インテルサットとワンウェブが条件付き合併に合意
ソフトバンクグループからの17億米ドルの出資によりインテルサットの負債削減
合併により両社の成長戦略を加速
インテルサットの社債権者による合意やその他条件を前提に合併
OneWeb
ソフトバンクグループ株式会社
Intelsat(以下「インテルサット」)とOneWeb(以下「ワンウェブ」)は、本日、株式交換による両社の合併(以下「本合併」)について正式に合意しましたのでお知らせします。また、インテルサットとソフトバンクグループ株式会社(以下「ソフトバンクグループ」)は、本日、ソフトバンクグループが17億米ドル(約1,913億円) ※ を出資し、合併新会社の普通株式と優先株式を保有することで合意しました。本合併ならびにソフトバンクグループの出資については、インテルサットの現社債権者に対する社債交換に関する提案(以下「本社債交換の提案」)の完了や、関係規制当局からの承認、またはその他諸条件を前提に実施される予定です。
ソフトバンクグループからの出資ならびにインテルサットとワンウェブの相互補完関係から生まれる強みをもとに、合併新会社は、強固な財務体質を作り、今後爆発的に増大するブロードバンド接続需要などの新しい成長機会へ積極的に対応していく予定です。
ソフトバンクグループからの出資とともに、インテルサットから本日発表された本社債交換の提案は、現社債権者から最低限必要な合意を得ることを前提に、インテルサットの負債の約36億米ドルの削減を目的としたものです。本合併合意を起点とする日から90日以内に、本社債交換の提案に対してインテルサットの現社債権者からの合意を得られなかった場合、インテルサットとワンウェブの両社は本合併合意を破棄することが可能で、ソフトバンクグループも出資を取りやめることができます。
なお、ソフトバンクグループは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの外部投資家の参加手続きが完了し、関係規制当局からの承認が得られた後に、ソフトバンク・ビジョン・ファンド関連契約に従って、本合併および出資に係るソフトバンクグループの地位をソフトバンク・ビジョン・ファンドに移転するために、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに対して案件の紹介を行います。
インテルサットのChief Executive Officerのスティーヴン・スペングラーは、以下のように述べています。
「合併新会社は、従来よりも低廉な価格でブロードバンド接続をグローバルに提供できる唯一の存在として、業界をリードしていくことになります。われわれはワンウェブの創業当時からの株主であり、ワンウェブが提唱するネットワークは、次世代衛星群EpicNGにとって補完性のあるもので、われわれの長期的戦略に合致するものと認識していました。ワンウェブのLEO(低軌道)衛星コンステレーションや革新的なテクノロジーと、インテルサットのグローバル規模でのGEO(静止軌道)衛星ネットワークと地上設備を組み合わせれば、ユビキタス・ブロードバンドへの需要に対応する最先端のソリューションを提供できることになります。ソフトバンクグループの出資を含めた本取引は、インテルサットの資本構造が著しく強化されるだけでなく、事業運営の負担やその他のリスクを軽減させながら、コネクテッドカーなどの新しいアプリーションや、既存のお客さまである企業、携帯通信事業者のインフラ、モビリティ、メディア、政府などへ向けた新たなアプリケーション提供と新たな地域における市場開拓への可能性を与えてくれるものになるでしょう」
ワンウェブ創業者でもありExecutive Chairmanのグレッグ・ワイラーは次のように述べています。
「これまでワンウェブは素晴らしい技術的進歩を成し遂げており、それがソフトバンクグループから大きな投資をしていただいている理由でもあります。ソフトバンクグループからの支援のもと、われわれは、世界でも初めてとなる真のグローバルブロードバンドカンパニーを創り上げ、また今日40億人ものインターネット接続環境がない方々へ向けてより速やかに、従来よりも低廉な価格のインターネット接続を提供するというミッションの達成に向けて全力を尽くしています。ワンウェブが成長していくための選択肢は数多くありますが、われわれはインテルサットと共に、デジタルデバイドの解消につながるような取り組みを目指していけることをとても嬉しく思います」
ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長の孫 正義は次のように述べています。
「われわれは、技術革命の真っただ中におり、インテルサットの社債権者の皆さまからの必要なご協力をいただけるならば、世界中でつながる次世代のグローバルインターネットサービスの礎を築きあげるワンウェブをサポートすることができるこの機会を歓迎したいと思います。両社の合併は、未来へのインフラを構築する革新的かつ本質的技術へ投資していくというわれわれの戦略に合致するものであり、今回の提案は、インテルサットの財務体質の改善とワンウェブのミッションの促進を両方達成できるウィン・ウィンの事業機会でもあります」
本取引が完了した場合、インテルサットとワンウェブの合併により、次のような戦略的、財務的なメリットを見込んでいます。
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インテルサットの資本構成の改善と財務柔軟性の強化
インテルサット社債権者から最低限必要な合意を得ることを前提に、インテルサットは本取引により、収益改善、支払利息減少、運営・設備投資コストにおけるシナジーを通じて、急速に財務体質を改善するための、より明確な道筋を立てることができます。また本取引により、インテルサットの調整後EBITDAに対する負債水準が、現在の8.8倍からプロフォーマベースで6.6倍のレベルまで下がることが見込まれています。
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両社の成長戦略の促進と広大かつ新しい市場への事業展開
本取引が完了した場合、インテルサットのGEO(静止軌道)衛星ネットワークがワンウェブのLEO(低軌道)衛星コンステレーションと組み合わさることで、真にグローバルでかつ従来よりも低廉な価格のネットワークソリューションを提供する、という合併新会社の成長戦略を加速することになります。インテルサットのKuバンド統合ネットワークを合併新会社のマネージドサービスと一体化させることにより、個人向けブロードバンド、コネクテッドカー、携帯電話網のバックホール、IoT、M2Mなどを含めた全く新しく幅広いマスマーケットでのアプリケーション開発を実現できる可能性を秘めています。
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新規と既存のお客さまに対する先進的なサービスの提供
両社が合併することで、現在提供中の法人ネットワーク、携帯事業者向けのバックホール、航空・海運業界向けのブロードバンドサービスを含めた現状のアプリケーションに対して先進的なソリューションの提供が可能となります。さらに、合併新会社は、既存の放送コンテンツのみならず、OTT(Over-The-Top)でデジタルメディアを視聴する方々へ向けて配信を検討されているメディア産業のお客さまへの先進的なサービスの提供も可能になります。政府機関のお客さまへも、初動対応や緊急通報ならびに高度なセキュリティが要求される軍用などの確実性が要求されるコミュニケーション手段として、または、民生活用によるデジタル化促進として先進的な固定通信やモバイルサービスとして、インテルサットのサービスを提供することができます。
2016年12月にソフトバンクグループは、ワンウェブが世界中の地域へ従来よりも低廉な価格で、高速かつ遅延が少ないインターネット接続を提供するための同社の技術開発と世界で唯一の大量衛星製造施設の構築を支援するために、ワンウェブへ10億米ドルを出資すると発表しています。インテルサットはワンウェブの創業当時からの株主であり、2015年には追加の少額出資を行っています。
本合併の合意においては、ソフトバンクグループは、総額17億米ドルの出資の対価として、合併新会社の普通株式を取得し、議決権ベースで約39.9%の株主となり、また追加で議決権なしの優先株式も取得します。ソフトバンクグループは、インテルサットの普通株式を1株あたり5米ドルで取得します。本合併では、ワンウェブの株主は、ワンウェブの株式と交換する形で、インテルサットの普通株式を受領することになります。取引全体としては、インテルサットはソフトバンクグループとワンウェブの株主に対して、合計約8億株式となる普通株式と優先株式(発行株式数全体の算出時に普通株式へ全て転換した前提から割り当てたもの)を発行する予定です。インテルサットの株主は、現在保有している普通株式を、引き続き保有し続けることになります。
合併新会社の本社は、引き続きルクセンブルグに登記することとし、ニューヨーク証券取引所の上場も維持します。また、合併新会社の関連子会社として、米国フロリダ州エクスプロレーション・パークにあるワンウェブの新規衛星製造拠点や、米国バージニア州マクレーンにあるインテルサットの関連拠点を含めた米国内の重要拠点は、そのまま維持していく予定です。
合併新会社の取締役会は7名の取締役で構成される予定です。そのうち3名は独立役員が指名され、3名はソフトバンクグループからの指名で、残り1名は現在のインテルサットの株主からの指名となります。インテルサットのCEOのスティーヴン・スペングラーは合併新会社のCEOに就任する予定で、ワンウェブの創業者でありExecutive Chairmanのグレッグ・ワイラーは合併新会社の取締役会のExecutive Chairmanに就任する予定です。
本合併合意については、すでにインテルサットとワンウェブの両取締役会において、承認されています。本取引の完了には、両社の株主からの承認、いくつかの関係規制当局からの承認、その他通常手続きの完了などがその条件となっています。また合併に必要な両社の株主からはすでに合併の実施や関連取引について支持する旨の意向が示されています。合併ならびにソフトバンクグループによる出資の完了は、相互に実施されることが条件付けられており、かつ、その他諸条件を含めた本社債交換の提案が、合併と出資に関する各種書面手続きの完了後から90日以内に社債交換が完了していることやその他の取引完了要件も上記の条件となります。
2017年9月30日に終了する3カ月の後半を目処に完了する見込みです。
Guggenheim Securities, LLCとGoldman, Sachs & Co.は、インテルサットの財務アドバイザーとして、Wachtell, Lipton, Rosen & KatzとElvinger Hoss and Prussenは、インテルサットの法律顧問としてアドバイスを行いました。PJT Partnersはワンウェブの主要な財務アドバイザーで、ソフトバンクへもアドバイスを行いました。Barclaysはワンウェブの財務アドバイザーでフェアネスオピニオンを提供しました。Morrison & Foerster LLP、Arendt and Medernech、Mourant Ozannesは、ワンウェブとソフトバンクグループの法律顧問としてアドバイスを行い、Choate Hall & Stewart LLPとMilbank, Tweed, Hadley & McCloyはワンウェブの法律顧問としてアドバイスを行いました。
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1米ドル=112.56円(2017年2月28日時点)で換算
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インテルサットについて
インテルサットは、世界で初めて“Globalized Network”を運用し、高品質でコスト効果の高いビデオ/ブロードバンドサービスを世界中で提供しています。インテルサットの“Globalized Network”は、お客さまが次世代のネットワークサービスを通じて収益の向上とサービスの拡大を実現できるように、世界最大の衛星バックホールを地上設備やマネージドサービス、そしてオープンで相互運用可能なアーキテクチャーと組み合わせています。世界中で何十億もの人々にサービスを提供する何千もの組織が、ユビキタス・ブロードバンド、マルチフォーマットビデオ放送、セキュアな衛星通信、シームレスモビリティーのサービスをインテルサットを通じて提供しています。その結果、不可能を可能にし、境界なくつながることができ、われわれの生活のあり方を変えるような新しい世界が広がります。詳細については、 www.intelsat.com をご覧ください。
ワンウェブについて
ワンウェブのミッションは、従来よりも低廉なインターネットアクセスを全ての人々に提供し、また未だインターネットがつながっていない世界中の全ての学校へ提供し、2027年までにデジタルデバイド問題を全面的に解決していくというものです。ワンウェブは、世界中の何十億もの人々にインターネットアクセスを提供できる低軌道衛星コンステレーションによるコミュニケーションネットワークを構築しています。最大毎秒10テラビット以上もの大容量のキャパシティをもつこのネットワークは、携帯電話事業者やインターネット接続サービス事業者が、新たにサービス提供範囲を拡充するために活用できるもので、低価格の音声やデータ通信サービスを個人、法人、学校、医療機関やその他の利用者へ提供することが可能となります。
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