株主・投資家情報(IR)

株価を意識した経営の実施状況

2025年6月30日現在

現状評価

ビジネスモデル

戦略的投資持株会社である当社は、NAV(Net Asset Value:保有株式価値-調整後純有利子負債で算出)の持続的な拡大を通じて企業価値の最大化を目指しています。NAVの拡大を目的に、AIという投資テーマに基づき厳選した企業に投資を行い、投資先の株式価値を高めた上で適切なタイミングで売却し、回収した資金も活用しつつ成長可能性の大きな新たな企業に投資しています。経営に深く関わることで付加価値を提供できるような戦略投資についてはソフトバンクグループ㈱または100%子会社から行い、それ以外はソフトバンク・ビジョン・ファンド※1を通じた投資を行うことを想定しています。いずれについても投資判断を下す上では、市場規模、競争環境、ビジネスモデル、事業戦略、経営陣の意欲・能力などを踏まえて十分な投資リターンを生み出せるか総合的に検討しています。

※1 ソフトバンク・ビジョン・ファンド1、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2およびソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド

市場評価

当社の価値を測る上では、連結純資産や期間損益に基づく指標ではなく、戦略的投資持株会社としての時価純資産であるNAVこそが最適な指標と考えており、市場評価を見る上ではNAVと時価総額の比較が妥当と認識しています。NAVは企業の解散価値と言うことができるので、本来は、ゴーイングコンサーンとしての企業の時価総額はNAVを上回ることが期待されています(税金考慮前)。しかし、この数年は時価総額がNAVを大幅に下回る「NAVディスカウント」の状態が続いています。その要因としては、以下が挙げられます。

  1. 株主や投資家から今後の成長ストーリーが見えにくくなっていること。大型投資案件(Stargate ProjectOpenAIへの追加出資Ampere Computingの買収等)が相次いで公表されたものの、まだNAVの期待値に織り込まれていない。
  2. ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資パフォーマンスは改善傾向にあるものの、一進一退の状況が続いており、将来の見通しに対する不透明感が残っている。
  3. 多様な投資資産やグループストラクチャー、資金調達手法など、株主や投資家にとっての“理解の難しさ”。
21年3月末22年3月末23年3月末24年3月末25年3月末
時価総額(兆円)16.29.27.613.110.8
NAV(兆円)26.718.514.127.825.7
NAVディスカウント(%)3950465358
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  • NAVの定義はこちらをご参照ください。

NAVディスカウントの改善に向けた方針・取り組み

当社は、NAVを中長期的に最大化することが最も株主の利益に資するという考えの下、現在成長投資を優先しています。AIの進化と普及がもたらす市場拡大や新産業創出といった大きな機会を捉えるための投資を着実に実行し、各投資先の企業価値、ひいては当社の保有株式価値の増大を通じてNAVを拡大することで、株主や投資家から成長ストーリーが見えやすくなるよう努めていきます。また、新規投資と既存投資先の価値向上、ポートフォリオの入れ替えを通じてNAVが成長する過程で、回収した資金を投資、株主還元、財務改善に適切に配分していくことが、将来的なNAVディスカウントの縮小につながると考えています。

株主還元の一環としての自己株式の取得については、2019年3月期以降の取得額は合計4.8兆円※2にも上ります。引き続き、LTVや手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、持続的な成長に向けた投資機会やNAVディスカウントの水準などを考慮しながら機動的に実行していきます。

さらに、株主や投資家にとっての“理解の難しさ”については、引き続き徹底的に対話をし、理解の促進や疑問の解消に努めるとともに、開示資料のより一層の工夫にも取り組んでいきます。

※2 2025年5月末時点

投資を資金化した際は、成長投資への再投資、成果の配分としての株主還元、および財務改善に適切に資本を振り分けるのが原則です。しかし、現在はNAV拡大を実現するため成長投資を優先しています。成長投資のために強固な財務基盤が生み出す負債余力も活用していきます。 投資を資金化した際は、成長投資への再投資、成果の配分としての株主還元、および財務改善に適切に資本を振り分けるのが原則です。しかし、現在はNAV拡大を実現するため成長投資を優先しています。成長投資のために強固な財務基盤が生み出す負債余力も活用していきます。
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