2016年3月期 第3四半期 決算説明会

ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」または「当社」)は2016年2月10日に、2016年3月期 第3四半期(2015年4~12月期、以下「当期」)決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様は動画配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算データシートなどをご確認ください。

決算説明会の模様

決算説明会には代表取締役社長の孫、取締役の宮内、常務執行役員の後藤、執行役員の君和田、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)専務取締役 兼 CFOの藤原が出席しました。今回の決算説明会の模様は、当サイトやUstream、Twitter、ニコニコ動画などでも同時中継されました。

決算説明会の冒頭、登壇した孫は、「株式市場が大波乱の中、にこやかに登場するのは不相応かもしれないが、今経営者として、わくわくした気持ちで毎日を過ごしている。『Yahoo! BB』をスタートした当時、4年近く赤字が続き苦しい思いをしたが、自分なりの確証の下、思い描いた戦略に手応えを感じた時は、経営者として充実していた。現在、ソフトバンクグループは『Sprint Corporation(以下「スプリント」)という難題を抱え苦しんでいる』と世間から見られていると思うが、改善への糸口を見つけ、はっきりした手応えを感じはじめている。世間と私の中でのイメージに大きなギャップがあると思うが、そんな時こそ、投資家の皆さんにとっても、経営者としての自分自身にとっても大きなチャンスだと感じている」と述べ、決算概要の説明に移りました。

決算概要

当期のSBGの連結決算(国際会計基準、以下「IFRS」)は、売上高が6兆8,102億円(前年同期比8%増)、EBITDA[営業利益(償却前)]※1が1兆9,105億円(同24%増)、営業利益が8,753億円(同18%増)、当期純利益(親会社の所有者に帰属する純利益)は4,290億円(同26%減)となりました。
当期純利益の減少は、2014年9月にニューヨーク証券取引所に上場したAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)の持分変動利益を、前年同期に計上していたことによるものです。

事業資産

孫は、ソフトバンクグループの二つの事業価値として「事業資産」と「投資資産」を示し、事業資産を「われわれ自らが経営を手がける事業」、投資資産については「われわれのグループ会社として資本を持ち、その価値の推移を追う事業」とし、「単純な投資というよりは、グループ会社を構築しているというイメージ。筆頭株主として、経営陣と深く関わり経営戦略を実行している」と説明しました。

国内通信事業

国内通信事業における当期の営業利益は前期比8%増の5,983億円となり、「国内通信事業は頭打ち、といった意見もあるが、着実に利益を伸ばしている」と述べました。ARPU(主要回線)※2については、通信ARPU※2は微減であるものの、サービスARPU※2は増加しており、対前年同期比で見ても安定的に推移しています。一方で、課題である解約率の改善策として「おうち割」を挙げ、「携帯電話のみのサービスを利用している顧客に比べ、複数のサービスを利用している顧客の解約率は、約半分に減少する。電気の販売も開始するが、家計を総合的にサポートする連携サービスの提供に力を入れていく」と述べました。また、「おうち割」の柱の一つである「SoftBank 光」について、累計契約数が120万件※3を突破したことを公表し、「ADSLから光ファイバーに移行する中、着実にユーザーを増やし、収益につながるビジネスモデルを構築できた」と説明しました。

ネットワークについては、第三者機関の調査によるスマートフォンのパケット接続率が引き続き高水準を維持していることから「実態として、ソフトバンクのネットワークは世界トップレベルだと自負している。われわれの伝え方の問題で、ソフトバンクのネットワークが一番だということが、まだまだ世の中に浸透していない」と改めてネットワーク品質の高さを強調しました。また、この数年間ネットワーク構築を積極的に行ってきた結果、設備投資のピークが過ぎ、「国内通信事業はフリーキャッシュフロー※4を着実に生み出す収穫期に入った」と説明。それを示すデータとして、前年同期のフローキャッシュフローが36億円であるのに対し、当期は2,394億円と急激に伸びていることを紹介しました。

スプリント事業

次に孫はスプリント事業について、「多くの方がスプリントに対する懸念を持っていると思うが、私自身はスプリントが今後、ソフトバンクグループの稼ぎ頭の一つになっていくと思っている」と、自信を示しました。

これまで減少傾向だった総売上高が直近3四半期は安定し、反転し始めているとともに、スプリントでは固定費の圧縮と経営効率の改善に向け、現在多くの固定費削減プログラムを実施しています。その効果として、「当期の調整後EBITDAが前年同期比で41%増加した。営業利益※5についても、黒字へと転じ、経営内容が改善している」と述べました。

続いて、スプリント反転への戦略として、「純増の改善(ポストペイド)」、「OPEX削減」、「多様な調達手段」、「ネットワーク改善」の四つを挙げ、それぞれの状況について説明しました。

[注]
  • スプリントは米国会計基準に準拠しています。

純増の改善(ポストペイド)

純減が続いていた契約数が純増に転じてきており、固定費を削減してもユーザーを獲得できる状況をつくれたことで、自信を持って固定費の削減を推し進めることができている。
中でも、利益の高いポストペイド携帯電話の契約数※6が純増に転じた要因として、スプリントの携帯電話サービス開始以来、解約率※7が最も低い水準にまで改善されたことが挙げられる。すぐに解約してしまう信用力が低い顧客(サブプライム)の審査を厳格化し、信用力が高い優良顧客(プライム)の獲得に注力したことに加え、ネットワーク改善や新しい販売促進プランが成果を上げたことで、解約率の大幅な改善をもたらし、契約数の純増につながった。

OPEX削減

OPEXについては、すでに8億米ドルの固定費削減に成功し、2016年度における継続的なOPEX削減目標として、販管費※8、売上原価、商品原価を含めて年間20億米ドル超の削減目途が立った。

多様な調達手段

スプリントの株価が下がっている背景には、経費削減・利益反転の実行性と、社債償還などキャッシュ・マネジメントに対する懸念があると見ている。手元流動性を高めるための手立てとして資金調達の多様化を図っており、すでに社債償還のための財源の目処が立っている。

ネットワーク改善

中長期の成長に最も重要な要素であるネットワークの改善について、この2年間設備投資を行い、ようやく改善に進展が見えてきた。
第三者機関の発表において、ダウンロード実効速度(LTE)が恒常的なNo.1※9となりはじめたほか、ドロップコールレート(通話切断率)も1年間で半減するなど改善傾向※10にあり、RootScoreアウォード※11では同社史上最多である212を受賞。さらに、内部調査結果では、米国全土における接続率で2位、ニューヨーク・シカゴなど一部の地域では1位となった。しかし、日本の通信品質と比較するとまだまだ満足できるものでなく、さらに改善できる余地があるとし、孫自らがネットワークの設計と運用に携わり、毎日のように日米の担当者と会議を行っている。改善への手応えが出始めており、間違いなくスプリントのネットワークは全米1位になれるとしている。

四つの戦略の総括として孫は、「それぞれで自信を深めてきた。1年前は正直に、長く苦しい戦いになると申し上げたが、腹をくくって自分自身で改善に取り組んできた結果、糸口がはっきりと見えてきた」と述べました。また、その結果として、スプリント事業における調整後EBITDAの2015年度予想を77~80億米ドルに上方修正すること、さらに2016年度は95~100億米ドルを見込んでいることを紹介し、「1回だけの改善ではなく、傾向として改善している」と強調しました。

ヤフー事業

ヤフー株式会社(以下「ヤフー」)については、検索連動広告の収益は減少しているものの、ディスプレイ広告が大幅に成長し、広告収入をけん引しています。成長の要因として、「ユーザーの特性に応じて効果的な広告を表示するインフィード広告がうまく機能しはじめた。ヤフーの中長期的な経営改善の兆しが見えた」と説明しました。
また、Eコマースでは2013年10月に開始した「eコマース革命」でアリババ型のビジネスモデルに変えたことで、当期のショッピング事業の取扱高※12が前年同期比で48%増加したことを示しました。それに加えて、宿泊・レストランの予約サービスを手がける株式会社一休がヤフーのグループ企業になったことを紹介し、「Eコマースは今後さらに伸びていく」とコメントしました。

その他

2015年6月よりWEBサイトにて毎月、一般販売モデル1,000台※13の販売を行っていたPepperについて孫は、「1分間で受付終了する状況が7カ月続いた。今後はさらに店頭での販売を開始する」と、好調であることを説明しました。
また、法人向けモデル「Pepper for Biz」についても、すでに500社を超える企業に導入されており、「事業としてはまだ小さいが、非常に楽しみな事業に育ってきている」と今後の展開に期待を寄せています。

投資資産

Eコマース

アリババについては、2015年取扱高※14が57兆円となり、売上高※14は前年同期比32%増加、特にモバイル収入※14は前年同期比3倍と急激に増加し、売り上げに大きく貢献しました。孫は、「昨今『チャイナリスク』が懸念されているが、中国全体のGDPの成長率は日本や米国に比べれば依然高水準であり、とりわけEコマース分野は20%伸びている。つまり、中国におけるEコマースは成長産業であり、その中でもアリババは他社と比べてはるかに高い利益を出している」とコメントしました。

また、インドのJasper Infotech Private Limitedが運営するEコマースサイト「snapdeal.com」のグロス売上高は前年同期比90%増加、また韓国のForward Ventures, LLCが運営する「Coupang」のリテール売上高※15は前年同期比で430%増加しています。さらに、インドネシアのPT Tokopediaが運営する「tokopedia」やインド最大のホテルチェーンOYO Roomsが運営するホテル予約サイト「OYO」についても、急成長していることが紹介されました。

トランスポーテーション

インドのANI Technologies Pvt. Ltd.が運営するタクシー配車プラットフォーム「Ola」の予約数は前年同期比で10倍に増加したほか、東南アジアで同サービスを運営するGrabTaxi Holdings Pte Ltdの「GrabTaxi」も予約数(四半期)が前年同期比で6倍となりました。また、中国で9割以上のシェアを持つTravice Inc.が提供する「KuaiDi Taxi」の2015年における乗車数は14億回となり、世界最大級の未上場会社である「Uber」の乗車数を上回っています。これについて孫は、「アリババが未上場時、その価値は理解されなかった。これらの会社も、現在は未上場のため、まだ価値が顕在化していないが、非常に楽しみにしている」と述べました。

ゲーム

ガンホー・オンライン・エンターエイメント株式会社の成長率は鈍化してきたものの、順調に利益を出しており、Supercell Oy(スーパーセル)は、スマートフォン向けゲームにおいて、世界で最も利益を出している会社であると説明しました。

フィンテック

フィンテック(FinTech:ITを使った金融サービス)分野において、Social Finance, Inc.(以下「ソーファイ」)を「未上場でもっとも期待の高い会社」と評した上で、2015年貸付実績が前年比4倍の52億米ドルとなり、急成長を遂げています。

スプリントを反転させてみせる

最後に孫は、「若い頃から難局難題にぶち当たったときほど、頭が回転し、エネルギーが湧いてくる。私の誇りは、自らが直接的に集中して事業経営に携わった会社は全て右肩上がりに成長させてきたこと。スプリントについても、私の誇りに懸けて反転させてみせる」と力強く宣言し、決算説明会を締めくくりました。

[注]
  • ※1
    EBITDA=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費+減価償却費及び償却費。
  • ※2
    ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入
    主要回線の通信ARPU=(データ関連収入(パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など)+基本料・音声関連収入(基本使用料、通話料、着信料収入など))÷稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
    主要回線のサービスARPU=(端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入など)÷稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
    稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値
  • ※3
    「SoftBank 光」の契約数はSoftBank Airを含む
  • ※4
    国際会計基準
    SBGとの内部取引を除く
  • ※5
    2014年10–12月期の減損影響を除く
  • ※6
    スプリント・プラットフォームの契約数
    FY15Q2において、支払を一定期間猶予するプログラムが適用された一部のプリペイド契約者をポストペイド契約者に含めて開示していたが、これを改め、FY15Q3から当該契約者はプリペイド契約に含めて開示。
    FY15Q2についても変更後の定義に基づき契約数を遡及修正している。
  • ※7
    スプリント・プラットフォームの解約率
  • ※8
    販管費:販売、マーケティング、顧客サポート関連費用など
  • ※9
    Nielsen Mobile Performance (NMP), 44 markets.
    Average LTE download speed for all downloads 150kb and large from April to December 2015
  • ※10
    出所:RootMetrics
  • ※11
    RootScoreアウォード:125の都市圏における6つのネットワーク品質に係る指数のうち、1位または同率1位だった指数の数
    (参考)6つの指数:総合、信頼性、スピード、データ、通話、テキストメッセージ
  • ※12
    Yahoo!ショッピング、LOHACOの取扱高
  • ※13
    各月1,000台には先行販売分を含む。
  • ※14
    出所:アリババ開示資料を基に当社作成。1ドル=120円、6.2036RMBで換算
  • ※15
    リテール売上高:顧客の自宅まで商品を直接届ける宅配チーム「クーパン・マン」を含む、クーパンの受注・入金オペレーションシステムを経由し個別配達された商品からの売り上げ

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

Q. 「SoftBank 光」と「SoftBank Air」の割合は。
A.

(孫)
大半は「SoftBank 光」となっている。

(宮内)
月によって変わるが、「SoftBank Air」は15~20%くらい。

Q. 国内移動通信事業が収穫期に入ったとのことだが、2016年2月からの携帯端末の実質0円販売廃止による影響を教えてほしい。
A.

(宮内)
1月末までが相当激しいキャッシュバック戦争だったので、1月末と2月を比較すると相当減ったように見えるかもしれない。ただ昨年の2月と今を比べると大きな激減ではない。むしろシェアが非常に上がっているというのが実態である。

Q. 実質0円が無くなることで、端末戦略や収益に与える影響は。実質0円は孫社長が始めたものだが、それが廃止されることに対してのコメントをいただきたい。
A.

携帯端末に対して払わなければならない5万円、10万円の代金は、特に若い人にとって負担だろうということで、お客さまに対して良かれと思い提供したサービスであったが、問題だとご指摘がある以上、廃止に従う。

ただ、お客さまの目線で見て本当に改善になるかは、いろいろな議論があるところではないかと私は思う。0円で提供するというのは経営的な負担の方がむしろ大きい。その大きかった負担が減るという意味では、経営的には悪くない。その分、お客さまにはより安い通信料金を設定することで還元したい。あるいは若い世代のお客さまに対しても、エントリーユーザーにはより安い価格で提供し、ヘビーユーザーにはデータ量のプレゼントなどを実施する。今回は学生向けに学割を提供し、テレビCMではギガちゃんという子犬が出てきているが、特典としてデータ容量をプレゼントするという形でヘビーユーザーにも還元している。経営上の負担が減った分、別の形でお客さまへ還元するという方向に動き始めている。これはお客さまにとっても良いことだと思うし、結果的には総務省などの関係者の方々が指摘し、意図された良い方向に改善されてきているのではないかと思う。

Q. Verizon Communications Inc.が米国Yahoo! Inc.(以下「米ヤフー」)の買収に関心を示しているという報道があったが、スプリントのライバル会社がヤフーの大株主を買収するというのは、困るのではないか。
A.

困ることは特にない。「Yahoo!」というブランドは共有されているが、「Yahoo! JAPAN」の大部分は、日本独自のコンテンツ・サービスであり、ヤフーの社員が一生懸命作り、サポートしている。ヤフーは創業以来、SBGが筆頭株主として、日本で支援してきたグループ企業なので、米ヤフーとはあくまでもサブパートナーとしての関係。そのサブパートナーの株主がどこになったとしても、それなりに立派な会社であれば、直接的にネガティブな影響はないと思う。

Q. SBGの事業がグローバルになる中で、本社を海外に移そうと思ったことはないのか。
A.

国内での事業規模が非常に大きく、今はあくまでSBGは日本が本社である。

Q. Pepperの販売台数や予定されているサービスなど、今後の事業計画を教えてほしい。
A.

Pepperは私の赤ちゃんのような非常にかわいい存在である。30年、50年、100年と息の長いビジネスだと思っている。今の段階で、台数・売り上げ・利益について話すのは時期尚早である。ただ、恐らく人間の形をしたロボットとしては、世界で最も売れているのがPepperではないか。Pepperのプラットフォームができ、200社を超えるようなサードパーティー(外部)のアプリケーションベンダーがPepperをどう動かすかを考え、さまざまなアプリケーション開発を行うというエコシステム(収益環境)が動き出している。また、500社もの事業会社がPepperの導入を始めた。非常に珍しい存在だと思っている。これからを楽しみに、一歩一歩Pepperを育てていきたい。

Q. 2016年4月からの電力事業参入にあたっての意気込みやその意義は。
A.

これまで長い間、9社が地域独占しているという状況だったが、これから自由化されるということで、家庭で使うさまざまなサービスをソフトバンクがまとめて「おうち割」として提供できる。お客さまの解約率低下につながるというのは、ビジネス的なメリットである。ただ、私にとってはビジネス的なメリット以上に、社会的意義として、人々のライフスタイルに欠かすことのできない電力が、安心・安全、クリーンという基準でお客さまに選択される時代を迎えられるということがより重要である。

Q. 株価が反転するきっかけ、タイミングについては、どう考えているか。
A.

市場が決めることで、私が決めることではないが、上場してから20年近く経っている中で、いろいろな凸凹があった。経営者として面白いと思うのは、世の中が思っているイメージと、私が思っているイメージにギャップがあるときであり、逆にすごくやる気が出る。良い方向に向かっていると自分では思い、手応えを感じているが、世の中の認識がそれよりも少し遅れているというのは、経営者としては良い答えが待っているという意味で心地良い。

Q. 3カ月前の決算説明会で、スプリントの改善にはあと2年ほどかかるとのことだったが、現在はどう考えているか。
A.

早まると思う。何をもって良くなったかについては、いろいろな物差しがあると思うが、徐々に良くなってきている。かなり良くなったという感触が、さまざまな項目で早まっている。

Q. 実質0円の是正のため、今後総務省が販売店の覆面調査や匿名での情報提供窓口を設置するという話が出ているが、どう考えるか。
A.

それはそれで構わないと思う。ただ世界中のさまざまな企業がいろいろなものを販売している中で、特定の業界に対して事細かに手取り足取りというのは、いかがなものかなと一般論としては感じる。iPhoneは端末代金だけで6万円から10万円ほどする。若い世代のお客さまには、負担が大きいのではないかと思う。それが世界一安く手に入る日本は良いように思うが、それが問題視され、方針が決まり、それに従うと言った以上は実行していきたい。

Q. マイナス金利の影響は。今後の投資などへの影響についても教えてほしい。
A.

われわれにとってはありがたいこと。投資を積極的に行っている会社なので、マイナス金利は事業を行う立場としては歓迎。

Q. 今後借り入れを増やすという計画はあるのか。
A.

手元に十分現金があるので、急にたくさん増やすということはないが、借入残高を考えると金利が安いというのはありがたい。

Q. スプリントについて、改善の方向が見えているのは分かったが、結果としてまだ純有利子負債が増え続けていることを市場は不安視していると思う。どこかで純有利子負債が減っていくことを示す必要があると思うが、いつ確約できるのか。
A.

スプリントは上場会社なので、スプリントが発表していること以外のことを私が話すのは立場上良くない。ただEBITDAが急激に改善してきている。EBITDAが良くなれば、当然フリーキャッシュフローも良くなる。フリーキャッシュフローが良くなれば、当然純有利子負債も減り始める。この順番の第一段階が今着実に改善してきている。

Q. 海外の投資先企業が順調に成長して、いずれ回収ということになると思うが、出資の成果は再投資に充てるのか、または株主に配当するのか。
A.

常にいろいろなことは議論している。今日のところはそれ以上のコメントは無い。

Q. 今話題になっている電機メーカーの再建を手掛けることはないのか。
A.

ソフトバンクの事業領域からすると少し遠いと考えている。現時点で私の中にその想定はない。

Q. スプリントの販管費が減ったことで、OPEXが8億米ドル減ったということか。
A.

販管費および他の要素も含めた合計である。合計20億米ドル削減する。そのうちの販管費は12~14億米ドル。サービス売上原価で4~6億米ドル、商品原価で2億米ドル。これらの内訳で年間ベースの削減を行う。2014年度第3四半期から2015年度第3四半期で8億米ドル、2016年度には20億米ドル減る予定。

Q. 具体的に販管費の何が減るのか。
A.

750項目くらい具体的に細かくやっているので、一つ一つというのは難しく、あらゆることについて聖域なしに細かく積み上げて、全てを対象に削減を行っている。人員の削減、プロセスの見直し、商品の発注、オフィススペースも。逆に言えば、これまであまりにも無駄遣いが多かったということ。

Q. フィンテック分野の今後の見通しは。また、ソーファイ以外のフィンテック企業にも継続的に投資していくのか。
A.

フィンテックは、これから伸びる分野として着目しており、さまざまな投資先の案件を細かく研究・分析している。アローラを中心にシリコンバレーにわれわれの部隊がいるので、彼らが毎日のように調査し、良い案件があれば、そこに対して投資する。投資は、価格と会社の両にらみ。具体的にどの会社というのはコメントしづらいが、常に目を光らせている。

Q. 実質0円の廃止により、月々割の減少などでARPUの上昇が見込まれると思うが、通信料金の値下げという形での還元もありえるのか。
A.

いろいろな形での還元があり得る。常に真剣に検討している。

Q. 米国の移動通信業界の競争条件は今後変化していくのか。
A.

常に競争はあるが、少なくともスプリントの場合は自らの経営にかける経費が大き過ぎた。収益的には、今一番改善しようとしているところであり、十分実行可能である。またネットワークについては、一番良いネットワークを作る自信がある。競合他社の上位2社は特に巨額の利益を上げており、それらの会社から少しでもスプリントへ乗り換えるユーザーが出ることで、われわれの収益を拡大することは十分に可能だと思う。

Q. スプリントのネットワーク評価が大都市圏ではNo. 1、全国的にはNo. 2ということだが、もう少し現状を詳しく教えてほしい。また今後の見通しは。
A.

日本の場合、われわれソフトバンクは一番つながり、スピードも一番速いという状況ができたと確信しているが、お互いに0.1%、0.2%を争う高い次元での競争で、各社共に頑張っている。一方米国は、大都市圏で1位になり始めたのが、ほんの1、2カ月前くらいからで、全国的に2位になってきたのも、この2、3カ月前からである。昨年の今頃は明らかな最下位だった。そこからやっとぎりぎり1位、2位を争えるところまで改善できたというのが現状。各社共に低い次元での話であり、私にとっては満足できておらず、圧倒的No.1になれるし、ならないといけない。そのための手立てが見えてきた。

Q. Y!mobileはどのような位置付けか。
A.

Y!mobileは、SoftBankと比べると価格が安いが、同じ通信網を使っているので品質は同等。他の大手移動通信事業者2社よりもはるかに安価である。また、Yahoo! JAPANとの連携がより深く、非常に良いサービスを提供し始めているのではないかと思う。

Q. SoftBankの純増のうち、Y!mobileの割合は。
A.

割合の詳細まではコメントしづらいが、ソフトバンクグループの中では伸び盛りである。