360Learning
Nick Hernandez
CEO兼共同設立者
360Learningは、企業における学習の基盤となる学習管理システムです。このプラットフォームは、コンテンツを提供するのではなく、コースの自動化と配信から、受講の促進とトラッキングまで、学習開発チームがトレーニングを統括することを支援します。CEO兼共同創設者のNick Hernandez 氏が、360Learningが協調学習を推進する理由と、サービスを改善するために生成AIをどのように活用しているかについて語ります。
競争が激しいEdTechの分野において、360Learningはどのような点で優れていますか?
他の多くのプラットフォームはトップダウン型です。しかし私たちは、仲間とともに協調的に学ぶ方が人々の学習意欲は一層高まると信じています。たとえば新しい言語を学ぶ場合、教室での練習だけでは十分に身につきません。一方、実際にその国に行き、その言語を話す人々と交流し、言語を使用することで、より深く学び、覚えることができます。ここでの洞察は、他者から学び、他者とともに学ぶことで最も学習効果が高まるということです。だからこそ、私たちは協調学習を促進するプラットフォームを構築しました。
その洞察が正しいと言える根拠は何ですか?
通常、学習プラットフォームの修了率は20〜30%と低い傾向にあり、講座を受講し始めた人のうち、3人に1人しか修了していません。したがって、私たちの製品チームにとって最も重要な指標は修了率で、360Learningの学習プラットフォームでは常に91%以上の修了率を達成しています。
「協調学習」とはどういうものですか?
まず、従業員がパフォーマンスを向上させるために何を学ぶ必要があるかを特定します。そして、業務への影響度に応じて分類、優先順位づけされた学習ニーズのリストが作成されます。次に、学習チームが各講座の専門家をアサインし、プラットフォーム上で講座を作成します。360Learningと他社のプラットフォームの大きな違いは、専門家が簡単に講座を作成できることです。作成された講座は、リクエストした従業員に配信されます。受講した従業員は質問し、学習講座の改善に貢献することもできます。
大きな課題の一つは、コンテンツを最新の状態に保つことです。360Learningは、受講者が古い情報を見つけた場合に報告できる機能を搭載しています。受講者自身が修正することや、学習チームや担当の専門家に通知することもできます。
私たちは、集合知から最大限の価値を引き出し、グループやコミュニティを通じた学習体験を促進するための一連の機能とワークフローを10年以上かけて設計しました。
専門家が講座を作成しやすくするためにどのようなことをしていますか。AIには何か役割がありますか?
はい、生成AIは講座の作成に革命をもたらしました。既存のPDFやドキュメント、メールの内容をモデルに入力することで、講座の初版を作成することができます。またこのモデルは、魅力的なコース内容や選択問題、課題、協調的なアクティビティを生み出すことに適しています。しかし、作成者がコンテンツを洗練させる必要がなくなるわけではありません。むしろ、コースを作成し、完成させることを支援するためのものです。作成者は、プロンプト管理機能を使用して、文化や市場のニュアンスを考慮し、コンテンツをカスタマイズできます。このモデルを活用した学習、管理、実験は好評を博しています。360Learningでは、毎月約3万の講座が作成されており、そのうちの30%は、半年ほど前に我々が導入した生成AI機能を使用して作成されたものです。将来的にこの割合は100%まで上昇すると予想しています。
多くの企業がスキルギャップの特定と解消に苦慮しています。これはあなたが注力している分野ですか?そして、AIはどのように役立つことができますか?
はい、企業は長年にわたってスキルマッピングについて悩まされてきました。問題は、経済が変化するにつれて、スキルマップも変化し続けるということです。準備が整ったと思ったらもう時代遅れになっているのです。そのため私たちは、スキルマッピングに関連する投資を行ってきませんでしたが、今は違います。最近買収したeLamp社の優れたマッピング機能と生成AIを組み合わせることでこの問題を解決し、学習開発チームが受講者のスキル情報を最新で正確なものに保つことを支援しています。
生成AIはゲームチェンジャーとなります。たとえば、業界の業務内容を継続的に分析し、新たなスキルやトレンドを特定します。このダイナミックなアプローチにより、HRチームはリアルタイムにスキルマップを更新し続けることができます。これは、従業員の多い大企業が変化する職務要件に対応するために不可欠なことです。このように私たちは、企業が経済の変化に対応し、競争力を維持できるよう積極的に支援しています。
トレーニングにおいて、スキルマッピングはギャップを特定するための協調学習プラットフォームに反映されますか?
はい、反映されます。企業が従業員のスキルをマッピングした後、従業員のスキルを業務に必要なスキルと照らし合わせて評価することで、スキルギャップを特定できます。そして、当社の学習プラットフォームと統合すれば、スキルギャップを埋めるための講座のレコメンドと配信を開始できます。これがスキルアップの活用事例です。リスキリングの場合もほぼ同様に、従業員のスキルを現在の業務に必要なスキルと比較するのではなく、次の業務に必要なスキルと比較します。
教育や学習にAIを活用することで、社会では何が実現できるでしょうか?
教育領域において、AIは、私たちが自らの未来を積極的に形作るきっかけとなります。テクノロジーの進化に伴い、私たちは何でも実現できる可能性を知るようになります。大切なのは、何を実現したいかということです。私たちの運命を決めるのは私たち自身なのです。だからこそ、目標やビジョン、どのような世界を目指すのかを考えることが重要です。そして、私たちの教育システムは、このような考え方を支援するものでなければなりません。
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