理念・ビジョン・戦略

孫 正義 ソフトバンクグループ代表挨拶

パンくず

理念・ビジョン・戦略

孫 正義 グループ代表挨拶

ASI(Artificial Superintelligence)の
世界No.1プラットフォーマーへ

AIは今や、自ら考え、自ら行動を起こすAIエージェントへと進化しています。さらにその先には、AIが人間の知能をはるかに超えるASI時代がやってきます。知能が高いだけではなく、人々の幸せのために人間の理性や道徳と調和しながら人類の進化を支える知性です。その意味で、「超知能」ではなく「超知性」と言うべきでしょう。私たちは、このASIのNo.1プラットフォーマーを目指しています。

創業30年の節目を迎えた2010年に発表した「ソフトバンク 新30年ビジョン」(以下「新30年ビジョン」)では、脳のように自ら学び、考えるコンピューターが生まれ、それがロボットにつながっていく未来を描きました。当時「脳型コンピューター」と表現したものは、まさに今で言うASIにほかなりません。AIが人間を超える知性へと進化し、その知性がロボットという身体を持って現実世界で動き出す。新30年ビジョンで描いた未来が、今、目の前で現実になりつつあります。

ASIは、人間を置き換えるものではなく、人間の進化のための道具であり、同僚であり、相棒であると思っています。教育分野では子どもに寄り添う先生となり、研究分野では勤勉で有能な助手となり、医療分野では患者一人ひとりに寄り添い、治療を助け、相談に乗ってくれます。そして、ASIがロボットにつながることで、知能が身体を持つフィジカルAIとなり、現実の世界で自ら動き、働き、実行する存在になります。宇宙や海中、災害現場のように人間による作業が困難な現場でも、製造、建設、農業の現場でも、この知的ロボットが人間を助けてくれるようになります。

こうした未来を実現するためには、ASIの知能そのものを生み出すAIモデルと、それを動かすための膨大な計算処理を担う半導体、さらにそれらを集積・稼働させるAIインフラ、そしてAIを現実世界で働かせるロボットが不可欠です。私たちはこの4つを重点領域と位置付け、それぞれの領域でNo.1ポジションを築きつつあります。

AIについては、バブルではないかと言われることもあります。しかし、私はまったくそう思っていません。今のAIの進化は、インターネットが世の中に広がり始めた初期の段階に似ています。当時も「一時的な流行ではないか」「過大評価ではないか」と言われました。しかしその後、テック企業は大きく成長し、世界の産業構造そのものを変えていきました。今、AIで同じことが起きようとしています。AIは一つの技術にとどまらず、あらゆる産業を変え、人間の可能性を飛躍的に広げていきます。その変化は、インターネットやスマートフォンを超えるかもしれません。だからこそ、今勝負しなければなりません。ASI時代の中心に立つために、未来を見据え、行動する。それが、私たちの姿勢です。

ソフトバンクグループは、これまでも、時代とともに変化する情報革命の中心的なテクノロジーを見極め、そこに集中してきました。そして、独自の組織戦略である「群戦略」によってシナジーを生み出しながら、さまざまなグループ企業や投資先を成長させてきました。4つの重点領域を押さえながら、「群戦略」を通じて事業や投資先を育み続けることで、NAV(Net Asset Value)のさらなる向上に取り組みます。

ただ、私たちが目指しているのは、単に会社の価値を大きくすることではありません。「情報革命で人々を幸せに」という創業以来の経営理念を、ASIの時代において、さらに大きな形で実現していくことです。ASIが正しく使われれば、人類はもっと豊かに、もっと自由に、もっと幸せになれるはずです。私たちは、ASIのNo.1プラットフォーマーへの進化を通じて、人間の知能と実行力を拡張し、人類の可能性を広げていきます。そうして一人でも多くの人に幸せになってもらうことこそ、私たちが目指す「情報革命で人々を幸せに」の実現です。

ソフトバンクグループ代表 孫 正義

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