子会社(スーパーセル)株式の資金化に関するお知らせ
当社は、2016年6月21日、当社子会社であるKahon 3 Oy及びSoftBank Group Capital Limited(以下「当社子会社2社」)が、その保有するSupercell Oy(以下「スーパーセル」)の全ての株式(保有割合72.2%(希薄化後ベース ※1 ))をTencent Holdings Limited(以下「テンセント」)の関係会社(以下「本件買主」)に約73億米ドル ※2 (約7,700億円 ※3 )で売却(以下「本取引」)することについて、テンセント、本件買主、スーパーセル及びその他の当事者との間で、最終的な合意に至りましたので、下記のとおりお知らせいたします。また、スーパーセルの株式の譲渡日までに、当社子会社2社はスーパーセルから約4億米ドル(約430億円)の配当を受領予定です。
テンセントは、本取引の実行後に本件買主に対する持分のシンジケートを組成することを予定していますが、かかるシンジケートの組成は、本取引の前提条件とはされていません。スーパーセルの株式の譲渡日をもって、スーパーセルは当社の子会社に該当しないこととなり、当社の連結対象から除外されます。
本取引において、スーパーセルの全株式の価値は総額約102億米ドル ※2 (約1.1兆円)と見積もられています。当社が当社子会社2社を通じて行った投資に対するリターンは、これまでの受取配当金と合わせ、投資額の2.9倍に当たる合計約84億米ドル(約8,800億円)で、IRR(内部収益率)は93%となります。
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※1
発行済株式総数、権利確定済み・権利未確定のストック・オプション、権利確定済み・権利未確定の制限付株式ユニット(RSU)、及び現在の同社の株式インセンティブプランに基づき発行可能なRSUの合計数(ただし、当社子会社が保有する転換オプションは含めず)に占める2016年5月15日時点の割合。以下同じ。
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※2
実際の売却対価は、スーパーセルの企業価値である約95億米ドルに、譲渡日のスーパーセル及び同社子会社の現金及び現金同等物残高を加え、本取引に係るスーパーセルの未払費用を差し引いた額(株式価値)に、当社子会社2社の保有割合 ※1 を乗じた額により決定されます。以下売却対価及び株式価値の計算において同じ。
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※3
1米ドル=104.69円(2016年6月20日時点)で換算。以下同じ。
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※1
記
1. 本取引の目的
テンセントは、中国を拠点にソーシャル・コミュニケーション、PC及びスマートフォンゲーム、動画及び音楽配信などの付加価値サービスをインターネット上で提供する大手インターネット企業です。一方のスーパーセルは、フィンランドを拠点にモバイル端末向けのゲーム事業を展開しており、2013年10月末に当社子会社となりました。
本取引は、「ソフトバンク2.0」に向けた取り組みの一環として、財務体質の強化を含め、規律ある資本配分の最適化をさらに推進するものです。
2. 本取引の概要
当社は、当社子会社2社が保有するスーパーセルの全ての株式(保有割合72.2%(希薄化後ベース))を本件買主に約73億米ドル(約7,700億円)(以下「売却対価」)で売却します。本取引において、スーパーセルの株式価値は約102億米ドル(約1.1兆円)と見積もられています。売却対価は3回に分割して以下のとおり受領予定です。
- 第1回目(2016年8月5日(予定)):売却対価の48%(見込み)
- 第2回目(2016年11月3日(予定)):売却対価の50%(見込み)
- 第3回目(2019年8月5日(予定)):売却対価の2%(見込み)
株式譲渡日は2016年8月5日の予定ですが、当社子会社2社が売却するスーパーセルの株式のうち半数は、当社子会社2社が上記第2回目の売却対価を受領するまでの間、エスクロー口座にて保管される予定です。
なお、当社子会社2社は、(スーパーセルの他の株主と共に)株式譲渡日までにスーパーセルから配当金を受領する予定であり、これまでの配当と合わせた当社子会社2社の受取配当金は、合計約11億米ドル(約1,100億円)に上る見込みです。
3. スーパーセルの概要
(1) 名称 | Supercell Oy |
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(2) 所在地 | Itämerenkatu 11-13 00180 Helsinki Finland |
(3) 代表者の役職・氏名 | CEO Ilkka Paananen |
(4) 事業内容 | モバイル端末向けゲーム・アプリケーションの製作・配信 |
(5) 資本金 | 3,000ユーロ |
(6) 設立年月 | 2010年5月 |
4. テンセントの概要
(1) 名称 | Tencent Holdings Limited |
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(2) 本社所在地 |
Kejizhongyi Avenue, Hi-tech Park
Nanshan District, Shenzhen, The PRC |
(3) 代表者の役職・氏名 | CEO Ma Huateng |
(4) 設立年月 | 1998年11月 |
5. 本取引前後における当社のスーパーセル株式保有割合(間接保有含む)
本取引前の保有割合 | 72.2%(希薄化後ベース) |
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本取引後の保有割合 | 0% |
6. 当社の連結業績に与える影響見込み
スーパーセルの株式の譲渡日(2016年8月5日)をもって同社は当社の子会社に該当しないこととなり、当社の連結対象から除外されます。これに先立ち、スーパーセル株式の売却契約を2016年6月21日に締結したことに伴い、2017年3月期第1四半期決算では、当社の連結財政状態計算書において、同社の資産及び負債は売却目的で保有する資産及び負債として表示されます。また、当社の連結損益計算書において、2016年4月1日から譲渡日までの期間におけるスーパーセルの純損益は、継続事業と区分して非継続事業の「非継続事業からの純利益」として表示されます。
なお、2016年3月期におけるスーパーセルの純損益についても、遡及修正が行われ、非継続事業の「非継続事業からの純利益」として表示されます。
スーパーセル株式の売却益は、売却時点の当社におけるスーパーセルの連結簿価に基づき算出されるため、改めてお知らせしますが、現時点では2017年3月期決算において6,000億円(税引前)程度が、連結損益計算書上、非継続事業の「非継続事業からの純利益」に含まれるものと見込んでいます。
7. 日程
売却契約の締結 | 2016年6月21日 |
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株式譲渡及び第1回目売却対価(売却対価の48%の見込み)受領 | 2016年8月5日(予定) |
第2回目売却対価(売却対価の50%の見込み)受領 | 2016年11月3日(予定) |
第3回目売却対価(売却対価の2%の見込み)受領 | 2019年8月5日(予定) |
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当社子会社2社が売却するスーパーセルの株式のうち半数は、株式譲渡日後、当社子会社2社が上記第2回目の売却対価を受領するまでの間、エスクロー口座にて保管される予定です。
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8. 各社マネジメントからのコメント
当社代表取締役社長 孫 正義
「私たちは、イルッカやスーパーセルのチームと素晴らしい協力関係を築きあげ、また同社の驚異的な成長に関われたことを誇りに思います。私たちの出資のもとで、同社は独立性を保ち、いくつもの自立したチームが存在する同社のユニークな企業文化で成長してきました。テンセントとそのゲーム業界におけるリーダーシップに敬意を表するとともに、スーパーセルの自律性を尊重する事で、テンセントはスーパーセルが次の段階に進むための理想的なパートナーであると確信しています。当社にとって本取引は、『ソフトバンク2.0』の重要な柱である、株主の利益を目的とした資金化や規律ある財務運営につながるものです」
スーパーセル CEO イルッカ・パーナネン
「本日から、スーパーセルが目指すことをさらに追い求めていきます。われわれは世界中の人々に数十年に渡ってプレイしてもらえるような素晴らしいゲームを作ることと、ゲーム業界の歴史に名前を残すことを目的にスーパーセルを設立しました。当社はこの6年間で素晴らしい進化を遂げてきました。制作したランキングトップに入る4つのゲームは、現在毎日1億人以上もの人にプレイされています。テンセントによる出資は、当社の独立性と、いくつもの小さな自立したチームが存在するユニークな企業文化が保たれることで、さらなる成長につながります。われわれはスーパーセルをクリエイティブな人材がゲームを制作するのに最適な場所にしたいと考えています。また同時に、この新しいパートナーシップにより、テンセントのチャネルを通して、中国の数億人もの新しいゲームプレイヤーにリーチすることができ、中国での絶好の成長機会につながると考えています」
本取引に関するイルッカのより詳細な考えはこちらのウェブサイトよりご覧いただけます。
The next chapter: our partnership with Tencent × Supercell
(英語)
テンセント President マーティン・ラウ
「スーパーセルは、その創造性、ゲームプレイヤーの体験に注力すること、世界中で人気の革新的なモバイルゲームを制作することを可能とするユニークな企業文化で知られています。テンセントは、長期間の戦略的パートナーシップを主要なゲーム会社と構築することに専念してきました。スーパーセルが当社のグローバルネットワークのゲームパートナーの一員となることをとてもうれしく思うとともに、同社の独立性を保ち、その強みをさらに高めることが、ひいては世界中の人々をさらに興奮させるようなゲーム体験の提供につながると考えています。当社にとって重要なのは、スーパーセルがユニークな企業文化を保つこと、本社をフィンランドに残すこと、誇りを持ってフィンランドを代表する企業であることで、同社のルーツに忠実であり続けることです」
以上
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