移動体通信事業のリファイナンスに係る取締役会決議のお知らせ
当社は本日開催の取締役会において、平成18年4月にボーダフォン株式会社(現ソフトバンクモバイル(株)、本社:東京都港区、代表者:孫 正義、以下「SBM」)の買収のために調達した総額1.28兆円のブリッジ・ファシリティに基づく借入金の長期化を目的としたリファイナンスに当たり、連結子会社であるモバイルテック株式会社(本社:東京都港区、代表者:宮川 潤一、以下「モバイルテック」)、BBモバイル株式会社(本社:東京都港区、代表者:孫 正義、以下「BBM」)およびSBM(SBMの子会社を含む)が行う取引等に関する承認を決議いたしましたので、お知らせいたします。
Ⅰ 承認する取引等の主な内容
- 1. SBMによる総額1.45兆円※1の借入
- 2. BBMによるブリッジ・ファシリティ契約(総額1.28兆円)に基づく借入金(1兆1,738億円)の返済
- 3. BBMが既に発行している第一種優先株式の条件変更
- 4. BBMが新たに発行する第二種優先株式(拒否権付種類株式)の条件決定
- 5. モバイルテック、BBM、SBMおよびSBMの子会社(全4社)の保有資産等に関する担保権の設定
- 6. SBMの発行済普通社債総額1,000億円に関する信託型デット・アサンプションの実施
- 7. BBMの劣後ローン1,000億円に関するSBMによる825億円の免責的債務引受の実施
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※1
リファイナンスに係るトランザクションコスト等を含む
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※1
Ⅱ 各取引等の概要
各取引等の概要については、以下のとおりであります。本件に関する概要図については、別紙を参照ください。なお当該リファイナンスには事業証券化(WBS※2)による資金調達手法を採用いたします。この手法の採用により携帯電話事業から創出されるキャッシュ・フローをベースに、資金返済の確実性を高めることが可能となります。この結果、高い格付の取得が可能となるため、通常の借入れと比較して調達コストが削減されます。
1. SBMによる総額1.45兆円の借入
SBMはWBSファンディング※3から金銭の信託を受けた特定金外信託受託者たるみずほ信託銀行株式会社(貸主)からローンの借入(以下「SBMローン」)を行います。
なお、SBMローンの主要な条件等については下表のとおりです。
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借主 | ソフトバンクモバイル株式会社 |
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貸主 | 特定金外信託受託者たるみずほ信託銀行株式会社 |
借入総額 | 1.45兆円 うち
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最長借入期限 |
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金利 | 未定(借入実行日に開示予定) |
財務上および事業上の目標値 | 財務上の目標値には、累積負債削減額やEBITDAが含まれ、事業上の目標値には契約者数が含まれる。 財務上および事業上の目標値を満たしている限り新種サービス展開や設備投資など、事業経営における一定の自由度が許容される。 |
主なコベナンツ | 設備投資額の範囲、事業の範囲、主要資産の売却、処分の禁止等 |
担保提供 | モバイルテック、BBM、SBMおよびSBMの子会社(全4社)の保有資産等 |
借入実行日 | 平成18年11月30日(予定) |
2. BBMによるブリッジ・ファシリティ契約(総額1.28兆円)に基づく借入金(1兆1,738億円)の返済
BBMは、SBMから資金調達を行い(以下「BBMローン」)、平成18年4月27日にブリッジ・ファシリティ契約に基づき17金融機関から調達した1兆1,738億円を、平成18年11月30日(予定)に返済します。
3. BBMが既に発行している第一種優先株式の条件変更
BBMがVodafone International Holdings B.V.(以下「Vodafone」)およびヤフー株式会社に対して発行している第一種優先株式に係る配当・償還等の諸条件を変更します。
なお当該株式はSBMローンが全額弁済された後に償還されます。
4. BBMが新たに発行する第二種優先株式(拒否権付種類株式)の条件決定
(1)発行目的
WBSスキームにおいては、レンダー側※4は、SBMの携帯電話事業による将来のキャッシュ・フローのみを貸付金の返済原資として想定しているため、SBMが安定的かつ継続的に携帯電話事業を遂行できる仕組みの構築・確保がレンダー側にとっての最重要課題となります。
第二種優先株式(拒否権付種類株式)の発行は、かかるSBMの携帯電話事業を安定的かつ継続的に遂行できる仕組みの構築・確保の一環としてレンダー側から求められたSBMの親会社としてのBBMによる取締役会レベルおよび株主総会レベルにおける恣意的な行動を排除するための抑止的機能を実現するための手当てとして行われるものです。
(2)割当予定先
BBMは、WBSスキームの一環として、WBSにおける特定金外信託受託者たるみずほ信託銀行株式会社に対して拒否権付種類株式1株を発行する予定です。なおBBMが発行する全ての株式(拒否権付種類株式を含む。)については、譲渡制限が盛り込まれています。
(3)権利内容
- 1)拒否権付種類株式に係る株主には、WBSに基づくレンダー側の債権が残存している限り、BBMの取締役1名の選解任権が付与されます。
- 2)拒否権付種類株式に係る株主には、WBSに基づくレンダー側の債権が残存している限り、以下の事項に関する拒否権が付与されます。
- (i)追加借入
- (ii)新規事業の開始
- (iii)WBSの仕組みの導入に際して行った定款上の手当てに関する定款変更
- (iv)新株、新株予約権その他株式(株式に転換できる証券を含む。)を取得できる権利の発行
- (v)解散申立
- (vi)倒産申立
- 3)拒否権付種類株式は、あくまでレンダー側の要請に基づき発行されるので、WBSによる借入が完済されれば、取得条項に基づきBBMが取得した上、消却されるよう建付けられます。
上記の発行目的、割当予定先、権利内容の通り、今般の拒否権付種類株式の発行は、WBSの仕組みの下でのSBMの事業の安定的継続という観点から、株主としてのBBMによる予定外の恣意的、不当な株主権行使の防止という目的に必要な範囲の権利のみを付与する内容でなされるものであり、当社株式の買収防衛のために行うものではありません。
5. モバイルテック、BBM、SBMおよびSBMの子会社(全4社)の保有資産等に関する担保権の設定
WBSスキームに基づくSBMローンの実行に当たり、SBMが保有する原則として全ての資産(不動産、動産、債権、子会社株式等)ならびにBBMが保有するSBMの株式およびモバイルテックが保有するBBMの株式について、抵当権、質権担保設定および譲渡担保権が設定されます。
6. SBMの発行済普通社債総額1,000億円に関する信託型デット・アサンプションの実施
SBMが過去に発行した総額1,000億円の普通社債については、SBMローンのうち一定額を信託銀行に金銭信託し、当該信託資産の運用益と合わせて当該社債の償還原資とします。なおこの手法は金融商品会計に関する実務指針(会計制度委員会報告第14号)46項に基づく取引であり、信託型デット・アサンプションにより当該社債はオフバランス化される予定です。
対象となる社債
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クーポン | 発行日 | 償還期限 | 発行額 | 未償還残高 | |
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ソフトバンクモバイル(株)※5 第一回無担保普通社債 | 2.575% | 平成10年4月28日 | 平成20年4月28日 | 250億円 | 250億円 |
ソフトバンクモバイル(株)※5 第三回無担保普通社債 | 2.500% | 平成10年8月19日 | 平成22年8月19日 | 250億円 | 250億円 |
ソフトバンクモバイル(株)※5 第五回無担保普通社債 | 2.000% | 平成10年8月25日 | 平成22年8月25日 | 250億円 | 250億円 |
ソフトバンクモバイル(株)※5 第七回無担保普通社債 | 2.280% | 平成12年9月22日 | 平成22年9月22日 | 250億円 | 250億円 |
7. BBMの劣後ローン1,000億円に関するSBMによる825億円の免責的債務引受の実施
BBMがVodafoneから調達している総額1,000億円の劣後ローンについて、BBMはBBMローンおよび当社からの借入金をもって175億円をVodafoneに期限前返済した上で、SBMがその残額825億円の債務引受を行います。
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※2
WBS Whole Business Securitization:ストラクチャードファイナンスの一種で、事業から創出されるキャッシュ・フローを裏づけ資産として事業を証券化することで、資金返済の確実性を高めるスキーム
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※3
WBSスキームにおいて資金の出し手である国内外金融機関及び機関投資家から調達した資金を、特定金外信託受託者を通じてSBMに対するSBMローンに充てることを目的とするSPC
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※4
「レンダー」は形式的には、WBSファンディングからの特定金外信託受託者としてのみずほ信託銀行株式会社ですが、主体的な意思決定はWBSファンディングおよびみずほ信託銀行株式会社ではなく、実際に資金拠出を行う国内外の金融機関およびその他の投資家の合意により行われます。(以下、レンダー、WBS ファンディング、国内外の金融機関及びその他投資家を総称して「レンダー側」)。当社が支配し、又は支配される関係にあるような当事者は、かかる実質的な利害関係者としての国内外の金融機関およびその他機関投資家には含まれません。
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※5
社債券面上の表記は日本テレコム(株)。SBMの前身であるボーダフォン(株)の社名が(旧々)日本テレコム(株)であった時期に発行した社債。現ソフトバンクテレコム(株)((旧)日本テレコム(株))が発行した第1回債、第2回債とは異なる。
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※2
Ⅲ 業績に与える影響
これらの取引の実施による、平成19年3月期連結決算に与える影響については現時点では確定していません。確定次第お知らせいたします。
以上
スキーム図
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