企業買収に関する件
当社は、Ziff-Davis Publishing 社(以下ZD社という)の買収交渉中であることを発表いたします。
当社の公募増資の発表は、その調達金額の大きさと今後のさらなる外部資金調達の可能性、また資金使途を買収としたため、その後新聞紙上に多くの憶測記事が掲載されることとなり、当社の買収戦略上、様々な不利益を被ることとなりました。
当社としては、現在の金利、為替環境ならびに当社の業績の現況および見通しに鑑み、世界のデジタル情報産業のインフラプロバイダーのリーディングカンパニーとなるべく、積極的に米国において買収戦略を展開することとし、具体的に我々の主事業分野での買収候補先を模索し、数社と交渉を進めておりました。また、買収相手先から資金の調達の即効性と確実性を要求されるために、並行的に資金調達に動き始めた訳であります。それゆえ今回、600億円程度を公募増資で調達し、具体的に案件が決まった段階で買収価格に応じたさらなる社債を中心とした資金調達を考えておりました。
ところが、今回の憶測記事が内外に広く流布され、これ以上数社との交渉を続行できなくなり、当社としては1社に買収相手を絞り、交渉を行うに至りました。幸い、当社の選択した世界最大のコンピュータ関連出版社であるZD社の買収につき、株式の94%を所有しているForstmann Little社とマイナーないくつかの点を除き、ほぼ合意が成立し、買収できる可能性が極めて高くなりましたので、売り手の許可を得、ここに被買収企業名を明らかにいたしました。
最終金額などについては、現在交渉中のいくつかの点が合意を得、正式契約調印次第ご報告いたします。
被買収企業の概要
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(1)会社名 | Ziff-Davis Holdings Corp. |
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(2)所在地 | 米国ニューヨーク州ニューヨーク |
(3)事業内容 | コンピュータ関連出版 |
(4)代表的な出版物 |
また、ZD社はほかにも英国でComputer Life、PC Direct、PC Magazine、ドイツでPC Direct、PC Professionell、フランスでPC Direct、PC Expert、メキシコでPC Computing en Epol(Editorial Televisaと共同出版)および PC Magazine、中国でPC Magazine、PC Computing(Richina Holdings との共同出版)を出版。 加えて、100ヶ国以上で発行されている55種類もの出版物とライセンスまたは共同編集の契約を締結。 ZD社はComputer Intelligence InfoCorp、Ziff Davis Interactive、The Cobb Group そして、Logical Operationsを傘下に持つ。 |
ソフトバンクならびにグループ各社が期待しうる買収のシナジー効果
- 1.世界規模での情報の発信およびその共有化
- 世界最大のコンピュータ関連出版社を傘下に置くことで、米国で卓越した情報の発信基地を持つだけではなく、同社の米国以外の海外拠点ならびに当社の内外の拠点で情報の共有化が図れる
- 特にZD社は中国にも出版の拠点を持っており、今後の当社の中国戦略にも大きな力となることが予測される
- 2.グローバルベースでのマーケティング戦略の展開
- 例えば、日本のソフトメーカーの広告掲載などについて、グローバルベースでの提案が出来る
- 3.パソコン分野での世界最大のコンテンツプロバイダー
- ZD社は、幅広いジャンルのパソコンのハードおよびソフトの情報を集めており、世界最大のコンテンツプロバイダーとして確固たる地位を築いている
- ペーパーメディアから電子メディアへの流れが進行したとしても、最大のコンテンツプロバイダーとしての強みを発揮できる
- 4.ラボの共有化と商品評価に関するノウハウの取得
- 同社は、超一級のラボを保有しており、またそのラボを駆使した商品評価には定評がある
- 5.米国におけるデジタル情報産業のメジャーインフラプロバイダーとしての地位の確立
- これまでに買収した米国COMDEX社およびEXPO社により、展示会分野では同国において大きなシェアを獲得している
- これに加えて、ZD社の買収により出版分野でもNo.1の地位が確立され、メジャーなプロバイダーとして米国コンピュータ業界で位置付けられよう
- ZD社の雑誌は、展示会事業の推進にも大いに役立つものであり、シナジー効果をあげることが出来る
以上
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