ABB Ltdのロボティクス事業の買収に関するお知らせ
ソフトバンクグループ株式会社(以下「当社」)は、エレクトリフィケーション※1とオートメーションのグローバルテクノロジーリーダーであるABB Ltd(以下「ABB」)のロボティクス事業を総額53.75億米ドル(約8,187億円※2)で買収すること(以下「本買収」)について、2025年10月8日(中央ヨーロッパ時間)付でABBと最終的な契約を締結しましたので下記のとおりお知らせいたします。
本買収は当社の取締役会で承認されていますが、EU、中国及び米国を含む必要な規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を条件としています。当社は、本買収が2026年半ばから後半に完了するものと見込んでいます。
(※1) 輸送・産業・建物などにおける動力源や熱源・光源を化石燃料から、電気に置き換えることの総称
(※2) 1米ドル=152.31円で換算
記
1. 本買収の目的
パソコン、インターネット、ブロードバンド、スマートフォンと変遷してきた「情報革命」の中心がAIとなった現在、当社は人類の進化に資するASI(人工超知能)の実現を使命に掲げています。その実現に不可欠な①AIチップ、②AIロボット、③AIデータセンター、④電力の4分野において積極的な投資と事業展開を進めるとともに、生成AI分野をリードする企業への投資も行っています。
本買収は、こうした戦略の一環として、当社のAIロボット事業を飛躍的に強化するものです。ABBのロボティクス事業は、高い信頼性と卓越した性能によって世界的に評価されるブランドであり、強固な販売チャネルと幅広い顧客基盤を有しています。当社はAIをはじめとする先端分野への投資を通じて、同ロボティクス事業の成長を再び加速できる独自の強みを有する立場にあります。
本買収後、そのロボティクスプラットフォーム、専門的な知見及び各地におけるプレゼンスは、当社の既存のロボティクス関連投資――ソフトバンクロボティクスグループ株式会社、Berkshire Grey, Inc.、AutoStore Holdings Ltd.、Agile Robots SE、Skild AI, Inc.など――の技術基盤によって補完され、AIロボティクス分野における革新を加速させるとともに、ASIの実現に向けた進化と成長を力強く推進していきます。
2. 本買収の方法
ABBは、同社のロボティクス事業をカーブアウトし、持株会社を新設します。当社は、子会社を通じて同持株会社の全株式をABBから総額53.75億米ドルで取得する予定です。本買収の結果、同持株会社は当社の子会社となります。
3. 本買収の主なスケジュール
| 取締役会決議(当社)※3 | 2025年9月22日(日本時間) | |
|---|---|---|
| ABBとの売買契約締結(当社) | 2025年10月8日(中央ヨーロッパ時間) | |
| 本買収の完了 | 2026年半ばから後半(予定) | |
(※3) 本取締役会決議においては、決議内容と矛盾しない範囲において、本買収及び本買収に係る契約に関する最終的な決定を代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義並びに取締役 専務執行役員 CFO 兼 CISO 兼 GCOの後藤 芳光に一任しました。
4. 買収する持株会社の概要
| (1) 名称 | 未定 | ||
|---|---|---|---|
| (2) 所在地 | スイス連邦チューリッヒ | ||
| (3) 代表者の役職・氏名 | Marc Segura(現President of ABB Robotics Division) | ||
| (4) 事業内容 | 産業用ロボットの開発・製造・販売 | ||
| (5) 資本金 | 未定 | ||
| (6) 設立年月 | 未定 | ||
| (7) 従業員数 | 未定(現ABBロボティクス事業の従業員数は約7,000人) | ||
| (8) 当社と関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 | |
| 人的関係 | 該当事項はありません。 | ||
| 取引関係 | 該当事項はありません。 | ||
|
(9) ABB ロボティクス事業の最近3年間の経営成績及び財政状態※4 (米国会計基準、プロフォーマ、非監査) 単位:百万米ドル | |||
| 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | |
| 売上高 | 2,258 | 2,452 | 2,279 |
| EBITDA | 221 | 385 | 313 |
| Operational EBITA※5 | 186 | 349 | 277 |
| 純資産 | 642 | 785 | 770 |
(※4) 本数値は、ABBより提供されたものです。買収対象事業が単独で運営された場合の実際の数値とは異なる可能性があります。
(※5) Operational EBITAは、ABBが用いる経営指標です。営業利益から、買収関連の無形資産償却、リストラクチャリング費用、事業売却益、非経常的な項目を除外した利益を示しています。
5. 株式取得価額及び取得前後の所有議決権の状況
| (1) 異動前の議決権所有割合 | - | |
|---|---|---|
| (2) 取得する議決権の割合 | 100% | |
| (3) 株式取得価額 | 取得価額:53.75億米ドル(約8,187億円)※6 取得関連費用:未定※7 | |
| (4) 異動後の議決権所有割合 | 100% | |
(※6) 取得価額は、本買収の完了日現在の正味運転資本や純有利子負債等を考慮して、一般的な調整が行われます。
(※7) 取得関連費用(概算)については、判明次第速やかにお知らせします。
6. 各社マネジメントからのコメント
当社代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義は以下のように述べています。
「ソフトバンクグループの次のフロンティアは『フィジカルAI』です。ABBロボティクスとともに、共通のビジョンのもと、世界トップレベルの技術と人材を結集し、ASIとロボティクスを融合させることで、人類の未来を切り拓く画期的な進化を実現していきます。」
ABB CEOのMorten Wierodは以下のように述べています。
「ソフトバンクグループは、ABBのロボティクス事業と従業員にとって最適な場となるでしょう。ABBとソフトバンクグループは、世界がAIを基盤としたロボティクスの新時代に入りつつあるという認識を共有しており、両社のロボティクス事業が共にその時代を最良の形で実現できると確信しています。ABBロボティクスは、その先進的な技術と業界の深い知見をソフトバンクグループのAI・ロボティクス・次世代コンピューティングの最先端技術と組み合わせることで、この分野におけるテクノロジーリーダーとしての地位をさらに高め、拡大していくことができます。」
7. 株式取得の相手先の概要
| (1) 名称 | ABB Ltd | |
|---|---|---|
| (2) 所在地 | スイス連邦チューリッヒ | |
| (3) 代表者の役職・氏名 | Morten Wierod, President and Chief Executive Officer | |
| (4) 事業内容 | エレクトリフィケーション、モーション、プロセスオートメーション、ロボティクス&ディスクリートオートメーション | |
| (5) 資本金 | 162百万米ドル(2024年12月末現在) | |
| (6) 設立年月日 | 1988年1月5日 | |
| (7) 連結純資産 | 15,060百万米ドル(2024年12月末現在) | |
| (8) 連結総資産 | 40,357百万米ドル(2024年12月末現在) | |
| (9) 大株主※8 | Investor AB, Sweden UBS Fund Management (Switzerland) AG BlackRock Inc., U.S.A. | |
| (10) 当社との関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 |
| 人的関係 | 該当事項はありません。 | |
| 取引関係 | 該当事項はありません。 | |
(※8) 詳細はABBのウェブサイト内「Major shareholders」を参照ください。
8. 今後の見通し
本買収による業績等への影響や本取引の具体的な日程については、分かり次第お知らせします。
(参考)当社の当期業績予想及び前期実績(連結)
| 売上高 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する純利益 | |
|---|---|---|---|
| 当期業績予想 (2026年3月期) | 百万円 - | 百万円 - | 百万円 - |
| 前期実績 (2025年3月期) | 百万円 7,243,752 | 百万円 1,704,721 | 百万円 1,153,332 |
現時点では業績に影響を及ぼす未確定な要素が多いため、業績予想を数値で示すことが困難な状況です。当期業績予想については、合理的に予測可能となった時点で公表します。
以 上
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