにかく他社より少しでも多く純増数を稼ぐことに注力していた時期もあった。しかし、今は純増数のような形式的な指標を追うのではなく、実態を良くしていくことに力を入れている。特に重要視しているのは、携帯電話端末の獲得数、MNP(番号ポータビリティ)、そして収益性の高い携帯電話端末など。もちろん、純増数のみを追おうと思えば、ほとんど利益が出ないのに、MVNO(仮想移動体通信事業者)で卸売りをしたり、M2M(マシーン・ツー・マシーン)で数だけを稼ぐなど、やり方はいくらでもある。しかし、そういうものだけを追いかけても仕方ない。もちろん、子ども用、高齢者向け、ペット用の端末など、これからもしっかり工夫していくし、M2Mにおいても、自動車など必要なものは提供する。ただ、数合わせをするのではなく、経営の実態を優先する方へ、われわれの力点が転換している。

Q.

当第3四半期の純利益について、アナリスト予想よりも低いことについて、特殊要因はあるか。

A.

アナリスト予想の計算根拠が分からないので、詳しくはお答えできないが、あくまでも計画通りの利益だと認識している。

Q.

スプリントの売却を検討したことはあるか。今後検討することはあるのか。

A.

スプリントは上場会社なので、コメントは差し控えさせていただく。

Q.

2014年12月に3.5GHz帯を取得したが、来期以降の設備投資額の推移は。

A.

せっかくいただいた免許なので、設備投資は予定通りしっかりやる。3.5GHz帯は、もともと電波の特性から、建物の中や樹木の中を突き抜けていくのにはあまり適していない。従って、電波が窮迫している都市部の地域を中心に敷設していく。

Q.

セット割(スマート値引き)が業績に与える影響をどう見ているのか。

A.

セット割については、国内大手通信事業者3社が、お互いに様子を見てみないと分からないと思う。少なくとも、固定回線と携帯電話のセット割の分野で、初めて三つどもえになる。その結果、また激しい競争が繰り広げられるのか、またはお互いを許容し合ってうまくやっていくのかは、実際に始めてみないと分からない。

Q.

「Pepper」の発売が今月(2015年2月)の予定だったと思うが、本当に発売するのか。

A.

近いうちに正式に発表する予定だったが、2015年2月は、開発者向けの限定発売になる予定。まだ最終確定はしていないが、そういう方向で検討中。先日開発者向けに「Pepper」の説明会を実施したところ、思いの外たくさんの予約をいただいた。まずは開発者の方を中心に出荷した方が早い段階でたくさんアプリケーションがそろうので、一般のお客さまにとっても良いのではないかと検討している最中。一般のお客さま向けには、台数が十分に確保できそうな6月か8月ごろになるのではないか。

Q.

「IBM Watson」を「Pepper」に連携させるのはいつごろになるのか。

A.

「IBM Watson」と「Pepper」の連携については、すでに日本IBMとわれわれでテストを開始している。なかなか面白い組み合わせになりそう。先進性も出せるし、コグニティブ・コンピューティングのさらなる強化につながるので、楽しみにしている。

Q.

国内移動通信事業における今後の基本方針について教えてほしい。この1年間、「ソフトバンクモバイル」が見出しのニュースが少なくなり、またARPU、販売数など伸び悩んでいる印象だが、大きなてこ入れはせず、あくまでも足元の利益を取っていく路線ということか。

A.

国内通信市場は、10年に1度ぐらいの頻度でインフラの大きな転換期がある。固定通信のブロードバンド化というものが15年ほど前にあった。われわれは積極的に取り組み、「Yahoo! BB」という形で国内ADSL事業の先駆者になった。スマートフォンが5~6年前から出て、今はLTEの時代。インフラにおいても、またそれを活用する端末においても、無線ではドラスチックな転換点があった。そこにおいて、当社は積極果敢にリスクを取り挑戦をし、改革する立場にある。一方で、ドラスチックな転換点ではない時期に、無理してニュースを作る必要はないと考えている。今まさに、そのようなドラスチックな転換点ではない時期に差しかかり始めていると感じている。「ソフトバンクは波乱に強いが平時は寝たふり」ということかもしれない。これは半分冗談で申し上げているが、半分は本音。大きな転換点があれば、これからもダイナミックに挑戦していきたい。

一方、アジアに目を向けると、中国でインターネットの時代が幕を開けたのが10年前。その時期、われわれは中国インターネット市場に積極的に投資をした。そして今、インド、インドネシアなどのアジア周辺国が本格的なインターネット普及を迎えつつある。これまでアジア周辺国では、パソコンは高価で、固定通信のネットワークが弱く、インターネットの進化から取り残されていたと言える。しかし、モバイル通信ネットワークが進化し、安価で高性能なスマートフォンが手に入る時代が来たことで、インドやインドネシアなどのアジア周辺国で突然インターネットが開花し、そこにソフトバンクグループが経営資源を投入している。挑戦すべきところに挑戦するのがソフトバンクグループの流儀。もちろんスプリントは何としても建て直すために、別の意味で挑戦し続けていかなければいけない。

Q.

人材について、ソフトバンクアカデミアなどで若手育成をしているようだが、決算説明会で登壇されるメンバーの顔ぶれは変わらない。育成している若手の中で、孫社長のお眼鏡にかなう人材がいないのか。あるいは、社外に活躍の場を求めれば良いということなのか。

A.

席が限られているので、いつものメンバーが登壇しているが、社内には優れた若手の経営陣が続々と育っている。決算説明会に登壇しているのは、宮内以外どちらかというと管理部門の幹部が中心。それ以外の部門では、若手の幹部もどんどん育っている。また国際分野では、バイスチェアマンのニケシュ・アローラ、財務戦略担当(Head of Strategic Finance)のラジーブ・ミスラなど、続々とソフトバンクグループに若い有能な経営陣が参画している。

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