理念・ビジョン・戦略

合同入社セレモニーあいさつ(骨子)

本日開催した2022年度ソフトバンクグループの合同入社セレモニーで、グループ代表の孫 正義が、国内グループ企業の新入社員約1300人に向けてあいさつしました。

皆さん、おはようございます。
人々の叡智が戦争のない世界を作り出していくだろうと信じていますが、今、戦争が起きています。毎日ニュースを見ていると、まさかこんなに悲しい、胸の痛む戦争が、これほど我々の社会に、人々の心に、辛い思いをさせるのかと思います。やっと新型コロナウイルスのワクチンもできて、世界中の人々をこれほど苦しめた恐怖、災いを抜けるトンネルの先に光が見えてきたかなという矢先に、こんな大規模な戦争が始まるとは思ってもみませんでした。私は戦争に反対です。

人間ってなんだろう、人間の幸せってなんだろう、人間の悲しみってなんだろうとつくづく考えさせられてしまいます。もちろん新型コロナウイルスや戦争だけではありません。人間の苦しみを一日でも早く、少しでもなんらかの形で和らげたい、助けたい、人々の笑顔が見たい、これがソフトバンクグループ創業一日目から、情報革命で成し遂げたいことです。もちろんすべての不幸、悲しみをなくすことはできません。しかし情報革命を通じて一人でも多くの人々が苦しみから開放されて、一人でも多くの人々の笑顔を作ることの役に立てたら、という思いでソフトバンクグループを創業しました。

創業して間もない頃は私とアルバイト社員二人でしたが、今日現在はグループ会社が世界に1000社を超える規模になりました。今日も国内グループ企業に約1300人が入社します。創業して四十数年も経つと、良い時、苦しい時、どん底の時もありました。新入社員が5、6人という年もありました。今日のように1300人規模の入社セレモニーを開催するということは、それだけ皆さんの人生に対しても、社会の多くの人々に対しても責任を感じます。

人々の人生には色々な形で貢献することができますが、私が言いたいのは「登る山を決めることで人生の半分が決まる」ということです。我々ソフトバンクグループにとって、登る山ははっきりしています。自分たちの目指すべき方向が定まらない時は、何をしていけば良いんだろうと、悩みでいっぱいになります。皆さんも学生時代、就職活動やさまざまな迷いがあったと思います。初めて社会人になるというのは、みなさんの人生が大きく変わる節目の時だろうと思います。そんな中で縁あって、同じ山を目指す、志を共にする同志となりました。先輩後輩、あるいは上司部下、人間社会には色々な関係があります。それはたまたまの上下関係で、一番大切なのは志を共にする仲間かどうか、力を合わせて同じ山を登ろうという同志であるかどうか、ということです。どんよりとした難しい今の世の中ですが、我々は情報革命を通じて人々を幸せにするという理念に向かって力を合わせていく。みなさんのような若い同志が、我々の思い、志、使命を、大きく、力強く果たしてくれると信じています。

4月1日のこの時期が私は大好きです。毎年、寒い、暗い、厳しい冬を越え、明るい空の下で桜が咲く春を迎える。桜は一輪だけ見ても普通の花かもしれません。でも枝枝の先にたくさん花を咲かせ、群れで一斉に咲き誇る。それを見ると本当に感動します。

私にとって皆さんは、その咲き誇る桜の花のような存在です。一輪の桜の花も美しいけれど、志を共にして一緒に春を迎えよう、世の中を明るくしようという同志だと思っています。皆さんが志を共にして、世界中の人々の悲しみを少しでも減らし、笑顔を少しでも増やす。今このような時にこそ、我々の志、我々の使命、我々の思い、ソフトバンクグループの存在意義、そもそもなぜ創業したのかを改めて考えています。世界中のグループ会社に一つ共通しているのが情報革命で人々を幸せにしたい、という理念です。社名が違っても、ロゴが違っても、これだけは全部のグループ会社に共通している点です。この一点で我々は集っている。この一点で我々は頑張っている。同じ志を共にした同志であるということです。一年の中でも4月1日は毎年、決意を新たに確認し、自分自身に言い聞かせる日です。毎年新しい同志がこのように集ってくれる、そういう日です。この日を大切にしたいと思います。よろしくお願いします。

合同入社セレモニーあいさつ(骨子)合同入社セレモニーあいさつ(骨子)

(掲載日:2022年4月1日)