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事業等のリスク

ソフトバンクグループ(株)および子会社・関連会社(以下「グループ会社」。ソフトバンクグループ(株)と併せて「当社グループ」)は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ(株)がグループ会社を統括し投資ポートフォリオとして管理する一方、グループ会社が、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。これらの企業活動の遂行にはさまざまなリスクを伴います。2019年6月19日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、当社グループで発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、2019年6月19日現在において判断したものです。

(1)当社グループのビジネスモデルについて

当社グループは、独自の組織戦略「群戦略」(「経営方針」における「中長期的な会社の経営戦略」を参照)のもと、子会社や関連会社(例えば、ソフトバンク(株)やアーム)への投資に加え、投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド)への参画による投資を通じて、情報・テクノロジー分野において多様な事業を展開する企業グループを構築し、中長期的な企業価値の最大化を図っていきます。この過程において、各投資先(グループ会社を含みます。)は自律的な成長を目指す一方、ソフトバンクグループ(株)は、戦略的投資持株会社として当社グループのネットワークを活用しながら、投資先同士による協業の促進を含めた支援を行い、投資先各社の企業価値の向上を後押ししていきます。しかしながら、投資先の事業展開や業績が、当社グループの投資時点における想定と異なった場合、当社グループの期待通りに投資のリターンが実現できず、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、ソフトバンクグループ(株)は、純粋持株会社として、企業グループの構築に必要な投資活動のために資金調達を行っており、グループ会社からの配当収入やリミテッド・パートナーとして参画する投資ファンドからの分配金を主な収益として、投資資産の資金化や負債による資金調達と合わせ、投資ファンドへの支払義務の履行などの、投資活動から生じる資金需要に対応しています。これらの配当や分配金による収入が減少した場合には、ソフトバンクグループ(株)の資金調達における信用力および業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金需要に対して適時に十分な金額の調達がソフトバンクグループ(株)にとって好ましい条件で行えない場合には、投資活動が制限されるなど、当社グループの持続的な成長に支障が生じる可能性があります。

(2)世界的な政治・経済情勢や金融市場の動向について

当社グループは、日本のほか、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で投資や事業を行っているため、これらの国・地域における政治・経済情勢の変化や、貿易摩擦・紛争などの国際情勢の変化により、経済情勢や金融市場が悪化した場合には、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。例えば、当社グループの保有株式価値の下落や投資回収における条件の悪化、回収の遅滞などが起こる可能性があるほか、当社グループや投資先企業が提供するサービス・商品に対する需要の低下により各社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪化した場合などには、当社グループの希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。これらの結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループによる海外企業への外貨建投資においては、投資時からの為替変動により売却時に為替差損が発生する可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)経営陣について

当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ(株)代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。

(4)投資活動について

当社グループは、ソフトバンクグループ(株)を中心に、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社・持株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。これら投資活動については、以下のようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績や財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

a. 投資先の業績によるリスク

投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、当社グループがその投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できない場合には、投資に伴い発生したのれんや有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失や評価損が発生する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があります。

ソフトバンクグループ(株)の個別決算においては、これらの投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があるほか、投資先の業績が悪化した場合には、投資先から期待通りの配当を得ることができず、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

このほか、ソフトバンクグループ(株)は、当社グループの企業価値向上に必要と判断した場合、投資先に対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、当社グループが投資した時点で想定した通りに事業を展開できない場合、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行うことで当該投資先に係るリスク資産が増加する可能性があります。

b. 規制リスク

当社グループが行う投資活動(企業買収や合併を含みます。)は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる場合があります。これらの必要な承認等が得られない場合には、当社グループの期待通りに投資ができない可能性があります

c. 企業買収や事業統合に関するリスク

当社グループが企業買収や事業統合を目的に行った投資において、その投資後に当社グループが取得した企業や事業を統合した企業において重要な経営陣・従業員・取引先・顧客の喪失が起こるなど、当社グループの投資時点において想定した通りに事業計画が進捗しない場合には、これらの企業の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、買収や統合後のシナジーが十分に創出されない可能性があります。その結果、これらの投資から期待通りにリターンを得られない可能性があります。

d. 合弁事業や業務提携の提携先などに関するリスク

当社グループは、他社との合弁会社設立や業務提携などを通じて、国内外で事業展開を行うことがあります。こうした合弁の相手方や業務提携先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化した場合、合弁事業や業務提携などが期待通りの成果を生まない可能性や継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との合弁事業や業務提携などを実施したことにより、その他の企業との合弁事業や業務提携などが制約され、より大きな収益を上げる機会を逸する可能性があります。

e. 投資先のガバナンス・コンプライアンスに関するリスク

投資先が、当社グループの投資時に発見できない内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為をモニターし是正する取り組みを導入しているものの、早期に是正できない場合、投資先のみならず、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)技術・ビジネスモデルへの対応について

当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報・テクノロジー産業(例えば、通信産業や半導体産業)において、事業や投資を行っています。当社グループが時流や市場の動向に沿った優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、それらを基に当社グループが提供する商品やサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)他社との競合について

当社グループの競合他社は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の開発や販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが、競合他社に先駆けて、または競合他社と比べて高い優位性を有する、サービス・商品を導入した場合であっても、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入することにより、当社グループの優位性が低下する可能性があるほか、研究開発に要した費用を回収できず、また、関連する事業資産(無形資産を含みます。)を減損する可能性があります。この結果、当社グループの事業活動や業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)資金調達について

当社グループにおいて、ソフトバンクグループ(株)は、金融機関からの借入れや保有株式を活用した借入れ(アセット・バック・ファイナンス)、社債の発行などにより、投資活動など事業展開に必要な資金を調達しています。一方、上場子会社および関連会社であるソフトバンク(株)、スプリント、ヤフー(株)、アリババのほか、アーム、ブライトスター、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど独立採算で運営される事業体は、それぞれが独自に資金調達を行っています。各国の金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業績悪化によりソフトバンクグループ(株)や各子会社・関連会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合には、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予定した時期・規模・条件等で行えない場合には、当社グループの投資活動や事業活動、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、調達した資金の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部資産の売却などを行うことがあります。資金調達環境の悪化などにより、返済原資の捻出のために不利な条件での資産売却や予定外の資産売却を余儀なくされる場合には、当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの金融機関からの借入れや社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて

ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)は、英国の金融行為規制機構(the Financial Conduct Authority)の規制を受けた、ソフトバンクグループ(株)の英国100%子会社であるSB Investment Advisers (UK) Limited(以下「SBIA」)が運営する投資ファンドであり、革新的なビジネスモデルやサービスを展開する未上場企業を中心に、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行っています。SVFに対し、ソフトバンクグループ(株)はリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、SBIAはSVFの投資の状況に応じて、SVFから管理報酬および成功報酬を受け取ります。

2019年3月31日現在、SVFの出資コミットメント総額は970億米ドル(うち当社グループ331億米ドル)※1であり、これに対するリミテッド・パートナーによる累計支払義務履行額は509億米ドル(うちソフトバンクグループ(株)175億米ドル)、コミットメント残額は461億米ドル(うち当社グループ156億米ドル)です。

SVFおよびSBIAには、以下に記載する特有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、SVFおよびSBIAの業績、ひいては、当社グループの業績、財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ(株)の業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。

a. 業績への影響

SVFを構成する事業体はすべて当社グループの連結対象です。SVFからの投資は、毎四半期末に公正価値で測定されます。公正価値の変動は、投資損益(ただし、子会社株式に対する投資損益を除きます。)として、連結損益計算書上の「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益」に含めて計上されます。公正価値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、SVFの業績が悪化し、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンクグループ(株)の個別決算では、SVFの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。

SVFの投資先のうち、IFRSに基づいて当社グループが支配をしていると見なされる投資先は、当社グループの子会社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債は当社グループの連結財務諸表に反映されることから、当該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、SVFで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。

b. 当社グループからの売却により取得する投資

SVFの投資の中には、SVFが直接取得するもののほか、その投資対象に合致する場合に限り、ソフトバンクグループ(株)が直接または間接に保有する投資の売却により取得するものがあります。SVFへの売却価格は、ソフトバンクグループ(株)が移管提案を機関決定した時点の公正価値に基づき決定されます。移管には関係規制当局の承認やSVFのリミテッド・パートナーからの合意が必要となる場合があるため、ソフトバンクグループ(株)による移管提案の機関決定から売却まで時間を要する、もしくは売却が行われない可能性があります。このような場合、ソフトバンクグループ(株)は計画通りにSVFから売却収入が得られず、追加の資金調達が必要になるなど財務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. 投資成果

SVFの投資成果は、ソフトバンクグループ(株)と外部投資家で構成されるリミテッド・パートナーに配分されるほか、SBIAに成功報酬として配分されます。SVFの投資採算が悪化し計画通りの投資成果が得られない場合には、ソフトバンクグループ(株)はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回収できない可能性があるほか、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。

また、SBIAは、投資の売却や配当および株式の資金化後に成功報酬相当額を受け取ります。ただし、SVFの投資期間(原則2022年11月20日まで)の間に資金化された投資に対する成功報酬相当額は、リミテッド・パートナーシップ・アグリーメントの定めにより、SBIAへの支払が留保され、一時的にリミテッド・パートナーに支払われます。一時的にリミテッド・パートナーに支払われた成功報酬相当額は、投資期間後の成果分配におけるリミテッド・パートナーへの分配額から控除され、SBIAに支払われます。また、投資期間後においても、受け取った成功報酬には、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)が設定されているため、SVFの投資成果が一定以上でない場合、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があるほか、SVFの清算時において、それまでに受け取った成功報酬相当額が減額される、または成功報酬を受け取ることができない可能性があります。

d. 人材の確保・維持

SBIAは、SVFをはじめとして、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。SBIAは、投資・運用体制の拡充を進めていますが、このような有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営するファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。

e. リミテッド・パートナー

SBIAは、SVFの投資の実行にあたり、参画するリミテッド・パートナーに対して、資金拠出の要請(キャピタル・コール)を行いますが、何らかの事情によりリミテッド・パートナーから資金が拠出されない場合は、SVFによる投資金額が制限されるなど、SBIAの計画通りに投資を行えない可能性があります。また、出資コミットメント額の大きなリミテッド・パートナーは、一定額以上の投資案件について拒否権を保有しているため、当該拒否権が行使された場合は、SBIAの計画通りに投資を行うことができない可能性があります。

f. 新たな技術やビジネスモデルへの規制

SVFの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供される事業領域(例えば、自動運転やライドシェアサービス)は、多くの国・地域において厳格な規制の対象とされる場合があります。関連する法令等の整備により、規制が設定または強化された場合は、採用する技術やビジネスモデルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

g. 特定の分野への投資の集中

SVFは、特定の事業領域における複数の企業に対して投資を行い、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。例えば、Uber Technologies,Inc.や、Xiaoju Kuaizhi Inc.、GRAB HOLDINGS INC.など、ライドシェアサービスを提供する企業に投資を行っています。こうした事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、SVFの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9)通信事業について

当社グループにおいて主にソフトバンク(株)およびスプリントが営む通信事業には、以下に挙げる特有のリスクがあります。

a. 通信ネットワークの増強

当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていく方針ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強を計画通り行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 他社経営資源への依存

(a)他社設備などの利用

当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)各種機器の調達

当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)業務の委託

当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. 電波の健康への影響に関する規制

携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波により健康に悪影響を示すという明確な証拠はないという見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。

当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)自然エネルギー事業について

当社グループは、日本やインド、モンゴルなどで、太陽光発電や風力発電による自然エネルギー事業を行っています。同事業は、原則として、当社グループからの出資と金融機関等の第三者の融資によるプロジェクト・ファイナンスの形態により運営を行っていますが、気象条件や発電・送電設備の不具合などにより発電量や売電量が想定を大幅に下回った場合には、当社グループは期待通りのリターンを得られない可能性があります。

(11)法令・規制・制度などについて

当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度などから、投資、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、人工知能(AI)、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。

これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない、新たな事業や投資が制限される、投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの投資活動や事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループおよび当社グループの投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このほか、当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みます。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)カントリーリスクについて

当社グループが投資や事業を行う上での知見および経験を十分に有していない国や地域へ進出した場合には、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できなくなる可能性があります。

このほか、各国・地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。

(13)知的財産権について

当社グループが保有する「ソフトバンク」ブランドやアームが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、当社グループの競争力や信頼性、企業イメージが低下する可能性があります。

一方、当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。アームにおいては、これらの請求が、同社の技術の使用権取得者(本(13)において「ライセンシー」)に対してなされる可能性があり、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性もあります。

また、当社グループは、ソフトバンク(株)およびヤフー(株)の事業において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。

(14)情報の流出などについて

当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について

当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16)自然災害など予測困難な事情について

当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、アームにおいては、アームの技術が数十億の個人および法人向け製品に利用されており、それらは莫大な量の個人情報や機密情報の保存・管理・伝送に利用されています。アームの技術がさらに複雑化することで、障害または不具合が発生する確率が高まる可能性があります。アームのある一製品に関連する障害または不具合が発生した場合、アームの企業としての信頼性や企業イメージが低下し、アームのブランド価値の喪失を招く可能性があります。

日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。

(17)米国の国家安全保障を確保するための方策について

ソフトバンクグループ(株)は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(17)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ(株)と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(18)訴訟について

当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(19)スプリントのTモバイルとの合併について※2

2018年4月29日、スプリントとT-Mobile US, Inc.(以下「Tモバイル」)が、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)に関して最終的な合意(以下「事業統合合意」)に至りました。
本取引に関して、2019年7月26日(米国東部時間)、米国司法省(DOJ)が、同省が提出した、スプリントのプリペイド式ワイヤレス事業および800MHzの無線周波数帯の売却を含む同意判決案の内容に服することを条件として、承認する旨の表明をしたことに続き、2019年11月5日(米国東部時間)に、米国連邦通信委員会(FCC)が本取引の条件付き承認を表明しました。これにより、本取引の完了に必要なすべての連邦規制当局の承認を取得しました。また本取引では、承認が必要な19州の公益事業委員会(PUC)のうち18州から既に承認を得ており、カリフォルニア州のPUCからの承認のみを残しています。
なお、本取引に関して、特定の州とコロンビア特別地区の司法長官による本取引の完了を禁止する差し止め訴訟(以下「AG訴訟」)が行われましたが、2020年2月11日(米国東部時間)、ニューヨーク州南部地区の米国連邦地方裁判所が、当該司法長官の申し立てを棄却したことを表明しました。本取引は、引き続きクロージングに係る前提条件(AG訴訟の解決および本取引の当事者間で残存するビジネス上の課題の解決を含みます。)の充足を必要とします。
なお、2019年7月26日(米国東部時間)の事業統合合意の変更契約に基づき、2019年11月1日からはスプリントおよびTモバイルのいずれかの通知により事業統合合意の解除が可能となっていますが、2020年2月12日現在までに当該通知はなく、事業統合合意は現在も有効です。当事者間において事業統合合意のさらなる変更契約の締結について協議が継続されるものと想定しますが、かかる変更契約における具体的な修正内容について、同日時点において合意した事項はありません。
本取引はカリフォルニア州のPUCの承認が残されていることや上記のクロージングに係る前提条件の充足を必要とすることから、本取引を完了できない、または、本取引を当社グループの想定する条件およびスケジュールで完了できない可能性があります。その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

[注]

  1. 当社グループの出資コミットメントは、SVFに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。

  2. 2020年2月13日更新

  • 原則として、株式会社や有限会社、社団法人などを省略して社名・団体名を表記しています。文脈上別異に解される場合または別段の記載がある場合を除き、以下の社名または略称は以下の意味を有します

社名または略称意味
ソフトバンクグループ(株)ソフトバンクグループ(株)(単体)
当社ソフトバンクグループ(株)および子会社
  •  

    以下の略称の意味は、それぞれの会社の傘下に子会社がある場合、それらを含みます。

社名または略称意味
スプリントSprint Corporation
アームArm Limited

ソフトバンク・ビジョン・ファンド、ビジョン・ファンドまたはSVF

SoftBank Vision Fund L.P.と代替の投資ビークル
デルタ・ファンドSB Delta Fund (Jersey) L.P.
SBIASB Investment Advisers (UK) Limited
ブライトスターBrightstar Global Group Inc.
TモバイルT-Mobile US, Inc.
アリババAlibaba Group Holding Limited