株主・投資家情報(IR)
2014年3月期 第1四半期 決算説明会
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」または「当社」)は2013年7月30日に、2014年3月期 第1四半期決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様はオンデマンド配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算データシートなどをご確認ください。
2014年3月期 第1四半期 決算説明会
決算説明会の模様
決算説明会には代表取締役社長の孫、代表取締役副社長の宮内、常務執行役員 財務部長の後藤、執行役員 経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)取締役専務執行役員 兼 CFOの藤原が出席しました。今回の決算説明会の模様は、当サイトやUstream、Twitter、ニコニコ生放送でも同時中継されました。
登壇した孫は冒頭、「普段考えていることの中で、目先のことはおそらく1~2割。残りの8~9割は10年先、30年先のことについて考えている。そのため、私の口から出てくる言葉は、一般的に『夢物語』『大風呂敷』と言われることが多い。今年の株主総会(2013年6月21日開催)で、『世界一の会社になる』と久しぶりに大ボラを吹いた。われわれは300年以上成長し続ける企業グループになるべく努力している。それは大変長い道のりだ。しかし、『そうなる』と思わなければ、決して目的地にたどり着くことはできない」と現在の心境を語りました。そして、「ソフトバンクの第一章は『国内No.1へ』だったが、その達成はほぼ見えてきた。われわれの第二章は『世界No.1へ』である。その幕開けがSprint Nextel Corporation(以下「スプリント」)の買収と、スプリントによるClearwire Corporation(以下「クリアワイヤ」)の100%子会社化だった。これからの競争相手は、世界でも有数の事業規模の会社であることは間違いない。日本国内とは違うレベルの戦いになる。しかし、われわれはそこに挑戦していきたいと思う」との決意を述べ、決算の説明に入りました。
決算概要
ソフトバンクは2014年3月期 第1四半期(2013年4~6月期)から国際会計基準(以下「IFRS」)を適用しています(移行日:2012年4月1日)。また、2013年3月期 第1四半期(2012年4~6月期)および2013年3月期(2012年4月から2013年3月までの1年間)についても、IFRSに準拠して表示しています。IFRSに関する変更点の詳細は、「平成26年3月期 第1四半期 決算短信」の2ページおよび53ページをご覧ください。
2014年3月期 第1四半期のソフトバンクの連結決算は、売上高8,811億円(前年同期比21%増)となり、過去最高を更新しました。EBITDA※1は3,452億円(同23%増)で10期連続最高益、営業利益は3,910億円(同92%増)で8期連続最高益となりました。営業利益には、現在「パズル&ドラゴンズ」が好調のガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(以下「ガンホー」)を子会社化したことなどによる一時益1,491億円が含まれていますが、それを除いても2,419億円と、前年同期を上回る業績となっています。純利益※2は前年同期比2.3倍の2,383億円となり、こちらも過去最高となりました。
純有利子負債※3は、スプリントの事業への投資完了に伴い一時的に上昇に転じるものの、早期に低水準に落ち着く見通しです。この純有利子負債について孫は、「ボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル)を買収した時の借入額に比べれば、はるかに健全な範囲」と述べ、これまでに負債を順調に圧縮してきた実績を踏まえ、資金調達力が高い企業になったことへの自信を示しました。
国内移動通信事業の状況
国内移動通信事業では、ソフトバンクモバイルの純増数が4期連続で過去最高※4となり、株式会社ウィルコム(以下「ウィルコム」)、イー・アクセス株式会社(以下「イー・アクセス」)の2社と合わせると、2013年6月末の累計契約数は4,283万件に達しています。ここにスプリントの契約数(2013年3月末)を足すと9,804万件となり、日本最大手の株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下「NTTドコモ」)の6,162万件を逆転することになります。※4
ウィルコムは、2013年7月1日に東京地方裁判所から更生手続終結の決定を受け、2014年3月期 第2四半期から正式にソフトバンクの子会社となり連結決算に取り込まれます。同社は、2012年12月以降、ソフトバンクグループによる支援をきっかけに、業績をV字回復させています。2014年3月期 第2四半期決算で、公正価値と当初取得価額との差額1,038億円を利益として計上する見込みです。
次に孫が説明したのは、「スマホのつながりやすさNo.1へ」の取り組みについてでした。プラチナバンド対応基地局の建設が急速に進み、2013年7月現在で2.5万局が開局したこと、またその建設には、「防災アプリ」「ラーメンチェッカー」などのアプリケーションによる月間9億件に及ぶ通信ログ※5に加え、時間・建物・地図・クレームなどの300億に上るレコードの分析結果が、効果的に利用されていることを説明しました。その結果LTE対応スマートフォンでは、音声・パケットともに、第三者機関などの調査で接続率No.1※6を達成することができました。また、ソフトバンクモバイルが総務大臣報告に至る重大事故※7を796日間※8起こしていないことに触れ、「これは2006年のボーダフォン日本法人買収以来、おそらくわれわれにとって最長記録。強いネットワークを維持できるよう、今後も必死に頑張ります」と力強く述べました。ソフトバンクモバイルではこのネットワークの徹底強化のために、過去3年間、設備投資を前倒しで行ってきました。孫は、「現状のネットワーク品質に満足することなく、現在も山間部やへき地での基地局建設を行っているが、おそらく2013年度にいったんピークを迎えると思う」との見通しを述べました。
インターネット企業の状況
次に、孫はグループ会社が1,300社を突破したことを紹介しました。その中心的企業の一つであるヤフー株式会社(以下「ヤフー」)では、若い新経営陣が頑張り、連続して最高益を記録するなど、成長が再加速しています。またガンホーは、売上高が前年同期比11倍、営業利益が同34倍となり、同社が展開する「パズル&ドラゴンズ」のアプリケーションダウンロード数が1,700万件を超えるなど、業績ともに順調に拡大しています。
当社が筆頭株主である中国のAlibaba Group Holding Limitedについても、昨年から急激に利益が伸び、純利益が前期比3倍となるなど、今後もインターネット企業各社の成長が期待できます。
米国市場での戦略
もう一つの大きなテーマは、冒頭で「第二章」と述べた米国への本格進出です。孫は米国市場について、「ネットワーク、端末、営業、サービス、全ての形態が日本市場と非常に似ている」と感想を述べました。ボーダフォン日本法人買収当時、「ネットワーク」「端末」「営業/ブランディング」「サービス/コンテンツ」の4つの課題に焦点を絞り、早期解決に取り組むことで、短期間で同社の業績を改善させたことを振り返り、今回、これらに「コストシナジー」を加えた5つの戦略を米国で展開していくことを明らかにしました。
第一に「ネットワーク」については、ソフトバンクグループとスプリント双方が所有する周波数帯がほぼ同じであるため、その戦略は日米で共有することができます。ソフトバンクモバイルが行ってきた基地局建設や基地局展開のノウハウをスプリントと共有することで、米国内でのネットワークを改善することが可能だと考えています。
「端末」についても、日米双方の市場で同じものを展開することができます。また孫は、カリフォルニア州のシリコンバレーに新拠点を設立し、世界最先端の商品開発拠点とすることを明らかにしました。孫はこの新拠点について、「今年9月にオープンする予定。ソフトバンクグループ企業やスプリント、協力会社の社員を常駐させる。最初は徐々にだが、最終的には約1,000名強がそこで働き、新しい端末の調達、ソフトウエアの開発、ネットワークの開発や検証、アクセサリー関連の製作などが行われる」と構想の一端を披露しました。
「営業/ブランディング」については、ボーダフォン日本法人買収時の2005年度では4%だった純増シェアを2012年度には52%にまでしたことを紹介し、孫は「このさまざまなノウハウは米国でも生かされるのではないか」と自信を示しました。スプリントは当社による子会社化直後に、これまでにない、シンプルで競争力のある料金プランを米国で発表しています。また、これまでソフトバンクグループが持っていなかった世界30カ国の営業拠点と、グローバルネットワークとして世界165カ国へ自らの通信ネットワークをつないでいます。国内でこれだけのネットワークを持っている企業はなく、世界的に見ても非常に珍しいといえます。
10年前、携帯電話におけるコンテンツの中心は音声とメールでしたが、現在は100万種類ものアプリケーションが利用できるスマートフォンが主流となり、インターネットがモバイル端末へ移行したといえます。
「世界中の移動通信事業者は電話会社を母体としているが、ソフトバンクグループはインターネットカンパニー。ネットワークの設計思想も、コンテンツ、サービスも、電話会社を母体としている企業と考え方が違うユニークな存在だ。スプリントも電話会社だったが、今回インターネットカンパニーのノウハウを共有し、同社の企業カルチャーを変えていきたい」と、孫は4つ目のコミットメントである「サービス/コンテンツ」について説明しました。
類似市場である米国進出に当たって、この「4つのコミットメント」に「コストシナジー」を加えた5つの戦略でスプリントを一気に改善したいと改めて意気込みを語りました。
説明会の最後に孫は、2014年3月期の連結営業利益予想を発表しました。従来、スプリントを除く国内事業だけの営業利益予想を「1兆円以上」、スプリントを含めた連結営業利益予想を「9,000億円」としていましたが、グループ全体の業績が好調なことから、スプリントを含めた連結営業利益予想を「1兆円以上」とし、事実上の上方修正を行いました。
孫は、「今日現在のソフトバンクの営業利益ランキングは世界のモバイル企業の中で6位だが、他の業種も含めた全体のランキングではまだ世界62位。今は夢物語だが、1日も早く世界No.1になりたい。ただし、利益や数字で1番になるのが目的ではない。あくまで300年成長し続け、そして多くの人々に情報革命で幸せを感じてもらうのが、われわれの企業使命。その使命を果たすため、業績の面でもNo.1になりたい」と述べ、説明を締めくくりました。
EBITDA=営業損益-企業結合に伴う再測定による利益-その他の営業利益+減価償却費及び償却費
純利益:親会社の所有者に帰属する純利益
純有利子負債=有利子負債-手元流動性
各社の開示資料を基に当社作成
ユーザー許諾取得済
音声:イプソス株式会社による全国調査。プラチナバンド対応のLTE/4Gスマートフォンの音声接続率。スマートフォン利用モニター5,700人に発信し接続率を測定。(ソフトバンクモバイル:約2,200人 NTTドコモ:約1,600人 KDDI:約1,900人)
パケット:株式会社Agoopによる統計分析処理。プラチナバンド対応LTE/4Gスマートフォンのパケット接続率。防災速報(ヤフー)とラーメンチェッカー(Agoop)を利用の各社プラチナバンド対応LTE/4Gスマートフォン計108,000台(ソフトバンクモバイル:36,000台、NTTドコモ:36,000台、KDDI:36,000台を無作為抽出)のデータを個別に分析影響利用者数3万人以上かつ継続時間2時間以上
総務省「電気通信サービスの事故発生状況(平成23年度)」。2013年以降は報道発表資料を基に当社作成
質疑応答
主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。
スプリントとのシナジー効果が米国で年間20億ドル見込めるとのことだが、ウォール・ストリート・ジャーナルが「ソフトバンクが勝手に言っているだけ」と書くなど、投資家も含め世間はほとんど信用していない。このシナジー効果について、スプリントとどの程度意識合わせができているのか。
これまで、将来の戦略について具体的な話はしない方針でしたが、スプリント買収手続き中に、当社の戦略をスプリントの既存株主の方にご理解いただく必要がありました。そのため、「2,000億円の経費削減というシナジー効果を出せる」ということを申し上げました。それは買収完了初年度から2,000億円の効果を出せるということではなく、初年度はあくまで数百億円程度であろうと考えています。しかし、買収完了4年後にはおそらく2,000億円以上の経費削減効果が出せるだろうと見込んでいます。つまり、4年間の平均で約2,000億円のコストシナジー効果を期待しています。社内予測では、予定通り達成できる見込みですが、実績が出るまではウォール・ストリート・ジャーナルの記事のように、にわかには信じがたいというのは当然だろうと思います。そのご意見を批判するつもりはありません。あくまで私たちは着実に実行していくのみです。実績が表れてきた時にスプリントの株価や企業価値、あるいはソフトバンクの株式価値等に反映されていくものだろうと思います。
国内のスマートフォン普及率が5割近くになったが、残りの5割はまだスマートフォンを利用していないユーザーということになる。そういった方々向けに、ウィルコムやイー・モバイルは低価格戦略に打って出た。まだ始まったばかりだが、これらの新しい低価格の訴求策についてどのように感じているか。
ウィルコムやイー・モバイルの価格戦略はまだ打ち出したばかりです。これまで、ウィルコムはPHSの音声通話に事業を集中させていました。そして、イー・モバイルも「ポケットWiFi」を中心に事業を行ってきました。この2社がともにスマートフォンを本格展開していこうとしています。さらに、ソフトバンクモバイルの通信ネットワークを最大限に活用しながら、この2社が持っている通信ネットワークも使う。お互いの良いところを上手に利用しながら相乗効果を出してサービスを展開していこうとしています。単純に安いかどうかではなく、“ソフトバンククオリティー”のネットワークが提供できると思います。ソフトバンクモバイルのネットワークはつながりにくいというのは過去の話で、ソフトバンクモバイルのネットワーク品質は、実は他社を上回る品質になっています。しかし、料金体系についてはこれから徐々に浸透していくものです。この2社の位置付けはいわゆる「LCC(low-cost carrier)スマートフォン」のようになると思います。
2014年3月期 第1四半期の代理店手数料の実績と今後の推移について教えてほしい。また、格付けが下がっているが、これによって今後のソフトバンクの資金調達戦略に影響は出るのか?
代理店手数料は従来とほとんど変わっていません。また、ムーディーズの格付けが2段階下がることは、われわれ経営陣も多くのアナリストも予想していましたが、実際は1段階下がるだけで済みました。これは金融機関側も前向きに捉えていると言えるのではないでしょうか。当然私たちの償却前営業利益に対する純有利子負債の倍率が今回スプリント買収によって3.3倍に膨らむ見込みなので、格付けが下がるのは当然です。しかし、下がる理由が明確で、健全な内容であり、バランスを大きく崩しているわけではありません。かつてのソフトバンクと違い、営業キャッシュフローが潤沢になっており、成長しています。金融機関側からの資金提供は私たちが予定していた以上に多く集まってきています。
ソフトバンクの今後の世界戦略について、スプリント買収の次の計画を教えてほしい。また、日本国内で来年春の消費税引き上げについて議論されているが、消費増税となった場合のソフトバンクモバイルにおける料金体系や商戦への影響や対策について教えてほしい。
スプリントを買収したのはまだ今月の話ですので、その次の計画の話をするのは時期尚早だと思います。消費増税については、その時期や具体的な増税額について確定していないとわれわれは受け止めています。仮に消費増税した場合には、その時点で競合他社の状況も見て考えます。
ガンホーがソフトバンクの連結子会社となった背景を教えてほしい。
私と、ガンホーの第2位の大株主であり、ガンホー代表取締役会長で私の弟でもある孫 泰蔵が代表取締役を務める株式会社ハーティス(議決権所有比率:18.50%、以下「ハーティス」)との間で、2013年4月1日に「質権実行の猶予に係る議決権の行使に関する覚書」を締結しました。この覚書において、ハーティスは、私の資産管理会社である有限会社孫ホールディングスから、所有するガンホー株式に係る質権実行の猶予を受けるために、全ての議決権を行使することに合意しました(効力発行日:2013年4月1日)。
またソフトバンクモバイルは公開買付けを実施し(2013年4月1日~2013年4月26日)、ガンホー株式の6.37%を取得しました。この結果、当社とハーティスと合わせて、ガンホー株式の議決権の過半数(議決権所有比率:58.50%)を占めることになり、ガンホーは関連会社から子会社となりました。- 詳細は、平成26年3月期 第1四半期決算短信 38ページをご確認ください。
2013年7月19日に、スプリントから同社初となるWindows Phone端末が発売になった。今後のWindows Phoneの展開について、米国での見通しや期待感、また共同調達をして日本で発売される可能性について孫社長の考えを教えてほしい。
Windows Phoneについては、ユーザーからどの程度の評価を得られるのか、まずは今回の米国での反応を検証したいと思います。反応がポジティブであれば日本での発売も検討したいと思いますが、まだ始まったばかりなのでもう少し様子を見てみたいです。
ソフトバンクによるスプリントの買収が完了した直後に、スプリントが新しい料金プランを発表したが、このプラン策定の際にソフトバンクはどのように関わったのか。
買収完了前は、毎週テレビ電話を通じてさまざまな情報交換や意見交換をしていましたが、買収完了までは経営権を持っていなかったので、あくまでもスプリントの経営陣が意思決定をしていました。しかし、買収直後に出す新料金プランということで、最終的な決定を私に求めました。
シリコンバレーに作る新しいオフィスについて、いつ頃、どれくらいの規模で作るのか。また、このオフィスでの主な業務は端末の開発になるのか。
シリコンバレーオフィスは今年9月に開きたいと思っています。ツインビルになっていて、総勢1,000名を超える規模になります。しかし、いきなり1,000名ではなく、数百名規模から開始します。その数百名はソフトバンクやソフトバンクモバイルなどの社員と、スプリントの社員からなります。また、協力会社やグループ会社の米国拠点としてシリコンバレーで一緒に活動をしていくことになると思います。業務内容は新しい端末の調達、端末に入れるソフトウエアの開発、ネットワークの接続試験なども行いたいです。新しいネットワーク技術の検証や開発もしたいですし、多様なアクセサリーや周辺グッズも揃えていきたいと思います。また、シリコンバレーに集まる多くのインターネット企業と、さまざまなアプリケーションソフトウエアやインターネットサービスで連携を図っていきたいです。私の米国オフィスもそこに置く予定です。
先日、六本木のソフトバンクショップで「バリバリバンバンキャンペーン」を行っていた。そこでスマホの接続率No.1※6が強調されていたが、ソフトバンクモバイルのスマートフォンの接続率No.1は信じられないという人の割合が7、8割ぐらいだった。この状況についてどのように考えているのか。何か対策や取り組みは考えているのか。
信じられない人はまだたくさんいて当然だと思います。大変長い間つながりにくい状況でご迷惑をお掛けしてきました。また、われわれのiPhone 5やAndroid™ 搭載スマートフォンが、他社に比べてつながりやすいという科学的データがありますが、今日現在ソフトバンクモバイルユーザーの方で、これらLTE対応スマートフォンをご利用いただいていないお客さまもたくさんいらっしゃいます。そういった方々の中には良くなったという実感が無いという方もいらっしゃるでしょう。しかし、ソフトバンクモバイルのつながりやすさを実感した人が徐々に増え、周りの人に伝わっていくのは時間の問題だと思います。今後も、地道に広告宣伝や店頭でのご案内などのコミュニケーション活動に力を入れていきます。
クリアワイヤがTD-LTEを始めたとの話があるが、具体的には何を行っているのか。
クリアワイヤのTD-LTEの基地局は続々と建設中です。ただ、それを受ける端末がまだ用意できていないため、まだまだこれからです。今年中には使える地域が少し増え、来年中には全米規模で使えるネットワークになっていくと思います。そして、来年中には、対応スマートフォンも揃い始めるだろうと思います。
2.5GHzの追加割り当てについて、総務省に対して行政訴訟を行うとのことだが、最終的なゴールは何か。
行政訴訟をするかどうかの最終判断は行っていません。しかし、今回の割り当てには納得していません。申し入れ内容は、認定の延期、公開ヒアリングを含む直接的な再審議、情報請求です。ソフトバンクグループのWireless City Planning株式会社(以下「WCP」)は30MHz、UQコミュニケーションズ株式会社(以下「UQ」)は30MHzの許認可を持っています。しかしわれわれの30MHzのうち10MHzは「制限付き許認可」ということで、今すぐには使えません。30MHz対30MHzということで両者に平等に割り当てられましたが、実際は今現在20MHzしか使えません。そのため、今回新たに20MHz幅を許認可するということで、われわれは10MHzずつ割り当てがあると思っていました。
今現在のルールでは、総務省の方々が許認可を与え、電波監理審議会にて審議されます。その審議がたった1、2日で行われたということにも大いに疑問を抱いていますが、その中で、まさかUQが50MHzでWCPが20MHz(今すぐ使える幅)、あるいは将来的に見てもUQが50MHzでWCPが30MHzというような不平等な割り当てになるとは夢にも思っていませんでした。
これから正式な認可付与のプロセスがありますが、その正式な付与までの間に、せめて公開ヒアリングをしてほしいと思います。なぜこのような割り当てになったのか、せめて公開討論の場で堂々と彼らの意見とわれわれの意見を戦わせる場を持たせてほしいと思います。そもそも審議会が行われる前にあたかも決定されたかのような報道が一部なされるということもあり、プロセスに非常に疑義を持っています。ぜひ明らかにしてほしいです。
今後付与される電波(1.7GHzや3.4GHz)の審議の場でも、また同じような不透明なプロセスにて決定されると非常に困ります。ソフトバンクグループの経営が困るだけではなく、私たちには4,200万のお客さまがいます。ソフトバンクグループを信じて契約していただいた方々です。この4,200万のお客さまへの責任としても、われわれは今後限られた電波でサービスを行っていかなければいけないということに対して、このまま黙ってやり過ごす訳にはいきません。せめて公開討論を行い、より透明性のあるプロセスで議論を行い、割り当てがなされることを期待します。
Android は、Google Inc.の商標または登録商標です。
Apple、Appleのロゴは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。iPhoneはApple Inc.の商標です。
iPhone商標はアイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
その他、記載されている会社名および商品・サービス名は各社の登録商標または商標です。
内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。