トレンドマイクロ株式会社への出資に関する件

当社は、インターネットセキュリティ関連ソフトウエアの開発において卓越した技術力を持つトレンドマイクロ株式会社（以下「トレンドマイクロ社」という。）の発行済株式の35％を取得することを、トレンドマイクロ社および同社株主と合意いたしましたのでお知らせいたします。

1. 出資の概要

(1)出資金額

総額35億円

(2)出資形態

トレンドマイクロ社の現在の株主が持つ既発行株式のうち、各株主の所有株数に約0.35を乗じた株数を当社が買い取ることにより、最終的に当社がトレンドマイクロ社の発行済株式の35％相当を取得いたします。

(3)支払期日

平成8年12月27日

(4)出資資金の調達

平成8年11月26日および平成8年12月3日開催の取締役会決議に基づく公募新株式発行の手取金により賄う予定であります。

2. 出資の背景

インターネット市場は、近年急激な伸びを見せており、平成4年に全世界で100万人にも及ばなかったユーザーの数は現在7,000万人と推定され、平成12年には3億人に達するとまで言われております。

当社は、従来よりインターネット市場を将来のコミュニケーション・インフラにおける最重要事業領域の一つと位置づけ、本体およびベンチャーファンドから、インターネット市場のキーカンパニーへの出資を行うとともに、ソフトバンクグループ全体で事業提携、新規事業への取り組みを図ってまいりました。当社グループ全体では、総額約250億円、約50社のインターネット関連会社への投資を完了しております。

現在、急増するインターネットユーザーの間での重要関心事のひとつとして、コンピュータ・ウィルスによる被害拡大が深刻化しております。コミュニケーション・ツールとしてのインターネットおよびイントラネットが急速に浸透したことにより、従来はフロッピーディスクを主な経路として感染していたコンピュータ・ウィルスが、E-Mailなどを経て瞬時にその感染領域を広げる危険性が高まってきております。

トレンドマイクロ社は、アンチウィルス技術分野におけるNo.1企業として、その卓越した研究開発力により常にコンピュータネットワークの発展段階に適応した商品を提供してまいりました。最近でもインターネットサーバおよびイントラネットサーバ上でウィルスを捕獲できる世界唯一のソフトウェアである「InterScan」を発表し、Sun Microsystems社が早々と採用を決めるなど、大きな反響を呼んでおります。

トレンドマイクロ社は、既に世界中で1,000万台の製品を納入し、世界1,200万、国内300万以上のユーザーがトレンドマイクロ社のアンチウィルス技術によってコンピュータウィルスの被害から守られております。 採用企業にはNetscape社、Sun Microsystems社、Intel社、Novell社、富士通株式会社、株式会社日立製作所等の主要なハード、ソフトメーカーが名を連ねており、その技術力・顧客サポート力が非常に高い評価を受けております。当社は、トレンドマイクロ社の商品がウィルス対策ソフトのデファクトスタンダードとなる可能性が非常に高いものと考えております。

当社といたしましては、トレンドマイクロ社との提携を通し、当社のグループ企業や顧客基盤に対して最も進んだセキュリティインフラを提供し続けることにより、インターネットインフラプロバイダとしてのさらに確固たる基盤を築けると考えております。

3.トレンドマイクロ社およびトレンドマイクログループの概要

現在、世界各国に所在するトレンドマイクログループ各社は、当社が出資を行う「トレンドマイクロ株式会社」の子会社となっております。トレンドマイクログループは、世界各国に支社・販売網を持ち、インターネット関連分野を中心とした製品の調査開発拠点を米国カリフォルニア州クーパチーノにおいております。

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ソフトバンク株式会社 広報室