理念・ビジョン・戦略

合同入社セレモニーあいさつ(骨子)

本日開催した2025年度ソフトバンクグループの合同入社セレモニーで、グループ代表の孫 正義が、国内グループ企業の新入社員約920人に向けてあいさつしました。

皆さん、おはようございます。
ソフトバンクグループは創業から40数年が経ち、通信事業をはじめヤフー、LINE、ZOZOなどさまざまな事業を国内でも展開しています。そして、今はまさに革命期にあり、世界でも重要な役割を担っていきます。

IT業界では、CPUの演算能力が18カ月ごとに倍になるという「ムーアの法則」が40数年間続いてきました。Stargate プロジェクトを先日発表しましたが、あえてここで「Stargateの法則」として申し上げたい数字があります。Stargate プロジェクトでは18カ月ごとに、約10倍のチップを投入していきます。また、チップあたりの演算能力も10倍に、さらにそれを活用するOpenAIモデルの能力も10倍になります。つまり、10倍×10倍×10倍で1,000倍になるということです。2回目のサイクルになると1,000倍×1,000倍で100万倍、3回目のサイクルになるとその1,000倍なので、4年半で10億倍になります。従来のCPUの進化が4年半で8倍と考えると、10億倍は全く異なるスピードです。例えば、自転車と新幹線のスピードは20倍しか違いませんが、自転車に乗って見える景色と、新幹線に乗って見える景色ではまったく違います。10億倍となると次元が異なり、人々の想像を超える変化となるでしょう。

皆さんは、AGI(Artificial General Intelligence)という言葉を知っていると思います。AIの知的能力が、人間の能力に追い付くのがAGIです。AGIにはいろいろな定義がありますが、すでにOpenAIのo3モデルは、博士課程に合格できるレベルです。これを1として、約5年後に10億倍になると想像してみてください。例えば10年で1,000倍としましょう。博士課程の1,000倍の能力を持っているとしたら、完全に天才の域を超えています。

10年はあっという間です。皆さんが30代の間にAGIをはるかに通り越して、スーパーインテリジェンスが1,000倍、1万倍、10億倍のレベルになるとしたら、皆さんは人生観を根底から考え直してみるべきではないかと思います。先輩がやってきたことが正しいのか、皆さんの常識で考えていることが正しいのか、人間の仕事とは何か、人生とは何かということを根底から見直す必要があるのではないかと思います。仕事のやり方も、人生観もあらゆるものが変わるとしたら、懸命に努力し、挑戦していくことが大切です。

かつてはものづくりの時代でしたが、これからは知恵を作り出していく、提供していく時代です。われわれは日本国内にとどまらず、世界に、人類に最先端のものを提供するグループになったことを自覚してほしいと思います。新しいAIエージェントの世界が到来します。企業用最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」の準備を進めているところで、社内で徹底的に活用します。多くの日本の企業から期待を寄せていただいています。

ソフトバンクグループの本業とは何か。われわれは、新しい叡智や人類の進化のために徹底的に貢献するのが本業です。一人ひとりの進化、会社としての進化が、人類の進化に役立つ。これを大きな志として頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

(掲載日:2025年4月1日)

ページトップへ戻る