2013年3月期 第1四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は2012年7月31日に、2013年3月期 第1四半期決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様はビデオオンデマンド配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算説明会翌日に開催した決算アナリスト説明会の資料などをご確認ください。

決算説明会の模様

決算説明会には代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長の後藤、経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)CFOの藤原が出席しました。今回の決算説明会の模様は、ユーストリーム(Ustream)やツイッター(Twitter)などでも同時中継されました。

「大変清々しい気持ちです」
登壇した孫はまず、今回の決算説明に臨む自らの心境をこう述べました。「人生においても、会社においても同じだと思うが、中長期の明確な目標を持つことの大切さを改めて感じている。われわれは、『2016年度に1兆円の営業利益を達成する』という明確な目標を掲げており、その目標に向かって一歩一歩確実に進んでいると実感している」と語り、業績の説明に移りました。

決算概要

2013年3月期 第1四半期のソフトバンクグループ連結決算は、売上高7,669億円、営業利益1,921億円(前年同期比9%増)となり、営業利益は7期連続で最高益となりました。その他、EBITDA※1は2,844億円(同12%増)、経常利益は1,809億円(同20%増)、当期純利益は906億円となっています。

移動体通信事業を筆頭に、その他事業でも着実に利益増大

続いて、事業ごとの業績について説明しました。移動体通信事業では、第1四半期におけるソフトバンクモバイルの純増数が75万件となり、第1四半期での過去最高を達成しました。スマートフォンの新規販売シェア(2012年度 第1四半期)では、ソフトバンクのiPhone 4SがNo.1※2を獲得しています。また法人向けスマートパッド(タブレット端末)の稼働台数シェアにおいても、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下「NTTドコモ」)を抑えてNo.1※3であるという調査結果を示すとともに、法人顧客数が7万社を超え、2010年度からの2年で18倍に増加していることを明らかにしました。さらに法人市場では、Googleのクラウド型アプリケーション「Google Apps™ for Business(グーグルアップスフォービジネス)」の販売規模において、世界No.1※4を誇っています。

一方、株式会社ウィルコム(以下「ウィルコム」)の契約数は2012年6月末時点で創業以来最高の486万件となりました。ウィルコムは、ソフトバンクグループ入りをしてから契約数が純増に転じています。孫は、「ソフトバンクモバイルとウィルコムの契約数の合計が3,440万件となり、KDDI株式会社(以下「KDDI」)に匹敵する累計契約数になった」と胸を張りました。

次に、「ソフトバンクグループは2016年度に営業利益1兆円を目指している。一度口にした以上は何が何でもやり遂げたい」と述べ、戦略を語りました。
孫はまず、投影されたソフトバンクグループ、NTTドコモ、KDDIの営業利益を比較したグラフを指し示しながら、「ご覧のように他の2社は、過去6年間営業利益がほぼ横ばい。一方でわれわれは一貫して伸ばし続けている」と説明しました。さらに、その好調な営業利益の最大の要因として、「ARPU※5の向上」を挙げ、「ARPUを下げるのは一瞬だが、上げるのは大変難しい。ボーダフォン日本法人から事業を引き継いでから、ネットワークを改善し、マーケットシェアを拡大しながら、歯を食いしばってARPUを徐々に増加させてきた」と語りました。
移動体通信料の売上は今期9%の増収で、国内大手移動体通信事業者3社の中で唯一の増収となっています。その背景には、データ収入の継続的な大幅増収がありました。データ収入は前年より19%増加しています。その結果、移動体通信事業の営業利益は、ボーダフォン日本法人買収後から5倍に伸びました。

こうした営業利益の高収益化は、移動体通信事業だけではなく、固定通信事業においても同じです。孫は、「世界中のほとんどの国において、固定通信事業は移動体通信事業に主戦場を奪われ、利益が横ばい、もしくは減益が止まらないという状況にある。しかし、われわれは着実に毎年利益を増やしている」と説明しました。また、今年の6月に経営陣を一新したヤフー株式会社(以下「ヤフー」)については、「若い経営陣にうまくバトンを渡すことに成功し、成長を加速させることができた」と説明しました。このように、各事業が着実に利益を増大させていくことが、ソフトバンクグループの特長と言えます。

営業利益1兆円達成に向けた戦略

さらなる利益増大を目指すための取り組みの一つが、ネットワークの強化です。「ソフトバンクWi-Fiスポット」は、他社に先駆けて設置を進めてきた結果、現在27万カ所(2012年7月31日時点)となりました。その数は圧倒的No.1を誇っています。「Wi-Fiスポットを増やすと電波が干渉するなどの問題が生じることがあるが、最近この解決策を編み出し特許を出願している。先に山を登ると、頂上からいろいろなものが見える。つまり、先手を打つことが可能になると実感している。」
さらに、高速データ通信サービス「SoftBank 4G」は、下り最大速度が110Mbps※6で業界最速※7を誇っています。このように、さまざまな角度から通信速度のスピードアップを追求しています。

また各通信エリアにおいては、2012年7月25日より、「プラチナバンド(900MHz周波数帯)」を順次展開しています。基地局の建設状況について孫は、「着実に基地局の工事が進んでおり、毎日新しい基地局が開局している」と述べ、順調に進んでいることを説明しました。今後、2012年度末には1万6,000カ所の基地局でプラチナバンドの提供を行い、2013年度末にはさらに1万カ所拡大します。「対応基地局数を最低でも累計2万6,000カ所にしたいと考えている。この展開速度は、世界の業界の常識からすると考えられない速さ」と述べました。

「これからはLTE※8の時代になる」と力強く宣言した孫は、ここで2012年4月に発表したスマートフォン向けLTEサービスについて説明しました。ソフトバンクモバイルは、2012年秋にパケット定額で月額5,985円にてFDD-LTEサービスを開始します。ソフトバンクモバイルはLTEの取り組みで出遅れているのではないかという指摘に対し、「実際はソフトバンクモバイルが最も高速で、広範囲に展開している。品質、実行速度の面でも他社を大きく上回る実績を出していけると確信している」と自信を見せました。さらに、「利益を伸ばし続けていくことが経営者の責務。われわれは今まで通りデータ収入を増やしながら収益を積み上げていきたい。まもなくLTE中心の時代になることで、これまで以上に高付加価値のサービスを提供できる。一貫して増益しながら、1兆円の営業利益を着実に実現させる」と、営業利益1兆円達成に向けた戦略を明らかにしました。

「インターネット企業カルチャー」故の成長

最後に孫は、営業利益の成長率に焦点を当て、世界の移動体通信事業者と比較しました。6年間(2005~2011年度)の年間平均成長率において、ソフトバンクグループは、インドNo.1のBharti Airtel Limited(バーティエアテル)、南米No.1のAmérica Móvil, S.A.B. de C.V.(アメリカモビル)など、各大陸のNo.1企業の成長率を大幅に上回る49%を記録しています※9

「われわれは言い訳抜きで着実に利益を伸ばしている。なぜ同じ業界でソフトバンクグループだけが利益を伸ばせているのか。さまざまな理由があるが、一言でいうと、『インターネット企業カルチャー』だと思う。われわれは、約960社のインターネットカンパニーをグループに持っている。経営陣、従業員は毎日インターネットで呼吸をし、インターネットで話し、インターネットで食べている。インターネットの視点で、端末、ネットワーク、サービス、ビジネスモデルのあるべき形を考えている。自分たちの企業カルチャーを持つことが最も大切であり、それこそが業績に表れてくる」と、ソフトバンクグループが成長し続けている秘訣を語りました。

さらに同様の事例として、Apple Inc.(以下「アップル」)を挙げ、「パソコンの時代を開拓し、モバイルインターネットの時代を開拓したアップル。彼らはプラットフォームを作り、世界一の時価総額にまで駆け上っていった。われわれは足元にも及ばないが、これからわれわれなりの角度でその道を歩んでいきたい。営業利益1兆円を何としても達成したい。『情報革命で人々を幸せに』、このためにソフトバンクグループは利益を拡大していく」とまとめ、決算説明会を締めくくりました。

[注]
  • ※1EBITDA=営業損益+減価償却費+のれん償却額
  • ※2(出所)外部調査会社による主要量販店での販売台数調査 新規販売台数シェア(2012年度 第1四半期)
  • ※3(出所)外部調査会社による調査 稼働台数シェア(iPadは3Gモデルのみ、2012年6月末)
  • ※42012年1月~6月のGoogle Apps for Business販売実績
  • ※51契約当たりの月間平均収入
  • ※6「SoftBank 4G」はソフトバンクグループのWireless City Planning株式会社が提供するネットワークを利用します。ベストエフォート方式のため、回線の混雑状況や通信環境などにより、通信速度が低下、または通信できなくなる場合があります。
  • ※7国内モバイルデータ通信サービスにおいて、2012年5月29日現在提供中のサービス規格として、各社の公表値および標準規格上の値による当社調べ。なお、通信速度は端末能力に依存します。
  • ※8Long Term Evolution:次世代高速データ通信サービス
  • ※9Bloombergデータより当社作成

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

Q.

秋から開始するLTEサービスの料金について、中期的な戦略では、シェアを拡大しながら売上を伸ばしていくという説明だったが、現在のiPhoneのパケット定額料4,410円と比較すると、いきなり1,500円程度の値上げになるのは大きな乖離になると思う。シェアと売上拡大の間でどのように折り合いをつけていくのか。

A.

これは基本的な価格となり、一部あるいは一時的に販売促進のためのキャンペーンなどを行うことはあり得ると思います。基本的にLTEは、3G(第3世代移動通信システム)よりも高付加価値なサービスです。また、世界的にも音声ARPUはこれから着実に減り、一方でデータARPUが増加するという流れを止めることはできない中、お客さまにとっても、音声サービスとデータサービスというサービス全体で考えると決して大きな値上げにはならないのではないでしょうか。1ユーザーの立場からみると、LTEでサービスが大きく向上することもあり、あまり大きな負担にならないのではないかと思います。今後、われわれの提供するデータサービスは増えていくことになるでしょう。

Q.

NTTドコモが今年10月から4,900円台のLTEサービスを開始する。これはiPhoneの価格を意識したものだと思うが、今秋の競争環境についての見解は。

A.

他社には他社の価格があると思いますが、料金設定については、データだけではなくサービス全体でさまざまなものがあるため、これ以上個別のコメントは控えさせていただきます。

Q.

今後、ソフトバンクモバイルとソフトバンクテレコム株式会社、あるいはウィルコムを含めて、法人契約の伸びしろをどのように考えているのか。業績面でもう少し詳しい数字を教えてほしい。

A.

法人市場は、われわれにとって大きな“ブルーオーシャン”だと思っています。これまで、NTTグループ、KDDIが多くの法人契約を持っていました。われわれが買収した日本テレコムにも法人のお客さまはいましたが、マーケットシェアは一番低いものでした。


しかし今、iPhoneとiPadにより、法人契約数が急速に増えています。それに加えて、固定回線網あるいはクラウド、データセンター、Google Appsなどをパッケージにした商談が次々と進んでいます。本田技研工業株式会社、日本電産株式会社、株式会社ユニクロ、日産自動車株式会社など、会社で使うあらゆる回線をソフトバンクグループに切り替える企業が出てきています。これまで、会社のデスク上のパソコンで仕事を行っていたのに対して、iPhoneとiPadあるいはAndroid™ 搭載端末などにより、今は一社員当たり2、3回線を持つ時代になりました。個人市場が飽和していると言われるが、法人契約の場合、セキュリティの観点からも個人の携帯電話とは別に、会社が契約したアカウントでスマートフォンとタブレット端末をセットで提供される事例が続々と出てきています。


そう考えると、これからさらにユーザー数・収益を伸ばしていくことができるのが法人市場だと思っています。併せてブロードバンド・インフラ事業と固定通信事業を合わせた固定事業も、第1四半期で250億円の営業利益となったことは大きく、毎年着実に伸びています。私自身、法人市場の展開を大変楽しみにしています。

Q.

せんだって、ヤフーが一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)に加盟したが、ヤフーやソフトバンクのようなインターネット企業に対して、他の経団連加盟企業からどのような期待があり、それに対してどのように応えていけると考えているのか。

A.

私の場合、現在の経団連の首脳陣と、例えば原発の問題について意見が真っ向から別れるという大きな問題はあります。しかし、経団連の全ての会員企業がそうだとは思っていません。政権でも、自民党、民主党といろいろありますが、1つの党の中にも多様な意見があります。離党する人もいますが、いきなり全員が離党するわけではありません。党に残って、内側から改革しようという人もいるでしょう。そういう意味で、ソフトバンクとしては少なくとも今日現在は、経団連を脱退するところには至っていません。


ヤフーについては、現在の新経営陣が判断して加盟することになりました。ただ、別の観点からは、eコマースの問題が挙げられます。アメリカのAmazon.com(以下「アマゾン」)は、日本のユーザーに対して販売しているにも関わらず、消費税がかかっていません。また、楽天株式会社(以下「楽天」)の電子ブック「kobo」での電子出版デジタル販売に対しても消費税がかかっていません。しかし、ヤフーがYahoo!コミックや電子書籍の販売を行うと、消費税がかかります。同じ物を日本のお客さまに販売しているのに、サーバーが国外にあると消費税がかからないというのは、おかしいのではないでしょうか。
そのような制度上の問題があることを主張するとき、ヤフーとしては経団連に加わり、その内側で議論を活性化させたいという話がありました。ヤフーの経営陣がそう判断するのであれば、原発の問題で私が経団連と意見を異にしているからといって、その経営判断を妨げるものではありません。

Q.

前期一気に配当を40円にした背景と、今期について、配当性向の観点から他社並みにするならもう少し増配が考えられたかと思うが、前期と同じ40円と予想を出している背景を教えてほしい。

A.

株主還元はいろいろな角度から行うべきだと考えますが、昨年までは借金返済が優先させるべきテーマでした。しかし今年の株主総会で、株主還元の1つとして増配を一気に行うことを決議し、また今回から中間配当も行うことを決めました。今後さらなる増配については常に検討を行いますが、今はそれをコメントする段階ではありません。

Q.

発送電分離と再生可能エネルギーの普及について教えてほしい。政府は発送電分離の方針を決めたが、あくまでも機能分離、法的分離にとどまっており、完全分離である所有分離には踏み込んでいない。
再生可能エネルギーをもっと普及させるためには、発送電分離はどういう形が良いと考えているか。また、仮に所有分離が進まなければ再生可能エネルギーの普及にどのような支障をきたすと考えられるか。

A.

発送電の分離は絶対にやるべき方向だと思います。その中でも機能分離や法的分離というのは、「発送電分離と事実上言っただけ」という、見せかけになる危険性があります。所有分離まで行わないことには、事実上同じ会社の中の子会社で利益の付け替えが行われてしまう危険性もあるので、そういった疑念を抱かせることのない明確な発送電分離にすべきだと思います。電力業界は地域でこれまで完全に独占という状況が長く続いているため、ぜひとも政府や国民の皆さんには、まやかしの分離にならないように目を光らせていただき、遅かれ早かれ所有分離まで進めねばならないと思っています。
再生可能エネルギー事業者の皆さんは、常に不平等な配電料を取られるのではないかという不安に悩まされながら、中長期での事業計画をせざるを得なくなるでしょう。再生可能エネルギー普及のためには、所有分離は一日でも早くなされるべきであり、それが真の発送電分離であると考えます。

Q.

LTEサービスの月額料金は、端末・OSに限らず、一律5,985円なのか。

A.

細かいところまでは現段階ではコメントしませんが、基本的な考え方として、LTEは3Gよりもより高速で、大容量の通信ができるため、高付加価値のものだと考えています。

Q.

Wi-Fiの説明の際、特許を申請しているという話があったが、具体的にどのような仕組みを申請しているのか。

A.

詳細については今の段階ではコメントは控えますが、少なくともWi-Fiのパブリックスポットを設置しようとすると、さまざまな問題があります。われわれはそれをいち早く認識し、世界初のいろいろな解決策を用意し、それを着実に実行しています。

Q.

LTEは高速で大容量の通信ができるというのは説明通りだが、一方でビット単価が安いという特徴もある。それに対して3Gより高い料金設定をすることは、今までのソフトバンクモバイルの、利益はなるべくユーザーに還元するという方針に反するのではないか。

A.

われわれは一貫して、サービス全体でのさまざまな高付加価値のパッケージを提供していきます。その一部分だけをとって見るべきではないと思います。ARPUだけではなく、LTEで実現する高付加価値サービスなど、トータルのパッケージをいろいろと見ていただきたい。

Q.

音声サービス料金のさらなる値下げもあるということか。

A.

コメントは控えさせていただきます。

Q.

ユーザーの実体験として、プラチナバンドの効果はいつ頃から出てくると見ているのか。スケジュール感を教えてほしい。また、Wi-Fiについて特許の話が出たが、いつ頃から利用できるようにする予定か。

A.

どの地域でプラチナバンドの基地局が開局し、2012年9月末時点でどのエリアで対応しているか分かるように色塗りしたサービスエリアマップを、すでにソフトバンクモバイルのサービスサイトで公開しています。現在、日本中で数多くのチームをつくって建設していますが、どこの基地局が何月何日に開局するかは、手続きや工事などによって若干ずれが生じます。各基地局については、実際の工事の進捗次第となりますが、少なくとも対応していないエリアは地図中で色を塗っていません。 一方、色塗りしているエリアについても、一部の基地局が開局しているだけであって、完全にプラチナバンドの基地局が開局できているわけではありません。しかし色が塗られていないところは、まだ1局も開局していない。つまり開局の有無は、はっきりと区分けはつくと思います。色が塗られた地域も、薄皮を重ねていくように、徐々に電波が良くなっていきます。トータルの数としては、少なくとも26,000局が来年度には開局します。26,000局になれば、現在のサービス地域の大半がかなり良くなると思います。

Q.

今回の説明会では通信に終始したが、これだけの通信事業のキャッシュ創出能力があれば、今後、中国・インドを含め、いろいろな打ち手が考えられると思う。秋から始まるLTEサービスやうわさが出ている新型iPhoneなどにしばらくは注力して、2016年に1兆円の営業利益を出しキャッシュを貯めていくということか。もしくは、今後、投資なども考えているのか。

A.

今回の説明はたまたま通信中心なりましたが、われわれは中国や、最近は特にインドなどを含め、小さな投資の種を着々と植えつつあります。ただ今の段階では、小さな種のため、皆さんに報告するほどではありません。しかし、われわれが最初に中国に投資し始めた頃に近い状況が、インドやその他の地域で始まりつつあります。われわれが植えた種は、アリババを中心として、中国でも大変勢いよくその後も成長しています。発表の通りヤフーも成長が加速し、インターネットグループとしてのわれわれの取り組みは、これからも着実に増やしていきます。今回は、たまたま大型案件がなかったということです。

Q.

現状、Wi-Fiについては実質無料のキャンペーンが続いているが、LTEサービスの提供が開始されればWi-Fiの料金を回収するようになるのか。もしくは、5,985円の単価がとれるようになれば、無償で提供するのか。

A.

今の段階では、コメントは控えさせていただきます。

Q.

ソフトバンクモバイルのデータARPUは、前年同期比で100円増だが、KDDIは310円増、NTTドコモは130円増となっており、スマートフォンで先行した分、若干伸びが落ちてきているようにも見える。今後のデータARPUの伸びのトレンドが、どのようになっていくと見ているのか。これまでのような力強い伸びがあるのか。また、今秋から始まるLTEサービスのプラス効果をどう見ているか。

A.

データARPUにはいろいろな定義の仕方があります。ソフトバンクモバイルは「みまもりケータイ」や「フォトビジョン」など単価の低いものも、分母の中に全部入れて算出しているため、ARPU全体およびデータARPUで見たとき、それらはむしろ下落させる要因になっています。しかし、絶対値では利益に貢献するため、「みまもりケータイ」や「フォトビジョン」などのモジュールも積極的な販売を行っています。他社はおそらく、それらのモジュールを外してデータARPUを報告しているのではないでしょうか。つまり見かけ上、データARPUが伸びているように見える面があると思われます。しかし、結局大事なことは全体のARPUであり、全体の営業利益であるのではないかと思います。われわれはモジュールも含めて、全体のデータ収入が19%増えています。これによって音声とデータを合わせたトータルの通信収入が増えており、他社はトータルの通信収入が減っています。これが大きいのではないかと思っています。

Q.

まだまだこのデータARPUの伸びのトレンドが続くとしたら、その理由としては今後何を期待しているのか。

A.

LTE中心の時代が来ると思います。

Q.

LTEサービスによって、ARPUの単価が上がっていくというトレンドが来るということか。

A.

そう思います。

Q.

LTE上の音声ボイス仕様であるVoLTE※10について、導入へ向けたロードマップがあれば教えてほしい。

A.

詳細なコメントは控えますが、VoLTEも含めたトータルでビジネスモデルを考えていかなければならないということです。料金政策は、経営の根幹に関わるため、さまざまなパッケージを含めて料金を考え、その上でマーケットシェアや利益を増やしていきたいと思います。

Q.

ヤフーの経営陣が変わったことで、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社との提携や、Yahoo!メールでのインタレストマッチ広告※11の表示など、プライバシー情報の扱いに関して寛容になったと感じる。今後、ソフトバンクモバイルは、スマートフォンを使ってコード履歴や決済履歴などを集めて活用していくのか、またその情報の取り扱いについての考えは。

A.

個人情報の扱いについては、お客さまの通信の秘密の保持や、プライバシーなど重要な問題があるので、とても慎重に行うべきだと思っています。ただ世界では“ビッグデータ”と呼ばれるように、個人の名前は伏せながらも、マーケット情報として活用されています。O2O(Online to Offline)※12の世界が発展している現状なども考慮し、今後さらに、ヤフーとソフトバンクモバイルがさまざまな業務提携のレベルを深め、広めていくということは、大きなトレンドとしてこれから起きてくるのではないかと思います。ただしそれらは全て、日本の法令に従いながら行っていくことです。


一方、先ほどのアマゾンや楽天のように、海外にサーバーがあることで消費税がかからないような状況で、誠実に事業を行っているヤフーのお客さまだけに不利益がかかるのは問題であると思っています。また、個人情報の観点から、Googleが提供している情報をヤフーだけが活用しないで、“ビッグデータ”を活用した情報革命から抜け落ちるというのは好ましくありません。ユーザーの利便性を高める上でも、日本の法令に準拠した形で個人情報保護を勘案しながら、今後バランスを考え活用していきたいと思います。

Q.

そうなると、通信の秘密について緩和したほうが良いという考えか。

A.

通信の秘密を緩和するというのは、言葉の表現が違うと思います。通信の秘密は明確に遵守します。ただマーケット情報として、サーバーがユーザーの個人情報、あるいは通信の秘密を妨げない形で、ユーザーの利便性を高めるという方向では、積極的に考えていくべきではないでしょうか。このバランスはとても大切だと思います。

Q.

iPhone 5やミニiPadとうわさされているアップルの新製品が、アメリカでは2012年9月に発表されるのではないかという報道が出ているが、現時点でこの時期などについて、どう受け止めているか。

A.

(コメントは)何もありません。

[注]
  • ※10Voice over LTE:LTE上で、音声通話を実現する携帯電話向けのIP電話サービス
  • ※11興味関心連動型広告
  • ※12Online to Offline:オンラインであるインターネット上の活動・購買とオフラインである実店舗などの活動・購買とが連携または双方に影響を及ぼすこと。
  • iPhone、iPadはApple Inc.の商標です。
  • iPhone商標はアイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • Google、Google AppsはGoogle Inc.の登録商標または商標です。
  • Android は、Google Inc.の商標または登録商標です。