次世代インターネット事業の戦略的基盤構築に向けた当社子会社株式のヤフー株式会社への譲渡について

当社は、当社全額出資子会社であるソフトバンクIDCソリューションズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表者:真藤 豊、以下、平成21年2月2日付けでソフトバンクIDC株式会社から商号変更)の株式を、当社連結子会社であるヤフー株式会社(本社:東京都港区、代表者:井上 雅博、以下Yahoo! JAPAN)に譲渡することを決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
今回の決定により、ソフトバンクグループとして次世代のインターネット事業におけるグループの戦略的基盤を早期に構築することが可能になるとともに、グループとしてシナジー効果を最大化することでインターネット事業およびデータセンター事業の持続的な成長と競争力の強化を実現していきます。

1. 3社の概要

当社は、連結子会社105社および持分法適用関連会社78社を傘下にもつソフトバンクグループの純粋持ち株会社です。主な事業子会社としては、移動体通信事業を営むソフトバンクモバイル株式会社、ブロードバンド・インフラ事業を営むソフトバンクBB株式会社、固定通信事業を営むソフトバンクテレコム株式会社およびインターネットカルチャー事業を営むヤフー株式会社等があり、インターネットを事業基盤の主軸とし、デジタル情報革命を日々推進しています。

ヤフー株式会社は、当社と米国Yahoo! Inc.との合弁会社として平成8年1月に設立した当社子会社です。同年4月に日本語での情報検索サービス(サービス名:Yahoo! JAPAN)の提供開始以来、わが国における商用インターネットサービスの中心であり、平成21年1月時点での月間総ページビュー数433億6,500万、ユニークブラウザ数1億8,932万等は、圧倒的国内第1位の地位にあります。

ソフトバンクIDCソリューションズ株式会社は昭和61年11月設立し、創業22年のわが国におけるデータセンター事業の草分け的存在であり、全国9カ所でデータセンターを運用する国内最大級のデータセンター専業会社であります。ネットワークセキュリティや運用監視を含む高品質のデータセンターソリューションを提供しています。昨年10月には福岡県北九州市に環境対応型データセンターコンプレックス「アジアン・フロンティア」が竣工し、万全のセキュリティと安全性はもちろん、環境配慮と常に最新鋭の設備提供を可能としたモジュール様式の採用により、顧客の需要に応じたジャストオンデマンドの設備提供を可能としています。

2. Yahoo! JAPANおよびソフトバンクグループのメリット

(1) Yahoo! JAPANのメリット

インターネット事業領域においては、技術革新や取り扱うデータ量の変化、情報漏えい対策や安定した事業継続を求める企業からの需要の高まりなどから、データセンター事業の重要性が再認識されております。また、インターネット産業におけるデータセンターへの需要は、インターネット上で流通する動画コンテンツの増加、ユーザー発信型のコンテンツやコミュニティ型サービスの普及などにより、ますます増大しています。

このような背景からYahoo! JAPANグループは、現在、次世代インターネット事業領域において世界規模で拡大しているSaaSをはじめとするクラウドコンピューティングや、オープン・プラットフォームの本格的な展開を見据え、データセンター事業の戦略的基盤を構築する必要があります。

これまでYahoo! JAPANは、データセンターを自ら所有せず、IDCなどの事業者から調達してきましたが、今回の決定でデータセンターを自社所有し、将来の需要の増加への対応やサービス増強などを主体的に進めていける体制・設備を確保でき、今後、Yahoo! JAPANの事業全般において、データセンター関連コストの大幅な削減、調達の効率化、サービス投入のスピードアップ、計画的な事業遂行の実現などが可能になると考えています。

特にコストの大幅な削減については、以下の効果が期待できます。

  • Yahoo! JAPAN自身が持つ膨大な需要の合理的な配置により、スケールメリットが得られる。
  • Yahoo! JAPANが所有することでのみ可能となる「大量サーバーの独自運用管理技術」を適用することで得られるデータセンター事業の効率化が実現できる。

これらは、Yahoo! JAPANがIDCを所有することで初めて実現できるメリットです。

一方、IDCはこれまでのビジネス展開を通じて設備提供からプラットフォームへと事業領域の拡大を図っており、すでにSaaS関連サービスの提供実績を複数持っています。今後の市場拡大により、将来的には数千億円規模に成長すると予測されているSaaSをはじめとしたクラウドコンピューティング領域に、Yahoo! JAPANが積極的に踏み出していくために現在行っている具体的な検討が、IDCを吸収合併することで基盤提供面、サービス開発面、販売面などを含めて総合的に進展すると期待できます。

(2) ソフトバンクグループのメリット

Yahoo! JAPANが直接データセンター事業を運営することによって、データセンターとしての事業領域を飛躍的に拡大させることができ、インターネット企業グループとしての基盤をより確かなものとすることができます。

ソフトバンクは今後も高品質かつ高い競争力を維持しつつ、グループ全体の価値の最大化に取り組むとともに、グループとしてシナジー効果を活用し、インターネット事業およびデータセンター事業の持続的な成長と競争力の強化を実現してまいります。

3. Yahoo! JAPANに譲渡する子会社の内容

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商号ソフトバンクIDCソリューションズ株式会社
代表者真藤 豊
所在地東京都新宿区四谷四丁目29番地
設立年月日昭和61年11月17日
事業の内容データセンター事業、IPネットワーク事業、コンサルティング、システム構築・運営
決算期3月31日
従業員数123名(平成20年3月末時点)

4. Yahoo! JAPANに譲渡する子会社の業績の推移

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(単位:百万円)
 平成19年3月期平成20年3月期
売上高8,9869,843
営業利益2,0702,227
経常利益2,1662,319
当期純利益3,0802,077
総資産16,43618,124
純資産14,02516,103

5. 譲渡の相手先の概要

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商号ヤフー株式会社
代表者井上 雅博
所在地東京都港区六本木六丁目10番1号
事業の内容インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業、その他事業

6. 譲渡金額

450億円
譲渡金額については譲渡時の時価純資産(潜在的繰延税金資産価値を含む)、将来キャッシュフロー(Yahoo! JAPANグループとのシナジー効果を含む)、第三者算定機関による評価等を総合的に勘案し、交渉により決定されました。

7. 所有株式数の状況

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譲渡前の当社所有株式数200,000株(直接所有割合100.0%)
譲渡株式数200,000株
譲渡後の当社所有株式数0株(直接所有割合0%)

8. 株式譲渡の日程(予定)

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株式譲渡契約締結日平成21年2月23日
株式譲渡日平成21年2月24日

9. 業績に与える影響

今般の株式譲渡に伴い、当社は、平成21年3月期の単体決算において、特別利益として関係会社株式売却益約323億円を計上する見込みです。
なお、連結決算において、上記の特別利益は、内部取引として消去されます。

以上

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