サステナビリティ

投資先におけるサステナビリティへの取り組み

投資事業におけるサステナビリティ

ソフトバンクグループは、投資活動において投資先のサステナビリティへの対応状況を考慮することが、社会全体の持続的発展と当社グループの中長期的な投資パフォーマンスの向上に寄与すると考え、以下のような取り組みを行っています。

投資プロセスへのESGの組み込み

ソフトバンクグループ株式会社は、投資プロセスで考慮するべき投資先のガバナンスに関する基準を定めた「ポートフォリオ会社のガバナンス・投資指針に関するポリシー」を2021年5月に改正し、投資先の選定や投資後のモニタリングにおいて、ガバナンスに加えて環境・社会要素に起因するリスクと機会の評価を行うことを明記しました。このポリシーは、ソフトバンクグループ株式会社とその子会社に適用されており、各社が具体的な運用計画の策定とその実行を進めています。

  • ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびソフトバンクグループ株式会社の子会社が管理するその他の投資子会社を含みます。ただし、上場子会社および規制上の理由からソフトバンクグループ株式会社、子会社、および関連会社による支配が禁止されている子会社およびその傘下の子会社は除きます。

ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業におけるESGの組み込み

ソフトバンク・ビジョン・ファンドでは、以下の通り投資プロセスへのESG要素の組み込みを進めています。

投資前リスク評価

国際社会および投資事業における重要性を鑑み、「気候変動」「人権(強制労働)」「差別・ハラスメント」「責任あるAI」を環境・社会分野の重要課題としています。投資先候補におけるこれら環境・社会分野の重要課題に関する対応状況、およびガバナンスに関する対応状況をデュー・デリジェンスを通じて確認し、リスクを評価し、その結果を投資判断に活用しています。

投資後モニタリングおよびエンゲージメント

リスクの顕在化を防ぐために、投資後も継続的なモニタリングを通じて投資先の状況を把握し、必要に応じてエンゲージメントを実施することが重要です。現在、体系的なモニタリングやエンゲージメントの実施に向けた検討を進めています。

環境・社会課題の解決に資する企業への投資

ソフトバンクグループ株式会社は、革新的なテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業への投資を通じて、気候変動や経済格差などのグローバルな課題の解決や、地球規模でのサステナビリティの実現に寄与できると考えています。ソフトバンク・ビジョン・ファンドをはじめとする投資事業を通じ、AIを活用して環境・社会課題の解決に資する企業に数多く投資しています。

環境・社会課題の解決に資する
投資先の例
環境:自然資本、資源循環、気候変動、社会:働きがい・生産性向上、健康・安心安全、格差解消・アクセス改善、サイバーセキュリティ、ロゴ:Flock Freight、Swell Energy、Enpal、Ola Electric、Energy Vault、Exeger、Plenty、Nature's Fynd、XAG、UPSIDE Foods、Apollo Agriculture、Claroty、Arkose Labs、Cybereason、Exeger、IonQ、Clarity AI、Mapbox、Flexport、CMR Surgical、Cambridge Mobile Telematics、Big Health、OPay、VIR、Creditas、Paytm、bKash環境:自然資本、資源循環、気候変動、社会:働きがい・生産性向上、健康・安心安全、格差解消・アクセス改善、サイバーセキュリティ、ロゴ:Flock Freight、Swell Energy、Enpal、Ola Electric、Energy Vault、Exeger、Plenty、Nature's Fynd、XAG、UPSIDE Foods、Apollo Agriculture、Claroty、Arkose Labs、Cybereason、Exeger、IonQ、Clarity AI、Mapbox、Flexport、CMR Surgical、Cambridge Mobile Telematics、Big Health、OPay、VIR、Creditas、Paytm、bKash

※ 上記は環境・社会課題の解決に資する投資先の一部です(2023年12月現在)

投資先の事業を通じた環境・社会課題解決の取り組み

投資事業を主力事業とするソフトバンクグループ株式会社は、投資先各社やグループ会社の事業を通じて、環境・社会課題の解決に取り組んでいます。

再生可能エネルギーの蓄電システムの開発(Energy Vault Holdings, Inc.)

Energy Vault Holdings, Inc.は、送配電網の強靭性向上や再生可能エネルギーへの移行を促進する蓄電ソリューションの開発・販売を行っています。電力会社、独立系の発電事業者、大規模な電力利用者は、このソリューションにより電力ポートフォリオを管理し、効率的に配電することが可能となります。

CO₂排出削減に資する物流システムの構築(Flock Freight, Inc.)

Flock Freight, Inc.は、より効率的で持続可能なサプライチェーンの構築を行っています。特許技術を用いてトラックの積載効率を最適化することで、荷主にはコスト削減を、運送会社には収益向上というメリットをもたらすと同時に、配送ターミナルを経由しない配送を、より高い信頼性とより少ない温室効果ガス排出量で実現しています。

屋内の照明で発電可能な太陽電池素材の開発・製造(Exeger Operations AB)

太陽電池素材と同素材が組み込まれたヘッドホン

Exeger Operations ABは、自然光のみならず、屋内の人工光などでも効率よく発電できる太陽電池素材を開発・製造しています。同素材はリモコンやヘッドホンなどの身近なデバイスに組み込むことができ、私たちが日々使用している電子機器による温室効果ガスの排出を削減することができます。

培養肉による持続可能なフードシステムの構築(Upside Foods, Inc.)

米国を拠点とするUpside Foods, Inc.は、動物を食肉として犠牲にすることを防ぎ、動物細胞から食味の良い人工肉を生産することのできる培養肉のリーディングカンパニーです。2022年11月には、世界で初めてアメリカ食品医薬品局(FDA)から認可を取得し、より美味しく、人道的で持続可能なフードシステムを構築する、という企業理念の実現に向けて大きく前進しました。

屋内での垂直農法による効率的な資源活用を実現(Plenty Unlimited Inc.)

屋内垂直農法の様子

Plenty Unlimited Inc.は、屋内垂直農法を用いて作物栽培を行うアグリテック企業です。AIなど先進的な技術を駆使した独自の農法により、水や農薬の使用量を削減するとともに、利用する土地の面積も抑制することができます。これにより、1エーカーあたりの食糧生産量を伝統的な従来の農法の最大350倍に増やすことができるほか、都市近郊での栽培が可能となるため、作物の輸送過程で排出されるCO₂や廃棄物を削減できます。

企業と顧客をサイバー犯罪や詐欺から守るソリューションを提供(Arkose Labs, Inc.)

Arkose Labs, Inc.は、ウェブやアプリにアクセスする際のアカウント情報やログイン情報などを乗っ取るハイジャック型攻撃から企業と顧客を守ります。同社のソリューションによって大量かつ高リスクなサイバー攻撃を検知するとともにボットを捕捉することで、サイバー攻撃のリスクを軽減し、企業に対する顧客の信頼を守るとともに、企業のROIを向上させます。

  • 遠隔操作型マルウエアの一種

次世代型手術用ロボットで手術を変革(CMR Surgical Ltd.)

CMR Surgical Ltd.は、必要とするすべての患者に身体的負担の少ない手術を提供することを目指し、次世代型手術用ロボットVersiusを開発しました。小型で持ち運びが容易なVersiusは、病院内で簡単に移動させることができ、より多くの人が身体的負担の少ない手術を受けることが可能となります。

デジタル医療の未来を描く(Big Health Ltd.)

Big Health Ltd.は、臨床治療と同等レベルのデジタル療法を提供することで、不眠症や不安症などのメンタルヘルス症状を持つ人々が、心の健康を取り戻せるよう支援することを使命としています。同社アプリのSleepioとDaylightでは、いつでもどこでもアクセスできる独自の認知行動療法を提供しており、トークセラピーや薬物療法と同等の結果を得ることができます。