理念・ビジョン・戦略
合同入社セレモニーあいさつ(骨子)
本日開催した2026年度ソフトバンクグループの合同入社セレモニーで、グループ代表の孫 正義が、国内グループ企業の新入社員約950人に向けてあいさつしました。
皆さん、おはようございます。
私は毎年、4月1日の新入社員の皆さんとの入社式を人生の重要な日として捉えています。多くの仲間と志を同じくして、創業以来ずっと情報革命を追い求めてきましたが、今日は特に重要な節目だと感じています。
世界は動いています。特に技術の世界が急速に進展していると感じています。今までであればゲーム1本を作るのに専門のチームが協力し、人間があらゆる指示をして2~3年かけて作っていましたが、これからは、一行指示を記載するだけで、今までのゲームソフトをすべて分析・理解し、継続的に改善していきます。そのカギになるのはデータセンターのチップの集積であるコンピュート(計算基盤)です。そしてそのコンピュートを使ったAIエージェントが、強化学習の基本的な機能を用いてどんどん進化していきます。そのためには、強化学習と長期記憶という2つのファンダメンタルな発明がカギとなります。大事なことは、技術的な革命が、まさに今、極めて速いスピードで進行しているという点です。
約20万年の人類の歴史の中で、農業革命によって人口とGDPは大きく拡大しました。当時の富は農民の数と土地の価値・広さに比例していました。そして、約200年前に産業革命が起こりました。産業革命では、富は工場に投入する機械、設備投資に比例するようになり、資本主義が生まれました。設備投資の規模と能力に応じて生産性が決まり、優れた設備を持っていれば、圧倒的なボリュームの工業製品を作れるようになりました。
これからはAI革命の時代です。AI革命こそが情報革命の根幹になるわけです。このAI革命においては、恐らくたった10社くらいが世界経済の中心的な役割を担うようになるでしょう。ソフトバンクグループがそのうちの1社でありたいというのが私の思いです。
もし皆さんが、ソフトバンクは通信の会社だと思っているとしたら、それは大きな錯覚です。創業当初、社員の多くはソフトバンクをパソコンソフトの卸売会社だと思っていましたが、私は一瞬たりともそう思っていませんでした。もしパソコンソフトの卸売会社がソフトバンクの本質だと思っていたとしたら、今日のソフトバンクグループはなかったでしょう。その後、インターネット時代の到来を見据えてヤフーなどの事業を展開し、さらにブロードバンド化の流れの中でYahoo! BBを開始しました。そして、情報革命の中心がモバイルインターネットへ移ることを見据え、ボーダフォン日本法人を買収し、現在のソフトバンクのモバイル事業へと発展しました。われわれは情報革命の会社なのです。スーパーインテリジェンスによる革命の会社なのです。
では、AI革命の中心の会社になるには何が必要かというとそれはデータセンターです。データセンター内のチップ、それを動かすモデル、そしてそれらを数億、数十億の規模で連動させて、データセンターとして強烈な大脳を構築する。そしてトレーニングと推論を連携させ、圧倒的な速度と規模のインファレンスセンターを持つ。さらに、エッジ側の端末にインテリジェンスを持たせて、今まではひとりに一台のスマートフォンがあり、それを操作するのは人間だったものが、これからはAIエージェントが動いていく。スマートカー、スマートロボット、スマートIoTなどありとあらゆるデバイスにインテリジェンスが組み込まれ、エッジ側とデータセンター側のインテリジェンスが圧倒的な力で連携するのです。
われわれにはチップがあります。世界中のエッジ側のインテリジェンスのチップの大半には、ソフトバンクグループ傘下のアームの技術が採用されています。これまでアームは設計図面のみを提供する立場でしたが、先週、アームが自らのチップ製品として「AGI CPU」を発表しました。ついに今年AGIが来るだろうということで、あえて「AGI CPU」というブランドネームでデータセンター用のCPUを出しました。AIといえばGPUにほとんどの価値があると思っているかもしれませんが、それは昨日までの話です。これからはCPUが、GPUと同等かそれ以上の役割を果たしていきます。AIエージェントのアクティブかつ膨大な作業の大半をCPUが行うことになる。データセンター側もエッジ側も、アームの役割は今後ますます大きくなっていきます。また、データセンターにはエネルギーが必要です。二週間ほど前には、米オハイオ州で世界最大級となる10GW規模のデータセンターと発電所の鍬入れ式をしました。さらに、世界をリードするOpenAIの主要な株主になっています。そして、世界的な技術を持った十数社のロボットカンパニーが傘下にあります。
次の30年、われわれはAI革命の中心となることを目指します。願わくは、一番になりたいということです。皆さんこそがこの志を引き継いで、AI革命の同志として、思いを共有して実現させてほしいと思います。頑張りましょう。
(掲載日:2026年4月1日)