理念・ビジョン・戦略

合同入社セレモニーあいさつ(骨子)

本日開催した2023年度ソフトバンクグループの合同入社セレモニーで、グループ代表の孫 正義が、国内グループ企業の新入社員約1,200人に向けてあいさつしました。

皆さん、おはようございます。
入社式が行われる4月は、私自身も清々しい気分になります。桜が一気に開花するように、新しい仲間たちが私たちのグループに新たな息吹をもたらしてくれるのは本当にうれしいことです。新入社員の皆さんは、人生の一つの大きな岐路に立っていると思います。社会人として自分で収入を得て生活するという、今までの学生時代とは全く違った自分に生まれ変わる大事な出発点にいるのだと思います。

皆さんはこの先40年、50年と働くことになるわけですから、2、3年先のことをあれこれ考えるのではなく、これから世の中がどれほど変わっていくのか、その中で自分はどれだけ役に立ち続ける人間になれるのかを考えながら、自分自身を成長させてほしいと思います。

ソフトバンクグループには、国内外に2,000社近いグループ企業があります。ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じた投資も行っています。これは、30〜40年前には考えられなかったことです。今から30年後に、われわれの会社の業態や皆さんの仕事がどれだけ変わるかということを想像してみてください。

これまでは、アートは人間の領域だと思っていましたが、プレゼンテーションや広告のデザインを描く、趣味で絵を描くといった、これまでは人間しかできないと思っていたことをAIが実行するような時代が来ました。例えば、モネの絵も、これまでは検索によって画像を見つけることしかできませんでしたが、まるで彼が描いたかのような絵を描いてくれる。また、AIは即座に文脈を理解し、難しい問い合わせに対してあたかも人間が答えたかのように、自然な会話で回答してくれる。つまり、AIの活用レベルが異次元に進化したことで、これまで人間の聖域だと思われていた絵を描くことや小説を書くことをAIが実行できるようになりました。テクノロジーのベース、ライフスタイルが根底から変わるわけです。世の中が変わります。ホワイトカラーの仕事の大半が置き換わり、工場の生産や農業、漁業もAIを搭載したスマートロボットが作業のほとんどを担うようになるでしょう。

ソフトバンクグループとは何なのか。創業して約40年が経ちました。本業は携帯電話会社と思う方が多いと思いますが、ヤフー、LINEもソフトバンクグループです。ソフトバンクグループは、情報革命の最先端のサービスや技術を次から次に生み出して、提供していく会社です。AIが自分の仕事と関係ないと思っている人はまったくの勘違いをしています。10年後は、今とは全然違う情報革命の最先端のロボット、AI、サービスを提供しているかもしれません。世界中の人々が使っているスマホのCPUは、グループのアームが100%近いマーケットシェアを占めています。ゼロから作ったものもあれば、買収した会社や、JV、出資している会社など、その全てがソフトバンクグループであり、ファミリーカンパニーなのです。皆さんは別のファミリーカンパニーに明日から異動するかもしれないわけです。自分自身の仕事の内容も変わります。例えば、経理部門に配属されたとして、その仕事が来年にはなくなるかもしれません。ソフトを書く部署の人も、AIが勝手に学習して、プログラミングする時代です。人間、仕事とはなんぞや。その答えは刻々と進化しているのです。

今日から新たに始まる皆さんの人生は、30年後には今では想像できないほど大きく変わっているでしょう。AIの活用を法律で規制することを訴える人もいますが、私は反対の立場です。善のために使えば役に立つに決まっているからです。今まで治せなかった病気を治せたり、交通事故を減らすことができたりと、人々を幸せにしてくれる。世界は変わります。われわれソフトバンクグループは情報革命の最先端で、人々を幸せにし、笑顔を提供していくことが本業です。そのために日々学び、努力しています。皆さんも、日々新しい情報に触れ、人間として役立てる、そういう人になっていってほしいですし、会社もさらに進化していきます。30年後にはファミリーカンパニーが何千社、何万社になり、社員が何百万人にもなっていると思います。どんどん進化し続けて人々の幸せのために頑張ることができる会社になりたいと思います。よろしくお願いします。

合同入社セレモニーあいさつ(骨子)合同入社セレモニーあいさつ(骨子)

(掲載日:2023年4月3日)