クロージング条件の不充足によるWeWork株式公開買付けの取りやめについて

公開買付け取りやめはWeWorkの運営や顧客には影響無し

ソフトバンクグループ株式会社

当社は本日、2019年10月にThe We Company(以下「WeWork」)と締結したMaster Transaction Agreement(以下「MTA」)において定められた条項に基づき、当社以外の株主を対象とするWeWork株式に対する最大30億米ドルの公開買付け(以下「本公開買付け」)について、必要な条件の一部が充足されなかったことから取りやめましたので、お知らせいたします。

本公開買付けの取りやめによる、WeWorkの運営や顧客、事業及び戦略の5カ年計画並びにWeWorkの現在の従業員の大多数への影響はありません。過去6カ月にわたって、WeWorkは極めて大きな事業進捗を成し遂げており、引き続き、コア事業である「Space-as-a-service」の提供、メンバーシップサービスの拡充、顧客基盤の拡大、そしてエンド・ツー・エンド・ビジネス・ソリューション・プラットフォームへの転換という戦略を実行しています。

当社(子会社を含みます)及びソフトバンク・ビジョン・ファンドは、これまでにWeWorkに対して142.5億米ドル以上(2019年10月以降の54.5億米ドルを含む)をコミットしています。
直近の資金コミットメントは以下を含みます。

  • 2019年10月、15億ドル分の出資を早期実行

  • 2019年12月、WeWorkが今後予定する最大 22 億米ドルの無担保債券発行によるデット・ファイナンスの買い受けに合意

  • 2020年2月、ゴールドマン・サックスをはじめとする金融機関による WeWork への 17.5億米ドルの支払保証枠(レターオブクレジットファシリティー)に対するクレジットサポートを実施

なお、当社による資金援助も手伝って、2019年末現在、WeWorkの現金及び現金コミットメント(プロフォーマ値)は44億米ドルに達しています。

2019年10月に行われた本公開買付けに関する交渉において、当社、WeWork、WeWorkのスペシャルコミッティー、アダム・ニューマン、及びソフトバンク・ビジョン・ファンドは、個別に交渉された特定の条件が充足されない場合、当社は公開買付けを完了させる必要がない旨を合意しました。2020年4月1日の期限までに、当該条件のうち複数が充足されませんでした。

当社常務執行役員CLOのロバート・タウンゼンドは次のように述べています。

「当社は引き続きWeWorkの成功に全面的にコミットしており、昨年10月以降、新規の資金コミットメント、同社の新規戦略計画の策定やワールドクラスのマネジメントチーム採用など、同社の強化に向けて重要な措置を講じてきました。本公開買付けは当社以外の主要株主からWeWork株式を直接取得するものであり、取りやめによるWeWorkの運営や顧客への影響はありません。本公開買付けの完了には、当社の保護を目的に昨年10月に当事者間で合意した特定の条件の充足が必要でしたが、このうち複数の条件が満たされなかったため、当社は本公開買付けを取りやめざるを得ませんでした。当社の株主に対する我々のフィデューシャリー・デューティーの観点からも、必要な条件が充足されていないという事実を無視して本公開買付けを完了することは、無責任であると言えるでしょう。」

当社、WeWork、WeWorkのスペシャルコミッティー、アダム・ニューマン、及びソフトバンク・ビジョン・ファンドにより合意されたクロージング条件のうち、充足されていないものは以下を含みます。

  • 2020年4月1日までに競争法に関する必要な承認を取得すること

  • 2020年4月1日までに中国の合弁会社株式をWeWork株式に交換する取引が合意され、完了していること

  • 2020年4月1日までに中国及び日本を除くアジアの合弁会社株式をWeWork株式に交換する取引が完了していること

  • 2019年10月のMTA締結以降に、複数の重要な刑事捜査及び民事調査が新規に開始され、WeWorkの財務活動、投資家とのコミュニケーション、アダム・ニューマンとの商取引、事業及び財政状態などに関する当局による情報請求が進行していること

  • 新型コロナウィルス感染症に関連して、WeWorkとその事業への制約を課すこととなる、世界各国の政府による複数の新たな政策が存在していること

アダム・ニューマン及びその家族並びにBenchmark Capitalをはじめとする複数の大手機関投資家は、本公開買付けの最大受益者であり、アダム・ニューマンとBenchmark Capitalにより応募された株式数の合計は、本公開買付けに応募された株式の半分以上を占めます。一方、WeWorkの現在の従業員により応募された株式数は、本公開買付けに応募された株式全体の10%未満です。

なお、当社は従前より、WeWorkと協力し、4,000人以上の同社従業員がそのストックオプションに係る権利行使価格をより低いものに再設定できるようにして本公開買付けの初期段階を完了させました。これにより、再設定を行わなければ、当該オプションの価値は著しく低いまたは零になっていた可能性があったのに対し、同従業員には権利行使価格の引き下げという形で1.4億米ドル以上の価値がもたらされています。

当社連結業績への影響

本公開買付けを完了した場合、2020年3月期の当社連結損益計算書において、株式の取得価額と公正価値の差額を営業外損失として計上する見込みでしたが、本公開買付けの取りやめに伴い、当該損失は計上されないこととなりました。

以 上

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